- 猫の爪とぎは本能!しつけでやめさせることはできない
- 猫の性格や好みに合わせ、爪とぎに適した環境を与えよう
- 家具や壁紙を傷に強い製品に変えるのもおすすめ

猫は犬とは異なり、完全肉食動物の哺乳類です。爪は猫が獲物を狩るための強力な武器となりますが、家庭で猫を飼育する際は爪がトラブルの原因になることも。
今回は、猫が爪をとぐ理由や、家庭でできる爪とぎ対策を紹介します。
猫にとって無理のない爪とぎ対策をすることで、ペットも飼主もストレスフリーに!ライフスタイルに合わせたアイデアを取り入れて、愛猫との毎日をさらに素敵なものにしていきましょう。
爪のケアだけじゃない!猫が爪をとぐ理由

ここでは、猫が爪をとぐ理由を紹介します。
どれほど大人しい性格の猫でも、本能的な爪とぎはなかなかやめられません。すべての猫にとって、爪とぎはごく自然かつ日常的な行為です。爪とぎの理由を知り、猫の心理を学んでみましょう。
狩りに備える・木に登るため
猫が爪とぎをする理由として、狩りへの備えがあげられます。猫にとって爪は獲物を捕らえるための武器であるため、鋭利な爪は生存に直結するのです。
また野生の猫は、天敵から逃げたり縄張りを監視したりするために木に登ります。幹をスムーズに登るためにも、よく尖った爪が必要です。
つまり猫の爪とぎは、野生生活の名残といえるでしょう。
マーキングによる縄張りの主張
猫が爪とぎをする理由の一つが、視覚的・嗅覚的なマーキングです。高い位置に爪跡をつけることで「自分は大きく力が強い猫だ」というメッセージになるといわれています。
また爪とぎをすると、臭腺を通して対象物に自分の臭いが付着します。自分の縄張りを主張することで、ほかの猫を寄せ付けないようにするのも爪とぎの目的です。
ストレス発散
猫にとって爪とぎは、ストレス発散の手段でもあります。気持ちを切り替えたいときやイライラしたときに、爪とぎをして精神的に落ち着こうとします。
爪とぎは、爪だけではなく心のケアにも役立つ行為です。そのため無闇にやめさせるのではなく、目的を理解したうえでの建設的な対策が求められます。
猫が爪をとぎやすい場所はどこ?

ここでは、猫が爪とぎをしやすい場所を紹介します。
猫の好みを知ることで、家具やインテリアを入れ替えるきっかけになることも。愛猫の嗜好とも照らし合わせながら、猫が気に入りやすい物の特徴を学んでみましょう。
爪が引っかかりやすいカーペット・畳
カーペットや畳など、爪が引っかかりやすい素材は猫に好まれやすい傾向にあります。
爪をとぐためには、凸凹感のある形状であるだけではなく、一定の硬さが必要です。そのため表面が凸凹であっても、コットンやニットなどで爪をとぐケースは多くありません。
飼主の臭いがついている家具
猫は安心感を得るために、飼主の臭いがついている家具で爪をとぐ場合があります。また臭腺を通して自分の臭いを上書きすることで、マーキングをする目的もあります。
飼主を「自分のものだ!」と主張していると考えると、可愛らしい印象を抱きますよね。しかしその結果、家具や洋服がボロボロになってしまうこともあるでしょう。
猫の爪とぎ対策をしないとどうなる?

爪とぎは猫にとって自然な行為です。しかし爪とぎ対策をおこなわないままでは、お気に入りの家具や洋服・壁・インテリアなどがボロボロになってしまうでしょう。
また猫への強い声かけはストレスの原因に。猫は犬とは異なり主従関係を築けないため、当人にとってのメリットを与えない限り、迷惑な場所での爪とぎをやめられません。
爪とぎに適切した環境を用意することで、結果的に愛猫のストレスケアにもつながるでしょう。
ペットも飼主もハッピーに!猫の爪とぎ対策7選

