200歳まで生きる!?クジラの意外な生態&ホエールウォッチングができるスポット5選

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まとめ
  • クジラは哺乳類であり、ユニークな生態を持つ、進化の神秘に満ちた存在
  • 日本国内でも沖縄や北海道などでホエールウォッチングが可能で、ルールと準備を守れば誰でも参加できる自然体験
  • ホエールウォッチングでは、船酔い対策・野生動物への理解・マナーの3点を事前に知ることが大切

私たち人間の想像を超えるようなスケールと神秘を持つ生き物……それがクジラだと私は思います。

さらに、日本を含む世界各地では、そんなクジラたちを自然のままの姿で間近に観察できる『ホエールウォッチング』が体験できます。豪快なジャンプや優雅な泳ぎに出会えたときの感動は、一生忘れられない思い出になること間違いなし!

本記事では、クジラの意外な生態や寿命の秘密を解説しつつ、実際にホエールウォッチングが楽しめるおすすめスポットを5ヶ所紹介します。

クジラという壮大な存在を、少し身近に感じてみませんか?

目次

クジラってどんな生き物?意外な生態に迫る

海で暮らす巨大なクジラですが、実は魚ではなく人間と同じく肺で呼吸し、出産・授乳を行う哺乳類なんです!

その驚きの生態や進化の名残を知れば、もっとクジラを身近に感じるはず…!

クジラは魚じゃない!?哺乳類という意外な事実

水中で生活しているため、見た目こそ魚に似ていますが、実はクジラは約5000万年前に陸上から海に戻った『哺乳類の子孫』です。その進化の過程には、今も名残がいくつも見られます。

たとえば、クジラのヒレの骨格を見てみると、人間の腕や指にそっくりな構造をしています。これは哺乳類の前肢がそのまま進化して『胸ビレ』となった証拠です。外からはわかりませんが、ヒレの内部には関節や5本指の痕跡もあるんです!

このように、クジラはその巨大な体の中に、かつて陸を歩いていた『祖先の記憶』を宿した生き物なのです。

歯のないヒゲクジラと歯のあるハクジラの2タイプ

クジラは大きく『ヒゲクジラ』と『ハクジラ』に分けられます。

『ヒゲクジラ』はシロナガスクジラやザトウクジラなどが属し、口に歯がなく『ヒゲ板』と呼ばれる器官で海水をこしとり、プランクトンを食べます。

一方で『ハクジラ』はマッコウクジラやイルカの仲間で、歯を持ち、魚やイカなどを捕食します。この分類により、食性・生活スタイル・生息海域が大きく異なり、多様な進化の結果が見られます。

200歳まで生きる!?最長寿のクジラ『ホッキョククジラ』

極寒の北極海に生きるホッキョククジラは、なんと200年以上生きることもある『長寿の王者』。残念ながら日本近海では出会うことができませんが、その驚きの生態には注目が集まっています。

北極の海に生きる、神秘のクジラ

クジラの平均寿命は、種類によってことなるものの約50年〜90年程度と言われています。

しかしその中でも北極圏の極寒の海に暮らすヒゲクジラの一種であるホッキョククジラは、他の哺乳類とは一線を画すほどの長寿を誇り、なんと211歳と推定された個体も報告されています。

ホッキョククジラは、氷を突き破って呼吸するほどの強靭な体と、極地に適応した分厚い皮下脂肪が特徴です。

クジラに会いに行こう!ホエールウォッチングができるスポット5選

『日本でクジラなんて見られるの?』と思う人も多いかもしれませんが、実は日本各地の海で野生のクジラと出会えるチャンスがあります!

ここでは、特に人気が高く、初心者でも参加しやすいホエールウォッチングスポットを5つ紹介します。

ホエールウォッチングとホエールスイムの違いとは?

