【動物界最強説あり】カバの秘密を紹介!赤い汗をかくって本当?

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まとめ
  • 陸上第3位の重さ、第2位の咬合力、ウサインボルトより強い脚力の『パワー型』!
  • カバの『赤い汗』は、体や命を守るための重要な液体!
  • カバは絶滅の危険がある動物。実際に会いに行き、共生について考えてみよう

あらゆる動物は、見た目によってさまざまなイメージを持たれるものです。たとえば『ハイエナは凶暴』『ゾウは温厚』などのように、姿の印象と実際の性質が合致しているケースも少なくありません。

しかし動物のなかには、第一印象のイメージを大きく裏切ってくれる種類も存在しています。見た目と性格にギャップがある動物の代表格といえるのが『カバ』です。

今回は、カバの生態や特徴、カバに隠された秘密などを紹介します!一見すると、優しく穏やかそうな表情が印象的なカバ。実際の生態を知り、そのギャップを学んでみましょう。

目次

カバとはどんな生き物?生態の特徴を解説!

ここでは、カバの基本的な生態の特徴を紹介します。大きな口やつぶらな瞳を持つカバの見た目は、どこかユーモラスな印象がありますよね。しかしその実態は、自然界でも屈指の『パワー型』なんです。

アフリカ大陸のみに生息する1,000kg越えの猛獣

カバは、アフリカ大陸のみに生息する大型の哺乳類です。カバ科カバ属に分類される偶蹄目(ぐうていもく・蹄が2本に分かれているのが特徴)で、平均体重はオス1,500kg、メス1,300kgとなっています。

カバの平均体重は、ゾウとサイに次ぐ陸上で3番目の重さ。大型のオスの体重は、なんと2,000kgを越えるのだとか!普通車の重量が1,500kg程度だと考えると、カバの体重がいかに重いかがわかりますよね。

カバの寿命は約40~50年

カバの平均寿命は、野生下では30年程度、飼育下では約40~50年程度といわれています。カバの世界最高齢は65歳ですが、同個体は2017年に亡くなっています。

国内では、札幌市の円山動物園のカバ『ザン』が49歳という最高齢に。ザンは2024年に惜しまれながら亡くなり、献花台には多くの花が添えられました。

植物食で葉っぱが主食。でも食べる量はとっても多い!

猛獣として恐れられているカバですが、食性は意外にも植物食。草・根・木の葉などを主食として、稀に水生生物も捕食します。特筆すべきは、1日の食事量です。夜行性であるカバは、一晩で30~40kgもの植物を食べます

食事に費やす時間は約4~6時間。カバの睡眠時間は約12時間といわれているため、起きている時間の半分程度を食事に費やしているといえるでしょう。また動物園では、おもに乾草やアルファルファ、野菜などを与えています。

動物界最強のパワー?!カバに隠された6つの秘密

ここでは、カバに隠された秘密を紹介!日本人にとってカバは、動物園や図鑑などで身近に感じながらも、生態としてはやはりどこか遠い存在ですよね。のんびり屋に見えるカバに隠された、驚くべき秘密をチェックしていきましょう。

カバの汗は赤い!体を守る大事な役割を持つ

カバの大きな特徴としてあげられるのが汗の色です。汗といえば無色透明のイメージがありますが、カバの汗はなんと赤色。とはいえカバには汗腺がないため、体から染み出る赤い液体は厳密には汗ではありません。

この赤い液体は、皮膚表面を乾燥から守る粘液。また赤い色素により紫外線が通過しにくくなるため、日焼けからも体を守ってくれます。さらには細菌の増殖を防ぐ働きもあり、まさに『カバの命を守るための液体』なのです。

走る速さは驚異の時速30km以上!

『カバは水の中で生活するのんびり屋の生き物』と思ったら大間違い!実はカバは、陸上でも驚異的な強さを誇る動物なんです。カバの走行速度は、驚きの『時速30~40km』!

