- 豊富な運動量を確保するために、高低差のある環境を準備しよう
- 被毛のケアは1日1~2回。ブラッシングは楽しく習慣化させること
- 突然死のリスクを下げるためにも、定期的な健康診断が大切

サイベリアンは、ガッシリとした体と豊かな被毛を持つ長毛の猫です。子猫を購入する際は、15~30万円程度でお迎えできます。ロシアのシベリア地方から名づけられており、比較的寒さに強い猫としても有名です。
今回は、サイベリアンの特徴や、飼い方のポイントを紹介します。サイベリアンならではの性質を学び、安心感をもってお迎えを検討しましょう。
サイベリアンとはどんな性格?

ここでは、サイベリアンの性格の特徴を紹介します。
サイベリアンは、穏やかさと快活さを兼ね備えた利発な猫です。家庭猫として理想的な性質を備えており、小さな子どもとも安心して生活できるでしょう。サイベリアンの性格を学び、お迎えのイメージを広げていきましょう。
運動が大好き!穏やかで飼いやすい性格
サイベリアンは、運動が大好きな大型猫です。筋肉質な体と豊富な被毛で威厳を感じさせますが、実際には穏やかで甘えん坊な性格をしています。自分が認めた相手には心を開いた姿を見せてくれます。基本的に情緒が安定しており、飼主に忠実な性質が魅力です。
ロシアの雪を耐え抜くような、忍耐強さが特徴
サイベリアンは、忍耐強い性質も特徴です。極寒のシベリアをルーツに持つ猫の名に恥じず、冬の寒さに耐え抜くような我慢強さを持っています。小さなお子さんにちょっかいを出されても滅多に怒らず、状況を受け入れる器の広さを持っている猫です。
サイベリアンの基本的な飼い方

ここでは、サイベリアンの基本的な飼い方を紹介します。サイベリアンの飼育のポイントは、運動量の確保と被毛のケア。サイベリアンの身体的な特徴を加味した環境・お世話を取り入れて、人もペットも快適な暮らしをかなえましょう。
豊富な筋肉量を生かした運動の場を用意する
サイベリアンは、フワフワの被毛の下に豊富な筋肉量を秘めています。大型猫のなかではとくに身体能力が高く、健全な飼育のためには運動量を確保できる環境が必要です。
とくに跳躍力の高さが目立つため、高低差のあるキャットタワーや、飛び乗り・飛び降りがしやすいキャットウォークなどを用意すると良いでしょう。運動できる場が整備されていると、いたずらの数も軽減されます。
毎日1~2回のブラッシングを取り入れる
サイベリアンの被毛は、毎日1~2回のブラッシングが求められます。1回のブラッシングは5分程度で構わないので、毎日の習慣として取り入れましょう。とくに3月・11月頃の換毛期では、大量の抜け毛ケアが必要です。
長毛猫用のスリッカーブラシでとかした後に、毛づやを出すためのコームブラシで整えてあげると、美しい見栄えを維持しやすくなるでしょう。
以下の記事では猫のブラッシングについてまとめていますので、今回の記事と合わせて参考にしてください。

知的なコミュニケーションを楽しもう
サイベリアンは、全描種のなかでも聡明な猫として知られています。知的なコミュニケーションも取りやすく、ほかの描種と比べて芸やしつけも覚えやすいのが魅力です。サイベリアン自身も、感情や要望がわかるような仕草・表現が多い傾向にあります。
サイベリアンの飼育では、自慢の知性や思考力を生かすために、ぜひ知育おもちゃを導入してみてください。描種によっては「遊び方がわからずに飽きてしまう」というケースがありますが、利口なサイベリアンではそのリスクも少なく、楽しく遊べる子が多いでしょう。
サイベリアンの飼い方の注意点