まず知っておきたいのは、クジラと出会える体験には、主に次の2種類があるということ。ここでは2種類の体験について解説します。

船の上から姿を観察する【ホエールウォッチング

船の上から野生のクジラを観察する体験です。クジラのジャンプや潮吹き、尾びれなどを安全な距離から眺めることができます。初心者・家族連れにおすすめです。

水中でクジラを観察しながら泳ぐ【ホエールスイム

ガイド付きで海に入り、水中でクジラを観察する体験ができます。ホエールウォッチングとはことなり、ホエールスイムは一定の泳ぎのスキルや海でのルール遵守が必要で、体力と泳力がある人向けです。

しかし、ホエールウォッチングで船から見るよりも、クジラとの距離は近く、感動は格別ですが、実施エリアが限られています。

日本では法令や自治体のガイドラインによってスイムが認められていない地域もあります。以下に紹介するスポットでの可否も併せて紹介します。

【沖縄県】座間味島(冬のザトウクジラ)

親子連れのザトウクジラを船上から高確率で観察でき、全国でも屈指の人気を誇ります。

ベストシーズン1月~3月
見られるクジラザトウクジラ
体験可能ホエールウォッチング
ホエールスイム不可(ザトウクジラとのスイムは禁止)
アクセス那覇からフェリーで約1時間

【北海道】知床半島(夏のミンククジラとシャチ)

世界自然遺産・知床の大自然の中で、ミンククジラやシャチなど多様な海洋生物と出会うことができます。

ベストシーズン5月~7月
見られるクジラミンククジラ・シャチ・イシイルカ
体験可能ホエールウォッチング
ホエールスイム不可(保護区域でスイムは認められていない)
アクセス女満別空港から車で2時間

【高知県】土佐湾(夏のニタリクジラ)

温暖な土佐湾に定住しているニタリクジラを、比較的穏やかな海域で観察することができます。

ベストシーズン6月~9月
見られるクジラニタリクジラ
体験可能ホエールウォッチング
ホエールスイム不可
アクセス高知龍馬空港から車で1時間半

【鹿児島県】奄美大島(ザトウクジラ)

近年注目されている新スポット。静かな湾内で親子クジラが観察されており、穴場的な魅力あり。

ベストシーズン1月〜3月
見られるクジラザトウクジラ
体験可能ホエールウォッチング 
ホエールスイム条件付きで一部で実施(2024年以降、ガイドライン強化の動きあり)
アクセス奄美空港から車で約1時間(名瀬周辺)

【東京都】八丈島(ザトウクジラ)

伊豆諸島の南端に位置する八丈島は、冬になるとザトウクジラが回遊してくる貴重な地域。2020年代に入り、観察事例が増加し、ホエールウォッチングの新スポットとして注目を集めています。陸上からの目撃もあるほど近距離での遭遇が期待できます。

ベストシーズン1月〜3月
見られるクジラザトウクジラ
体験可能ホエールウォッチング(陸からの観察もあり)
ホエールスイム不可(実施業者・制度なし)
アクセス羽田空港から飛行機で約55分
東京・竹芝桟橋からフェリーで約10時間

ホエールウォッチングに行く前に知っておきたい3つのこと

ホエールウォッチングを楽しむには、事前の準備が大切です。そして、クジラは野生動物のため、必ず見られるとは限りません。クジラに負担をかけないためにも、マナーを守り、ガイドの指示には必ず従いましょう

1.船酔い対策は必須!

 酔いやすい人は前日の睡眠と酔い止め薬を万全にしましょう。

2.クジラは野生動物

 100%出会える保証はありません。自然相手の一期一会を楽しみましょう。

3.マナーを守ろう

 近づきすぎたり、音を立てたりしない。船長やガイドの指示には必ず従うこと。

海のロマンに出会う旅、始めませんか?

クジラはただ大きな動物というだけではなく、驚異的な寿命・特殊な睡眠方法・高度なコミュニケーション能力など、まさに『海の知性』ともいえる存在です。

そんなクジラに会いに行けるホエールウォッチングでは、クジラたちの姿を自然のままに観察することができます。クジラに会いに行くことは、自然の偉大さと生命の多様性を肌で感じる貴重な体験になるはず。

ぜひ、マナーを守りつつ、そっと彼らの世界をのぞいてみてください。

miwaのアバター

miwa

miwa

生粋の猫派ライター。アメショの猫に飼われながら、他にもカメ・インコ・ウサギ・金魚と幼き頃から過ごしていました。また、水族館大好き。特にサメ類への関心が強く、実は、シロワニの生態研究者になることを夢見ていました。趣味のダイビングでは、海中での生物観察も楽しんでいます。実際のダイビング経験と水族館での観察、両方の視点から海の生き物たちの魅力を伝えていきたいです。

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