ここでは、猫の爪とぎ対策として取り入れたいアイデアを7つ紹介します。
飼主のライフスタイルや家の間取り、猫の性格などによって、適した対策方法は異なります。愛猫の目線に立ちながら、無理のない対策を導入していきましょう!
1.爪とぎグッズを増やす・変える
猫の爪とぎ対策として、複数の爪とぎグッズを用意することがあげられます。爪とぎを置いていない場合は、さっそく何種類かのグッズを購入してみましょう。
段ボール製・麻製・木製など、グッズによって爪とぎの素材は多種多様です。どの素材もメリット・デメリットがあるからこそ、愛猫にとってお気に入りの商品を見つけることが大切です。
▼おすすめ爪とぎ
2.お気に入りの場所に爪とぎグッズを置く
「爪とぎを用意しているのに使ってくれない!」という場合、何らかの理由で設置場所が気に入らないことも考えられます。
たとえば臭いや音が気になったり、使いにくい姿勢を維持する必要があったり。爪とぎを使ってもらうためには、猫がリラックスして過ごしている場所や、よく爪とぎをしている場所にグッズを設置してみましょう。
3.壁や家具に保護材を貼る
どうしても傷つけられたくない家具や壁には、保護シートを貼るのも一つの手段です。保護シートは爪とぎ防止になるだけではなく、歯の生えかわり時の甘噛み防止にも役立ちます。
ただし家中が保護シートだらけになってしまうと、猫にとっては「どこで爪とぎをすればいいの?」という状態に。爪とぎNGエリアをつくった分だけ、自由にとげるグッズもしっかり用意してあげてください。
▼おすすめ保護シート
4.爪とぎグッズにマタタビを活用!
爪とぎグッズにマタタビを少量振りかけることで、積極的に利用してくれる可能性が上がります。商品記載の用量を守り、愛猫の様子を観察しながら与えましょう。
ただしマタタビの与えすぎは、激しい興奮を招くリスクがあります。猫のケガにつながる可能性もあるため、不安であれば獣医師に相談しながら試してみてください。
▼おすすめマタタビ
5.飼主がサポートして爪とぎ場所を教える
せっかく爪とぎを用意しても、使い方がわからなければ本末転倒ですよね。爪とぎを設置したばかりの頃は、愛猫の可愛い前足を本体に当ててみましょう。
爪に優しく引っかかるようにサポートしてあげれば、猫が自分から爪をとぐようになることも。まずは飼主が率先して誘導して「これを使えば爪をとぎやすい!」と猫に認識してもらうとよいでしょう。
6.過剰な爪とぎをする心理をケアする
過剰な爪とぎや、突然爪とぎの時間・回数が増えたときは、環境の変化やストレスによる可能性もあります。
爪とぎ対策では、爪とぎ行為自体をしつけるのではなく、本質的な悩みに寄り添いケアすることも大切です。引越し・来客・模様替えなどの生活環境の変化によるストレスはもちろん、体調変化にも気を配ってあげましょう。
7.爪とぎに強い壁紙・家具を買う
爪とぎに強い壁紙や家具を用意するのも、建設的な爪とぎ対策の一つです。たとえば賃貸に住んでいる場合は、猫の手が届く範囲には張り替え可能な壁紙を貼るのもよいでしょう。
ソファーやベッドの足で爪をとぐ場合は、専用カバーを購入するのもおすすめです。またスウェード生地の家具は爪が引っかかりにくく、耐久性も高いため、猫を飼育している家庭に推奨されます。
「猫に爪とぎは付き物」と割り切る気持ちも大切

冒頭にもあげたように、猫にとって爪とぎは本能的な行為です。基本的に飼主にできることは、人間の迷惑にならない爪とぎ環境や、猫の性格に合わせた環境の提供しかありません。
「猫の爪とぎを完全にやめさせることはできない」と認識したうえで、ある程度の割り切る気持ちも大切です。犬のように主従関係でしつけることはできないことを理解し、愛猫に負担を押し付けない対応を心がけましょう。
猫の性格やライフスタイルに合った対策を取り入れよう!

今回は、猫が爪とぎをする理由や対処法を紹介しました。
猫の爪とぎは、猫という生き物として健全に育っている証でもあります。普段から日常的に爪とぎをしているからこそ、爪周りの異変や心理の変化などにも気づきやすくなるのです。
無理やりやめさせようとせずに、適切な環境を用意したうえで、猫の健やかな成長を見守りましょう。