- ウナギは体が丈夫で、ペット初心者にもおすすめの生き物
- 出張や旅行などで家を空けることが多い人でも飼いやすい
- 脱走には要注意!必ず蓋を準備しよう

土用の丑の日、夏バテ防止!ウナギは日本の夏の風物詩ともいえる生き物ですよね。そんなウナギですが、実はペットとしても飼育できることを知っていますか?
今回は、ペット用ウナギの魅力や、基本的な飼育方法などを紹介します!
愛嬌のある仕草や丈夫な体で、決して少なくないファンを持つウナギ。実際に飼育する際の注意点も学び、アクアリウムへのお迎えを検討していきましょう。
ペットとしてのウナギの魅力とは?

ここでは、ペットとしてのウナギの魅力を紹介します。
多くの人は、ウナギは『食べ物』というイメージが強いのではないでしょうか?ウナギは、ペットの飼育初心者にもおすすめの生き物。ウナギならではの魅力を知り、飼育のイメージを広げてみてください!
ペット初心者でも飼いやすい
ウナギは、水質悪化に強い生き物です。初めてペットを飼育する人は、飼育環境のお掃除や生体のお手入れのタイミングがつかめないこともありますよね。
ウナギは体が丈夫で、ちょっとした水質の変化程度であれば気にせず生活できます。ケアの頻度が少ないため、生き物の飼育に慣れていない人でも安心してお迎えできます。
比較的お世話が簡単
ウナギは、一般的なペットと比べるとお世話が簡単な生き物です。
水の交換は2週間~1ヶ月に一度程度で問題ありません。食べ物はメダカやミナミヌマエビなどの生き餌が好物ですが、慣れていくと人工飼料(肉食魚用や金魚用など)も食べるようになってくれます。
餌を数週間食べなくても生きていける
絶食に強いのも、ウナギならではの魅力です。ウナギは餌を数週間食べなくても生きていけるので、出張が多い人でも比較的安心して飼育できます。
水温の維持さえできれば、1週間以上の旅行にだって出かけられるんです。「ペットを飼うと旅行に行きにくくなる」の問題を解決できるのは、ウナギの大きな強みといえるでしょう。
必要な飼育グッズが少ない
水質悪化に強いウナギの飼育では、必要なグッズが少ないのも魅力。酸素不足や寒さにも強いため、エアーレーションやヒーターを用意する必要もありません。
水槽と蓋さえあれば、特別な設備を飼わずに飼育をスタートできます。
パタパタと泳ぐ姿がかわいい!
ウナギが泳ぐ姿を、しっかり見たことがある人は少ないのではないでしょうか。
水槽の中で泳ぐウナギは、パタパタとヒレを動かす様子がとってもかわいい!つぶらな瞳とユニークなフォルムで、生活の癒しになってくれます。
意外と人にも懐いてくれる
意外に思うかもしれませんが、実はウナギは人間に懐いてくれます。厳密にいうと「懐く」寄りは「慣れる」なのですが、人間に心を開いてくれたウナギは手から直接餌を食べてくれるんです!
普通の魚ではなかなか得られないスキンシップを楽しめるのも、ウナギの魅力です。
個体のごとの柄や色が個性的
ウナギといえば黒色のイメージを抱いている人も多いかもしれませんが、実はウナギにはさまざまなカラーバリエーションがあります。
たとえば野性的な茶色や透明感のあるグレー、クールなライン模様など、個体ごとの個性を堪能できます。
リラックスすると犬のようにお腹を出してくれる!
ウナギ飼育では、睡眠中の姿が必見!ウナギはリラックスすると、犬のようにお腹を上にして眠ってくれるんです。
ウナギの生態を知らずに見ると「死、死んでる……?!」と思ってしまうかもしれませんが『仰向け寝』はウナギが環境に馴染んでくれている証拠といえるでしょう。
ウナギを飼育する際のポイント・注意点

ここでは、ウナギを飼育する際のポイントを紹介します。
ウナギは体が丈夫で飼いやすい生き物ですが、ウナギ飼育特有の注意点があるのも事実。ウナギならではの特性を把握しつつ、安心して飼育できる環境を整えていきましょう。
水槽は直射日光を避けた場所に設置する
ウナギは低水温に強い生き物である反面、温度上昇には弱い傾向にあります。
ウナギの飼育に適した温度は23~28℃となっており、30℃を越えると体が弱ってしまいます。水槽は直射日光を避けた場所に設置し、水温が上がりすぎないようにコントロールしましょう。
ウナギは脱走上手!水槽には必ず蓋をしよう
のんびりした顔のウナギですが、実は脱走の名人でもあります。
ウナギは一般的な魚のように飛び跳ねるのではなく、壁を伝いながら這って脱走します。水槽から一度脱走すると、待っているのはもちろん悲しい結末。脱走防止のために、水槽には必ず蓋をしましょう。
ほかの生き物との混浴は不向き
ウナギは肉食性が強い生き物であり、ほかの生き物と同じ水槽での飼育には向きません。
とくにメダカやタナゴなどの生き物は、ウナギの恰好の餌になってしまいます。同種であればスペース次第で同一水槽での飼育も可能ですが、慣れないうちは単体飼育を心がけましょう。
皮膚に関連する病気にかかりやすい
知っての通り、ウナギは鱗を持たない生き物です。そのため皮膚表面の摩擦に弱く、表皮がスレることで『水カビ病』や『白雪病』などの病気を患ってしまうリスクがあります。
皮膚に関する病気は、15℃以上の水温で飼育することで発症しにくくなることも覚えておきましょう。
ウナギには毒がある?!咬まれないように要注意

