アロワナの飼い方!飼育のポイントや注意点も紹介

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まとめ
  • 最終的に最低でも120cm以上の水槽と、相応のろ過設備が必要
  • さまざまな餌を与え、栄養バランスが偏らないようにする
  • 飼育を始める前に、最後まで飼いきれるのか、しっかりと考える

古代魚としての風格と、堂々とした泳ぎで多くのアクアリストを魅了してきたアロワナ。広い水槽を悠々と泳ぐ姿はまさに王者の風格を漂わせます。しかし、その魅力の裏側には『大型魚ならではの飼育の難しさ』も存在します。

この記事では、アロワナの特徴から代表的な種類、さらに実際の飼育方法や注意点までをわかりやすく解説します。アロワナに興味がある人はぜひ参考にしてください。

目次

アロワナとはどんな魚?特徴は?

アロワナは熱帯地方の淡水に生息する大型の古代魚で、ダイナミックな泳ぎや知能の高さが魅力です。ここでは、アロワナの基本情報を紹介します。

アロワナの大きさや寿命

アロワナは観賞魚の中でも特に大型に成長する魚です。お店で販売されているのは10~15cmの幼魚が多いですが、成長すると種類によっては1mを超えることもあります。特にシルバーアロワナは最大で120cmに達し、小さな種類でも60cmほどに成長するので、大型水槽が不可欠です。

寿命は適切に飼育すれば20年以上生き、一度飼い始めれば長期間付き合うことになります。まさに犬や猫と同じように『家族』として向き合うべき存在です。ただし、相応の設備も必要になるので、最後まで飼いきれるのか、しっかりと考えることが大切です。

アロワナは肉食性

アロワナは自然界では水面近くを泳ぎ、小魚や昆虫、時には鳥や小動物までも捕食することがあります。口が大きく開き、想像以上に大きな餌まで捕食できます。

飼育下では冷凍エビや小魚・コオロギなどの昆虫を与えるのが一般的です。慣れると人工飼料を食べますが、栄養バランスが偏らないよう餌を与えることが大切です。

アロワナは人に慣れる?

アロワナは観賞魚の中でも知能が高く、人に慣れやすい魚です。飼主が近づくと水槽前に寄ってくることもあり、餌をねだる姿はペットとしての魅力を一層高めます。

毎日の給餌や観察を通じて徐々に慣れ、愛着が増していくでしょう。寿命が長いので、まさに一生のパートナーです。

アクアリウムで人気のアロワナ5選

アロワナは学術的には5種類ですが、流通上ではさらに多くの品種に分けられます。それぞれに違った魅力や特徴があります。ここで特に人気の5種類を取り上げ・価格や大きさ・飼育のしやすさなどを紹介します。

アロワナの定番種 シルバーアロワナ

シルバーアロワナは南米アマゾン川流域に生息する代表的な種です。幼魚であれば3,000円ほどで入手できる一方で、成長すると1mを超えるため大きな水槽が必要です。

体色は銀色に輝き、優雅かつ迫力ある泳ぎを楽しめます。比較的丈夫で、最終的に広い環境を用意できれば初心者でも飼育しやすい種類です。

アジアアロワナの入門種 グリーンアロワナ

グリーンアロワナはアジアアロワナの中で比較的手に入れやすい品種です。価格は3万円ほどからで、成長すると70cm前後になります。

緑がかった体色が特徴で、環境により色の深みが変わるのも魅力です。紅龍などと比べると派手さはないものの、初めてアジアアロワナを飼育してみたい人に向いています。

一番人気の紅龍

紅龍はアジアアロワナの中でも最も人気の高い品といえるでしょう、全身が赤く染まる姿は圧倒的な存在感を誇ります。価格はグレードによって十万〜数百万円と高価で、高級魚の代表格です。

発色を維持するには照明や環境維持が重要で、上級者向けの種類といえるでしょう。鮮烈な赤色は水槽全体を華やかに演出します。

金色に染まる過背金龍

過背金龍は背中まで金色に輝く豪華な品種で、縁起物としても人気があります。価格は紅龍よりさらに高額で、数十万〜数百万円で、最大で70cmほどです。

中には金色の上に緑や藍色が出る個体もあり、過背金龍の中でもさらに複数のタイプに分けられます。その豪華な体色・迫力ある体型は観賞魚として最高級の美しさを誇ります。

野性味あふれるノーザンバラムンディ

オーストラリア北部に生息するノーザンバラムンディは、体型はアジアアロワナに似ていますが、よりワイルドな雰囲気を持ちます。成長すると80cm前後になり、丈夫で病気にも強いのが特徴です。

価格は5,000円ほどからと比較的安価です。気性が荒いので単独飼育が望ましく、さらに身体が硬いので奥行きのある水槽が必要になります。

アロワナの飼い方・管理方法

アロワナを飼育するには、大型水槽や器具、そして日々の丁寧な管理が欠かせません。ここでは飼育に必要な設備・餌・水換えの方法など、実際の飼育に必要な知識を紹介します。

