- コーイケルホンディエは、オランダが原産国の小型犬
- フレンドリーで温厚な性格が魅力。豊富な運動量と聡明さも特徴的
- 国内ではまだ個体数が少ない。飼育時は遺伝的な疾患に要注意

世界には、どれくらいの数の犬種が存在していると思いますか?実は非公認の種も含めれば、なんと700~800種もの犬種が存在しているんです。
国・地域・トレンドなどにより、日本人と関わりが近い犬種もいれば、なかなか出会う機会がない犬種もいますよね。多くの犬種のなかでも、今大注目を浴びているのが『コーイケルホンディエ』です!
コーイケルホンディエは、あの大谷翔平選手の愛犬『デコピン』君の犬種として、認知度が急速に拡大中です。今回は、世界が注目する犬種でもあるコーイケルホンディエについて紹介します。
コーイケルホンディエとはどんな犬?生態の特徴を紹介

ここでは、コーイケルホンディエの基本的な情報を紹介します。
日本ではまだマイナーな犬種であるコーイケルホンディエ。「大谷選手が登場するテレビやWebニュースでしか見たことない!」という人も多いのではないでしょうか。
ぜひこの機会に、魅力たっぷりのコーイケルホンディエについて詳しくなっていきましょう!
コーイケルホンディエは、オランダ産の小型犬
コーイケルホンディエは、オランダを生産国に持つ小型犬です。平均体重は7~15kgで、体高は35~40cm程度。小型犬としては大きめのサイズ感で、個体によっては中型犬と遜色ないほどの体格を持ちます。
デコピン君が大谷選手とハイタッチしている姿を見ても「本当に小型犬?!」と思うほど大きい!もちろん個体差はありますが、小型犬とは思えぬ存在感も魅力的な犬種なんです。
オランダでは、猟犬として使役されていた歴史を持つ
コーイケルホンディエは、オランダでは非常にポピュラーな犬種。古くから『鴨を狩るための猟犬』として使役されてきた歴史を持ちます。
そもそも『コーイケルホンディエ』という名称自体が、オランダ語で『猟をする犬』という意味なんです。愛玩犬として親しまれている現在でも、一部地域では現役の猟犬として活躍しています。
著名な画家の絵にも登場するほどポピュラーな犬種
オランダで国民的な人気を誇るコーイケルホンディエは、著名な画家の作品にも度々登場しています。
とくに有名な作品が、オランダ黄金時代の画家『ヤンステーン』の『親に倣って子も歌う(原題:Soo voer gesongen, soo na gepepen)』。

作品内ではオランダに住む家族たちの休日の情景が描かれ、ペットとして飼育されるコーイケルホンディエの姿も登場しています。
コーイケルホンディエは、ほかにもレンブラント(もちろんオランダ出身)のような著名な画家の作品にも登場します。日本人にとっての柴犬のように、オランダ人にとっては『国の文化の一つ』ともいえる犬種なのです。
日本では、毎年100頭前後しか登録されない『レア犬種』!
そんなコーイケルホンディエですが、実は過去には絶滅の危機に瀕していました。第二次世界大戦が終了する頃には、なんと世界で5頭しかいなくなってしまったことも……。
しかし愛好家の努力によって、個体数は徐々に復活。現在では安定しつつも、日本ではまだマイナーな犬種です。
日本国内におけるコーイケルホンディエの年間登録数は、約100頭前後。プードルの年間登録数は約7万6,500頭と考えると、圧倒的にマイナーな犬種であるといえるでしょう。
とはいえ昨今では大谷選手の影響により認知度が広がり、登録数も増加傾向にあります。
コーイケルホンディエの魅力は?飼育時のポイントも紹介