ウナギの血清(血液から細胞成分を覗いた液体成分)には、毒が含まれています。
ペットとして飼育する場合でも、ウナギの血液にふれると中毒症状が引き起こされる可能性があることに注意しましょう。目や口に入ると激しい灼熱感が、傷口に入ると炎症や化膿などの症状が現れます。
「そもそも食べても大丈夫なの?!」と思うかもしれませんが、ウナギの毒は5分の加熱で毒性を失うため、通常の加熱処理をすれば問題ありません。
その反面、実はウナギの調理人さんたちは、裏では痛い思いをしていることもあるようです。またウナギをお刺身で食べる機会がないのも、ウナギの毒性が関連しています。
今年も土用の丑の日が訪れます。ウナギを食べる際は、ぜひ調理人さんたちの汗と努力を思い出してみてください!
ウナギの飼育では何が必要?最初に揃えるグッズ

ここでは、ウナギの飼育に必要なグッズを紹介します。
ウナギの飼育準備は、ほかの魚類と比べるととっても簡単!シンプルなアイテムだけで飼育をスタートできるのも、ペットのウナギが人気の理由です。
飼うウナギのサイズによって適したサイズを【水槽】
ウナギの水槽は、個体の大きさによって適したサイズが異なります。10~20cmの個体であれば、50~60cm程度の水槽で飼育可能です。20cm以上の場合は、90~120cm程度の水槽を用意しましょう。
脱走防止に絶対必要【蓋(蓋代わりになるもの)】
脱走防止のために、水槽の蓋は必須。内側に返しがあるデザインの蓋を用意できると、壁沿いの脱走を高確率で防げます。またプラスチック製のような軽い蓋は持ち上げられてしまうかもしれないので、重しになるものも用意しましょう。
より清潔な環境を用意するために【濾過フィルター】
ウナギは肉食性で食欲旺盛な生き物。餌を与えた分だけ食べるので、水を汚すスピードも早い傾向にあります。水質悪化に強い生き物ではありますが、濾過フィルターを備えることでより清潔な環境で育成できるでしょう。
気に入ってくれるものを選ぼう【隠れ家になるもの】
ウナギの飼育では、流木や塩ビ管など隠れ家になるものを用意します。ウナギが隠れ家を気に入ってくれると、脱走の機会も減少します。ただし隠れ家の形状や個体の性格によって、長時間隠れがちになる可能性には留意しましょう。
ペット用ウナギの値段・寿命・購入方法

ここでは、ペット用ウナギの値段・寿命・購入方法を紹介します。食べ物としては身近でも、ペットとしては少し縁が遠いウナギ。この機会にウナギに詳しくなり、身近なペットとして親しんでいきましょう!
ペット用ウナギの値段は、1,000~5,000円
ペット用のウナギの値段は、1,000〜5,000円程度が相場となっています。値段は個体の大きさ・色や模様・成長の状態などによっても異なります。とくに個性的な柄や模様の個体は、値段が高騰する傾向にあるようです。
ペット用ウナギの寿命は20~30年
ペット用とはいえど、ウナギはとても長い生きな生き物。平均寿命は20~30年程度で、犬や猫よりも長生きします。
飼育環境によっては30年以上生きる個体も珍しくありません。お迎えの際は、終生飼育の準備をしっかりと整え、万が一の際の引き取り先も探しておきましょう。
ペット用ウナギはどこで買える?
ペット用ウナギは、一部のアクアリウムショップで『観賞用』として販売されています。
また楽天やAmazonなどを中心に、大手通販サイトでも生体販売されています。通販で購入する際は、販売元の信頼性や、死着保証内容などをよく確認しておきましょう。
泳ぐ姿に癒される!ウナギは初心者におすすめのペット

今回は、ペット用ウナギの魅力や飼育方法、飼育に必要なグッズや注意点を紹介しました。
丈夫な身体、お世話の手間の少なさ、愛嬌のある見た目。ウナギは、ペット初心者が求める要素を多く兼ね備えた生き物です。
ほかの生き物との飼育は推奨されませんが、アクアリウムの主役としての存在感はバッチリ。飼ってもかわいいウナギに、もっと詳しくなってください!