沖縄の希少な地犬『琉球犬』とは?特徴や入手先、育てるときの注意点を解説

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まとめ
  • 縄文犬の遺伝子を受け継ぐ沖縄の地犬
  • 見た目はワイルドだが性格は温厚!
  • 沖縄の天然記念物で流通は少ない
  • 沖縄では琉球犬を守る保護活動が行われている

琉球犬(りゅうきゅういぬ)は沖縄県原産の地犬で、沖縄県の天然記念物にも指定されている希少な犬種です。そのルーツは縄文時代まで遡るといわれ、野性的な見た目と、飼主に忠実で穏やかな性格のギャップが魅力的。

この記事では、そんな琉球犬の詳しい特徴から入手方法、飼育の注意点まで解説します。琉球犬について詳しく知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

『琉球犬』は沖縄県原産の希少な日本犬

※画像はイメージです

琉球犬は沖縄にルーツに持つ犬種で、かつてイノシシ猟などの猟犬として活躍した犬です。主に本島北部の『山原(やんばる)系』と、石垣島などの『八重山(やえやま)系』の2系統があります。

第二次世界大戦で本来の純血統の琉球犬は絶滅したとされていますが、現存していた犬を繁殖させることで、徐々に個体数は増えつつあるようです。以下で、琉球犬の詳しい特徴や魅力について紹介します。

縄文犬の遺伝子を濃く継いでいる

琉球犬は縄文時代初期に沖縄に渡ってきたとされており、地犬のなかでも特に古い歴史を持つ犬種の1つとして考えられています。見た目も柴犬や秋田犬といった日本犬とは異なり、鼻と額のあいだにあるストップが浅めで、野生的な風貌をしているのが特徴です。

大きさは中型犬サイズ

琉球犬はスマートで筋肉質な骨格が特徴的な中型犬です。オスとメスの体型の違いは以下のとおり。

  • オス:体高 約46~52cm
  • メス:体高 約43〜47cm

オスのほうがやや大きい体格をしています。体重は約16〜20kgほどです。

寿命は10〜12年ほど

琉球犬の平均寿命は10〜12年とされています。中型犬としては平均的な寿命です。もちろん寿命には個体差はあり、健康管理や飼育環境に配慮することでより長く一緒に過ごせるでしょう。

穏やかで友好的な性格

野生的な見た目から誤解を受ける可能性もありますが、琉球犬は温和で友好的な性格をしています。飼主に忠実で愛情深いため、飼いやすい犬種といえるでしょう。

4種の個性豊かな毛色がある

琉球犬の毛色は、主に以下の4種類があります。

  • アカトゥラー(赤虎):茶に黒のしま模様
  • シロトゥラー(白虎):黒に茶のしま模様
  • クロトゥラー(黒虎):白に黒のしま模様
  • アカイン(赤犬):赤みがかった茶色

アカインが特に多く見られる毛色です。純血種同士を組み合わせることで、アイボリーや白、黒などの毛色の琉球犬も生まれます。

琉球犬を飼育したい!入手先や価格は?

※画像はイメージです

「琉球犬を飼育したい!」と思っている人もいるでしょう。ここでは主な入手先や価格について紹介します。

ブリーダーから購入する

琉球犬を取り扱っているブリーダーから購入する方法があげられます。価格は大体10万円ほどであることが多いようです。希少な犬種のため琉球犬を販売している場所は少ないですが、沖縄内外で活動しているブリーダーに連絡を取ってみてください。

ただし2019年の法改正によって、購入する際はブリーダーの事業所まで訪問して、犬の確認・説明を受ける必要があります信頼できるブリーダーかどうかを判断するためにも、飼育環境を一度確認しに行くことが大切です。

里親募集サイトから探す

里親募集サイトにはさまざまな理由から、飼主を求めている琉球犬やミックス犬が掲載されています。子犬の掲載数は少ない傾向にありますが、事前に性格などの情報を知れるため、迎え入れる準備を整えやすいでしょう。

里親募集サイトから応募する際はトラブル防止のためにも、誓約書を交わすことを義務付けているところを選ぶのがおすすめです。

琉球犬を育てる際の注意点

※画像はイメージです

犬を飼うなら快適な衣食住を確保することは必須ですが、それに加えて琉球犬を飼ううえで知っておきたいポイントがあります。

毎日の運動を欠かさない

琉球犬は猟犬としても活躍するぐらい運動が得意です。そのため、少なくとも毎日1時間は散歩するなどして運動させてあげましょう小動物に敏感に反応する習性があるため、散歩をする際はリードを付けて、目を離さないことが大切です。

こまめにブラッシングする

琉球犬はダブルコートの犬種です。そのため、換毛期には大量に毛が抜けやすいでしょう。毛が多く抜け始めたら、皮膚トラブル予防のためにもこまめなブラッシングが必要です。

毛があまり抜けないときでもコミュニケーションも兼ねて、週1〜2回程度はブラッシングしてあげてください。

狼爪(ろうそう)の手入れを行う

琉球犬には『狼爪』と呼ばれる地面に接しない爪が生えていることが多いという特徴があります狼爪は現代の生活では必要がなくなった器官の名残です。他の爪とは違って地面にふれないため、散歩などで削られることがありません。

放置すると伸びて刺さったり、引っ掛けて怪我をするリスクがあるので、定期的に切ってあげましょう。ちなみに、狼爪を含めて指が6本あるのも琉球犬の特徴です。

琉球犬を守る保護活動

琉球犬は第二次世界大戦の影響で、一時は絶滅の危機に瀕しました。しかしこの状況に危機感を抱いた有志によって、1990年に保存会が結成され、琉球犬の保護活動が行われるように地道な努力の結果、徐々に琉球犬の個体数を増やすことに成功しています。

しかし、繁殖の難しさや個人への負担の大きさなどから活動を続ける人が減り、今も頭数は少ない現状があります。そのため、琉球犬の血統を守る保護活動の重要性が高まっている状況です。

沖縄で古来から愛されている琉球犬は魅力がたくさん

※画像はイメージです

縄文犬の血を引き継ぐ野性的な姿と、愛情深い性格が魅力の琉球犬。毛色や狼爪など他の犬と異なる特徴的な部分も多いため、実際に見る機会があったらそういった違いにも注目してみてください

希少な犬種のため飼うまでのハードルは比較的高いですが、家族に迎えたい方はブリーダーや里親募集サイトなどから探してみましょう。

かえでのアバター

かえで

かえで

フリーランスライター。動物や転職、美容メディアなど幅広いジャンルでライティング・ディレクション・編集をメインに行う。
個人の保護猫活動家でもあり、保護猫3匹と保護犬1匹と生活中。動物愛あふれる記事制作に貢献したいです。

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