ここでは、コーイケルホンディエならではの魅力をさらに深掘りしていきます!
愛らしい見た目だけではなく、性格の良さや快活さの個性も光るコーイケルホンディエ。注目度上昇中の犬種について、もっと深く知ってみましょう。
明るく快活でフレンドリーな性格
コーイケルホンディエの魅力は、明るく快活な性格!誰にでもフレンドリーに接してくれるため、小さな子どもとも仲良く遊べます。多頭飼育にも適しており、相手がどのような犬種でも友好的に振る舞おうとします。
神経質な面は少なく、性格面だけでいえばペット初心者にもおすすめの犬種です。ただし警戒心や攻撃性が少ないからこそ、番犬としての活躍は見込めません。
小型犬でも体力は旺盛!
家庭犬として理想的な性格を持つコーイケルホンディエですが、やや飼育が難しいポイントとして、小型犬としては規格外といえる『スタミナの豊富さ』があげられます。猟犬をルーツに持つ犬種なので、十分な運動量が必要です。
具体的には『毎日1時間以上の散歩を2回』が理想的。言い方を変えれば『愛犬と一緒にアクティブな生活を楽しみたい!』と思っている人にはピッタリの犬種なのです。
賢いからこそトレーニングは必須
長く人間に使役されてきたコーイケルホンディエは、賢さも大きな魅力。教えたことをすぐに理解できる知能を持ち、状況判断や情報分析ができる聡明さも光ります。
賢いからこそ、普段からのトレーニングは必須。知能が高いからこそ、飼主との主従関係を築けないと問題行動を起こしやすい場合があります。
ダブルコートの中~長毛。被毛ケアはしっかりと
コーイケルホンディエの被毛は、フワフワのダブルコート。原産国であるオランダの冬は、氷点下になる日も少なくありません。防寒性の高い被毛で、寒い日でも耐えられるようになっているんです。
被毛の長さは中~長毛。ほかのダブルコートの犬種と同様に、換毛期には抜け毛が増えるため、毎日のブラッシングが必要です。とはいえ換毛期以外であれば、週1~2回のブラッシングで十分とされています。
飾り毛がチャーミングな垂れ耳は、炎症防止のケアが大切
コーイケルホンディエの特徴の一つが、ペロンと愛らしい垂れ耳。チャーミングな飾り毛も愛らしい耳ですが、臭いや汚れが溜まりやすいというデメリットもあります。
臭いケアや皮膚炎の予防も兼ねて、毎日の耳掃除が求められます。基本的には人間によく懐いてくれる犬種のため、日々のスキンシップも兼ねて子犬時代からトレーニングをすると良いでしょう。
コーイケルホンディエの寿命・値段は?

ここでは、コーイケルホンディエの寿命や値段の相場を紹介します。
ただし今後のブームの変化により、相場は変動する可能性もあります。飼育を検討する際は、最新情報をチェックしてください。
コーイケルホンディエの寿命は12~15年程度
コーイケルホンディエの寿命は、平均12~15年程度です。小型犬全体の寿命は平均14.5歳程度といわれているため、平均の範囲内に収まっているといえるでしょう。
また犬の寿命は体格が大きくなるほど短くなる傾向にあります。同じコーイケルホンディエでも、大きさや疾患の有無、食生活などによって、寿命が異なることに留意しましょう。
コーイケルホンディエの値段の相場は30~60万円
コーイケルホンディエの値段の相場は、30~60万円です。知名度が上昇中とはいえ、やはりまだ日本では『マイナー犬種ならではの高価格帯』といえるでしょう。
確定的ではありませんが、今後国内での頭数が増えていけば、相場が徐々に下がってくることも予想されます。
コーイケルホンディエがかかりやすい病気

ここでは、コーイケルホンディエがかかりやすい病気について紹介します。
どの犬種にも『患いやすい疾患』は存在しており、コーイケルホンディエも例外ではありません。飼育を検討する際は、犬種ならではの注意点も踏まえていきましょう。
遺伝的な病気を発症しやすい
コーイケルホンディエは、遺伝的な病気を発症しやすい犬種です。なぜならコーイケルホンディエは国内登録数がまだ少なく、両親の血が濃い可能性があるからです。
つまりコーイケルホンディエの繁殖は『近親交配になりやすい傾向にある』ということ。良質なブリーダーであっても、個体数が少なければ疾患が生まれやすいのは避けがたいリスクなのです。
遺伝的な疾患の種類は多様であるため、購入を検討する際は『両親・祖父母の体質・疾患の確認』が大切です。
また近親交配で生まれた犬は、免疫力が低くなりやすい傾向にもあります。とくに子犬のうちは衛生管理や食事管理を徹底し、成犬になっても定期的な健康診断は欠かさないようにしましょう。
早めに気づいて対応したい関節疾患
コーイケルホンディエは、関節疾患にかかりやすい犬種でもあります。生まれつき股関節形成不全を患っている個体も少なくありません。股関節形成不全は遺伝的要因だけではなく、環境的要因でも発症する場合があります。
症状の現れ方は個体差があり、重症化すると完治が困難な関節症に移行してしまうことも。歩き方に違和感を抱いたり、痛がる様子を見せた場合には、早い段階での受診や治療が必要です。
デコピンで話題沸騰!コーイケルホンディエが大注目

今回は、大谷翔平選手の愛犬として有名なコーイケルホンディエを紹介しました!
デコピン君が有名になるほど、知名度も高まっていくコーイケルホンディエ。性格は温厚でとても飼いやすいものの、豊富な運動量や聡明さをコントロールする必要があるため、飼育にはコツが必要です。
ぜひこの機会にコーイケルホンディエをさらに学び、今まで知らなかった犬種について詳しくなっていきましょう!