ここでは、サイベリアンの飼い方における注意点を紹介します。
サイベリアンは基本的に飼いやすい猫ではありますが、健全な飼育のためには性格や特徴に応じた環境整備が必要です。飼育上の注意点を学び、今から始められる準備を進めていきましょう。
夏場の室温管理はしっかりと
豊かな被毛を持つサイベリアンは、日本の夏の暑さに弱い傾向にあります。一般的な猫にとって快適な室温は21~28℃程度ですが、サイベリアンを飼う際は26℃を超えないように調整してください。
直射日光を和らげるために、遮熱カーテンを取り付けるのも良いでしょう。とくに日当たりが良い場所はお気に入りのスペースになりやすいため、熱中症対策が重要になります。
夏場は水分不足を予防するために、お水が飲める場所を複数用意してあげると安心です。
周囲の環境や小さなお子さんに気を配る
忍耐強さは、サイベリアンの大きな特徴であり魅力です。しかし忍耐強さのあまり、ストレスを抱え込んでしまう場合もあります。とくに小さな子どもからのスキンシップが多い家庭では、ペットが安全を確保できるスペースを用意しましょう。
またサイベリアンの忍耐強さは、環境的なストレスにも該当します。ベッドは静かな場所に設置し、明るさや臭いにも気を配ってあげましょう。フラストレーションを発散させるために、日常的なスキンシップや遊びを取り入れることも大切です。
サイベリアンの基本情報|特徴や大きさを解説

ここでは、サイベリアンの体に関する基本情報を紹介します。動物は一般的に、寒い地域に住む種類ほど体が大きくなる傾向にあり、サイベリアンも例外ではありません。サイベリアン特有のサイズ感を理解したうえで、空間づくりにつなげていきましょう。
サイベリアンの特徴・大きさは?
サイベリアンの大きさは、体高23~25cm程度、体重6.5~12kg程度です。大柄な個体では、10kgを超えることは決して珍しくありません。全描種のなかでも珍しい『トリプルコート』の豊かな被毛を持つため、実際の体重以上に大きく見えることもあります。
平均寿命は約10~15年
サイベリアンの平均寿命は、10~15年程度とされています。猫全体の平均寿命が12~20年であるため、平均かやや短い程度といえるでしょう。ただし寿命は先天的に定められているものではないため、環境や食生活などによっても変化します。
かかりやすい病気は?サイベリアンの健康を維持するために

ここでは、サイベリアンが患いやすい病気・疾患について紹介します。それぞれの描種には身近な病気が存在しており、サイベリアンにもいくつかの注意するべき疾患があります。体のトラブルに早く気づけるように、疾患ごとの特徴を学んでいきましょう。
突然死の原因にもなる【肥大型心筋症】
肥大型心筋症とは、心臓の筋肉が厚くなり、十分な血液量を送り出しにくくなる病気です。軽症では食欲不振や運動量の低下などですが、重症では失神・突然死などが現れます。
肺水腫や胸水など呼吸困難をともなう症状を併発しやすく、命にかかわる疾患です。治療は薬剤による内科的治療が主流で、心不全の改善と血栓塞栓症の予防が主となります。
参考:アイ動物クリニック「猫の肥大型心筋症|軽度であると気づきにくい病気」
排尿に時間がかかったり痛がる【下部尿路疾患】
下部尿路疾患とは、膀胱・尿道に関連する疾患の総称です。排尿困難・血尿・頻尿・尿路結石など、症状によっては強い痛みや慢性的なストレスを感じることが特徴です。
原因は食生活・ストレス・生活習慣など幅広く、獣医師の判断のもと適切な対処が求められます。具体的な治療は原因に応じて異なり、食事療法・薬物療法・外科療法などから選択されます。
参考:くじら動物病院「猫の下部尿路疾患について┃排尿の変化を見逃さないで」
サイベリアンに長生きしてもらうためには?
サイベリアンが患いやすい病気は、背景にほかの疾患が隠れているケースも多い傾向に。日常的なストレスケアとしては運動量の確保や食事管理などがあげられますが、少しでも異変を感じたら獣医師の判断を仰ぐことが重要です。
猫は基本的に、体の痛みや苦しさを隠す習性を持っています。とくに肥大型心筋症のような命にかかわる病気では、早期発見と治療が大切です。小さな変化も見逃さないように、日頃からのスキンシップも心がけましょう。
サイベリアンの特徴に合わせ、適切に飼育しよう!

今回は、サイベリアンの飼い方のポイントや注意点を紹介しました。
我慢強さ・豊かな被毛・高い身体能力を持つ体。サイベリアンの特徴を学ぶほど、飼育上の注意点も明確になっていきます。
サイベリアンをお迎えの際は、事前に性格や性質を深く学び、ペットが快適に暮らせる環境を用意してあげてくださいね!