- 人気犬種でも、実は『初心者には不向きな犬』かも
- 犬種ごとの性質はもちろん、一匹ごとの個性と向き合うことが大切
- 性格が将来的に変わる可能性も加味しよう

すべての犬種は、それぞれの魅力や愛おしさにあふれています。しかし犬種ごとの性質によっては、しつけやコミュニケーションの難易度が高いケースも珍しくありません。
今回は、初心者が飼いにくいといわれる犬種10種類を紹介します。お迎えをした後に「こんなはずではなかった……」と思わないために、事前に犬種ごとの性質を学んでいきましょう!
飼いにくい犬の種類10選|飼育する際のポイントを解説

ここでは、飼育難易度が高い犬種10種類を紹介します。
飼いにくい理由や飼育上のポイントなども記載していきますので、ペットとの生活をイメージするための参考にしてください。犬種ごとの個性や特徴を学び、人もペットも幸せな生活を目指しましょう!
ボーダーコリー|IQが高く、主従関係を築くのが大変

賢い犬種であるほど飼いやすいイメージがあると思いますが、ボーダーコリーの賢さは別格。あまりにもIQが高いゆえに、中途半端なしつけでは飼主を見下してワガママに振る舞ってしまいます。また運動量も豊富で、1日2回、1時間ずつの散歩が必要です。
ボーダーコリーとの上手な接し方
上下関係を正しく覚えさせるために、ドッグトレーナーや専門家の知識を借りつつ、子犬時代から適切なしつけをおこないましょう。聡明な頭脳を満足させるために、散歩のほかに引き運動や役割分担など、知的好奇心を満足させるコミュニケーションが求められます。
シベリアンハスキー|夏場の温度管理の徹底が必要

ロシアの豪雪地帯をルーツに持つシベリアンハスキーは、日本の高温多湿の気候が大の苦手。真夏だけではなく、気温が高めの春や秋なども徹底した温度管理が求められます。運動量も多く、豊富な体力を発散させるための十分な散歩が必要です。
シベリアンハスキーとの上手な接し方
シベリアンハスキーにとっての適温は、18~20℃。人間にとってはやや肌寒いですが、健全な飼育のためには室温をしっかりと管理しましょう。運動は散歩だけではなく、月1回以上は広い場所で思い切り走らせてあげることをおすすめします。
柴犬|警戒心が高く吠え癖がつきやすい

警戒心が強くシャイな性質を持つ柴犬。子犬時代からの社会化に失敗すると、吠え癖がつきやすく神経質な性格に育つ傾向があります。また抜け毛の多さが特徴の犬種でもあり、換毛期には驚くほど大量の毛が抜けるため、短毛種ながらお手入れも大変です。
柴犬との上手な接し方
社交的な柴犬に育てるためには、子犬時代から家族以外の人・犬とのふれあいを増やします。ドッグランや広い公園などで、無理のない範囲で外的刺激に慣れさせていきましょう。換毛期対策ではブラッシングはもちろん、シャンプーケアも効果的です。

ゴールデンレトリバー|超パワフル&興奮しやすい大型犬

大型犬は温厚で落ち着いた性格の犬種が多いですが、ゴールデンレトリバーは小型犬のような無邪気さや快活さを持っています。元気で魅力的な性格ですが、持ち前のパワフルさによって飼主が(物理的にも)振り回されてしまいがち。また興奮しやすい傾向にもあり、日頃からのしつけの徹底が望まれます。
ゴールデンレトリバーとの上手な接し方
本来、ゴールデンレトリバーは従順かつ聡明な性質を持っています。体が大きくなりきる前に、上下関係を正しくしつけましょう。生後3~12週目頃までは学習能力が高いと考えられています。とくに吠え癖・噛み癖は、重大な事故につながりかねないため徹底してしつけましょう。