ちなみに人類最速といわれるウサイン・ボルトの速度は、時速34.7km。ボルトより速い速度で1,500kmの巨体が走って追いかけてくると考えるだけで、背筋が凍りますよね。

実際にアフリカでは、年間約500人がカバに襲われて亡くなっているのだとか。一度カバに狙われたら、逃げ切るのは至難の業です。

皮膚が湿っていないと裂けてしまう

赤い粘膜で乾燥から身を守るカバ。カバの皮膚は非常に乾燥に弱く、適度な湿度を維持しないと表面から避けてしまうんです。日差しの強いアフリカに生息しているカバとしては、致命的な弱点といえるかもしれません。

動物園ではカバを乾燥させないために、ミストシャワーを設置していることも。とくに冬場は施設内の乾燥が大きな課題となるため、屋外展示室でミスト噴霧器を稼働させて対応しているケースもあります。

『のんびり屋』はイメージだけ?!縄張り意識の強く獰猛な性質

カバは獰猛な性質を持つ大型哺乳類であることから『猛獣』に分類されます。縄張り意識が強い生き物であり、とくにオスのカバは攻撃性が高いことが特徴です。縄張りを脅かす存在には、唸り声をあげたり噛みついたり糞を撒き散らしたりして威嚇・攻撃します。

ほかのオスの縄張りに入るためには、頭や体を低くして『服従姿勢』を取らなければ許されません。ただし同じカバ科でも『コビトカバ』は例外で、温和で平和的な性格が特徴です。

ほぼ無敵に見えるカバにも、多くの天敵が…

体も大きい、足も速い。そんなカバに敵はなし!……と言いたいところですが、カバにもわずかながら天敵が存在しています。カバにとって最大の敵は、百獣の王であるライオンそのほかには、ハイエナやワニなどに捕食されるケースもあります。

成獣のカバ同士での争いに幼獣が巻き込まれ、亡くなってしまうことも少なくありません。また乾燥に弱いカバにとって、乾季による干ばつも大敵です。長時間太陽光に晒されることで、脱水により命を落としてしまうこともあります。

動物界第2位の『噛む力』を持っている!

カバは強靭な脚力だけではなく、動物界第2位の『咬合力(こうごうりょく・噛む力のこと)』を持つ生き物です。人間の咬合力は、男性でも60kg程度。強く噛みしめたときでも、せいぜい70kg程度といわれています。

そしてカバの咬合力は、745kg!陸上に住む哺乳類のなかでは、ぶっちぎりの強さを持ちます。どれほど強いかというと、食用のカボチャを丸ごと簡単に噛み砕けるほど。そんな強さでもしも体を噛まれたと思うと……想像するだけでゾッとします。

カバは『危急種』。絶滅の危険が高い生き物

そんなパワフルなカバですが、実は絶滅の危機に晒されている動物の一種でもあります。

カバは2016年に、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストによって『危急種』に分類されました。危急種とは現状のままでは、近い将来に絶滅の危機に瀕する種類のこと。

カバの頭数が減少したおもな理由は、開拓による生息地の分断・生息地自体の減少・密猟(乱獲)です。カバの犬歯は、象牙の代替品として密猟の対象となっているのです。すでにエジプトやアルジェリアなどの一部生息地域では、カバの絶滅が進んでいます。

あふれだすパワー!動物園でカバのエネルギーを感じよう

今回は、カバの特徴や秘密を紹介しました!

日本では、以下の施設を中心にカバに出会えます。ぜひこの機会にカバに会いに行き、人間と動物の共生について考えてみましょう。

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あらゆるジャンルを縦横無尽に駆け巡る雑食系ライター。元ペットショップ販売員として表彰経験あり。SEOを中心に、執筆記事は2,000本以上。アニマル・メンタルヘルス・ウェルビーイングなどを中心に、毎日の充実度がちょっぴり高まる記事を発信中。

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