飼育に必要なもの

大型になるアロワナの飼育では、相応の飼育設備が必要です。飼育を始める前に、しっかりと環境を整えましょう。

最低でも120cm以上必要│水槽

アロワナは大型魚であるため、最終的には120cm以上の水槽を用意することが推奨されます。幼魚のうちは小さくても大丈夫ですが、成長に合わせてサイズアップしましょう。アジアアロワナやノーザンバラムンディは身体が硬いので、奥行きも必要です。

大型水槽は設置する場所の確保はもちろん、床の耐荷重も考慮する必要があります。飼育を始める前に、将来的なことを考えておくことが大切です。

水温を保つアイテム│ヒーター

アロワナの適温は26〜28℃です。水温が安定しないと病気の原因になるため、サーモスタットに接続して調整しましょう。

大型水槽の場合は、高出力のもの1つでコントロールするより、中程度の出力のものを2つでコントロールするのがおすすめです。万が一片方が故障しても、もう片方で最低限の保温ができるためです。

水質を保つアイテム│フィルター

肉食性で大食漢のアロワナは水を汚しやすく、強力なろ過装置が必須です。ろ過能力が高い外部式フィルターやオーバーフロー式がおすすめです。複数のろ過装置を設置するのもよいでしょう。

鑑賞性を高める│照明

照明は観賞性を高めるだけでなく、紅龍や金龍の発色を維持するためにも欠かせません。演色性の高いライトを選ぶと、魚体がより美しく映えます。

餌の種類と与え方

アロワナは肉食性で、野生ではさまざまな生き物を食べています。水槽でも複数の餌を与えて、栄養バランスの偏りを防ぐことが大切です。

コオロギやミルワームなどの昆虫類・金魚やドジョウなどの小魚・カエル・エビ・人工飼料などが候補です。幼魚のうちは毎日、成魚になったら2~3日に1回、数分で食べつくす量を与えましょう。与えすぎは肥満のもとになり、食べ残しは水質悪化につながるため、餌の量には注意が必要です。

水を汚しやすいので、こまめな水換えが必要

アロワナは水を汚しやすい魚のため、週に1〜2回、全体の3分の1程度の水換えが理想です。2~3ヶ月に1回は、すべての水を交換し、ろ過槽内の掃除もしましょう。新しい水はカルキ抜きをし、水温を合わせてから使用することが大切です。

アロワナ飼育のポイントと注意点

アロワナの飼育では、大型魚ならではの注意点がいくつかあります。この章では初心者が特につまずきやすいポイントを紹介します。

底砂やレイアウトは必ずしも必要ではない

アロワナ水槽では底砂を敷かない『ベアタンク方式』で飼育する場合が多いです。排せつ物の多いアロワナの飼育では、砂があるとすき間に入り、水質悪化に繋がりやすいからです。流木などのレイアウト素材があると、驚いた弾みで体を傷つける可能性が少なくありません。

底砂には色揚げ効果もあります。金龍には黒系、紅龍には赤系の砂を使用することで、より美しい個体に仕上がります。メンテナンス性と色揚げ効果、どちらに重きを置くかで選択しましょう。

飛び出し事故に注意

アロワナはジャンプ力が非常に強く、水槽から飛び出してしまう事故が少なくありません。水槽には必ずフタをし、重石を置きましょう。飛び出した個体は致命的な傷を負うことが多いため、特に注意が必要です。

混泳相手は慎重に選ぼう

アロワナは気性が荒く、口に入る大きさの小型魚は捕食されやすいです。混泳させるなら大型で打たれ強い性格の魚種が望ましいです。

ダトニオ・大型ナマズ・ポリプテルス・淡水エイなどは混泳相手としてよく選ばれます。特に下層を泳ぐナマズや淡水エイはアロワナと生活圏が被らないので成功しやすいでしょう。ただし、小競り合いなどは避けられませんし、小まめに観察して、場合によっては隔離することも必要です。

魅力あふれるアロワナを飼育してみよう

アロワナは大型に成長し寿命も長いため、初心者が簡単に飼育を始められる魚では決してありません。しかし、迫力ある泳ぎや豪華な体色、人懐っこい性格は、他の観賞魚にはない魅力です。十分な設備と知識を備えれば、10年以上にわたって共に暮らすことができます。

まずは自分が気に入った品種を選び、長期的に飼育できる準備を整えて挑戦してみましょう。アロワナとの生活は、きっとあなたに大きな喜びを与えてくれるはずです。

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のべじ

のべじ

元水族館職員の生き物好きライター。ダイビングガイド、農家などの経験を活かし生き物・自然・家庭菜園・料理など、さまざまな分野でライティングしています。

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