ポメラニアン|骨折・熱中症・抜け毛などリスクが多い

ポメラニアンは人気犬種ですが、身体的なリスクの大きさから飼いにくい犬種に含まれます。骨が細いため骨折の危険性が高く、豊富な被毛によって熱中症にもかかりやすいのが特徴です。また気が強い一面も目立ち、吠え癖がつきやすい傾向があります。
ポメラニアンとの上手な接し方
飛び降りによるケガ防止のため、家具や段差などにはクッション性の高い床材やサポートグッズを取り入れましょう。夏場の室温は26℃を越えないように調整します。また子犬時代から無駄吠えをしないしつけを取り入れることも大切です。

ジャックラッセルテリア|気が強くヤンチャ、底なしの体力

ジャックラッセルテリアは、小型犬とは思えない底なしの体力が特徴の犬種です。気が強くヤンチャで、遊びもイタズラも運動も大好き。一度興奮するとなかなか落ち着かない子も多い傾向にあり、過去には多くの捨て犬が出てしまったこともありました。
ジャックラッセルテリアとの上手な接し方
運動量は中型~大型犬程度必要だと考えておきましょう。1日2回、30分以上の運動を取り入れ、フラストレーションを発散させてください。運動不足は、ジャックラッセルテリアの問題行動の原因になります。興奮を早く抑えるためには、家のなかに安心して過ごせる場所を取り入れましょう。
パピヨン|悪知恵が働くのでイタズラへのしつけが大変

気品あふれる見た目のパピヨンですが、頭が良く悪知恵が働きます。人を見て賢く行動するため、慣れない人にとってはしつけが大変です。またフワフワの被毛は毛玉になりやすく、毎日の継続的なケアが求められます。
パピヨンとの上手な接し方
飼主が『甘やかす』と『甘えさせる』の違いを理解することが大切です。かわいい見た目に惑わされず毅然とした対応でしつけ、上下関係を教えましょう。見た目によらず活発なため、脱臼・骨折を防ぐ環境づくりも忘れずに。高さのある家具にはステップをつけるとよいでしょう。
コーギーやダックスフント|ヘルニアと肥満が生涯の課題

コーギーやダックスフントなどの『胴長短足』の犬種は、生涯を通して腰への負担が課題になります。椎間板ヘルニアのリスクが常につきまとう犬種です。食欲旺盛なため肥満になりやすい点も懸念され、肥満▶︎腰への負担▶︎運動不足▶︎肥満……といった悪循環が生まれてしまいます。
コーギー・ダックスフントとの上手な接し方
コーギーやダックスフントの体を守るためには、生活における高低差を極力なくすことです。ベッドやソファーなどではスロープをつけ、段差をなくすよう努めましょう。散歩中も階段は抱き上げてあげるとよいですが、腰に負担がかかるため『縦抱き』はNG。地面と水平になるように支えてください。
ビーグル|猟犬として優秀だからこそ、吠え癖と噛み癖のしつけが必要

優秀な猟犬としてのルーツを持つビーグル。家庭犬として飼育する際は、吠え癖・噛み癖の改善が課題になります。とくに鳴き声は周囲に大きく響き、ご近所トラブルになるリスクも。活発で体力があり、ヤンチャな性質とも上手に付き合う必要があります。
ビーグルとの上手な接し方
目の前の物事に執着しやすいため、根気のあるしつけが必要です。毅然とした姿勢で上下関係をしつけ、犬にペースをにぎられないように心がけましょう。集団行動が得意な犬種でもあるため、複数匹で参加するしつけ教室に向いています。
性格や個性はそれぞれ。犬種だけで判断しないことが大切!

犬種にはそれぞれの特徴や傾向がありますが、大切なのは『その子ならではの個性』です。たとえば控えめで大人しいビーグルもいれば、明るく社交的な柴犬も当然存在しています。
さらに性格は、飼育環境や加齢、避妊・去勢手術などによっても変化する可能性があります。犬種としての性質だけで判断せずに、一匹ごとの性質に寄り添ったコミュニケーションを尊重しましょう。
犬種の特徴を学び、人もペットも幸せになれる選択を

今回は、初心者が飼いにくいといわれる犬種10種類を紹介しました。
すべての犬はオンリーワンの性質を持っています。犬種ごとの傾向を参考にしたうえで、個体の性質に応じた環境整備・しつけを心がけましょう。