- 長期休暇前は早めにペットシッターの予約が入りやすい
- ペットシッターとペットホテルに悩んだら相談にのってもらえる
- 雷は停電の可能性を考えて対応
- シッターに入る前に、細かい打ち合わせで対応を決めてくれる
年末年始などの長期休暇で旅行にいく際、犬や猫などのペットを飼っていると、一緒に連れていくのか、家に置いて行って誰かにお世話を頼むのか、悩みどころですよね。
ペットを一緒に連れていけないというときに頭に浮かぶのが、ペットホテルやペットシッターの存在でしょう。
なかなかお願いしたくてもできないという人の多いペットシッターの長期休暇事情について、ペットホテルとペットシッターの両方を運営するPURRの鈴木さんにお話を聞きました。
◆取材・監修:保護猫カフェPURR(パー)
接客の経験を経て、2022年8月に保護猫カフェPURRを開業。
年末年始・GW・お盆はペットシッターの書き入れ時!?
年末年始やお盆など、長期休暇は旅行にいく人も増えるため、犬や猫を飼っている人にとっては旅行中のペットのお世話に頭を悩ませる時期でもあります。
とくに2024年は旅行の需要もコロナ前の水準を超え、旅行に行く人が増えています。
長期休暇のどのくらい前から予約が入るのか、ペットシッターのお休みはどのようになっているのか、鈴木さんに聞きました。
長期休暇は予約が取りにくい
長期休暇前の予約の入り方や、混雑状況はどのようなものなのでしょうか。ペットシッターの需要を考えると、なかなか予約が取れないようにも思いますが……。
やはり長期休暇前は早めに予約が入る傾向はあります。
年末年始ですと、10月下旬くらいから問合せが入り始め、11月上旬には予約が入り始めます。8日前までならキャンセル料がかからないため、早めに予約をされる方も多いです。
12月29日〜3日の帰省や旅行の増える時期の予約は早めに埋まる傾向がありますね。
予約は1日どのくらい受けられるのでしょうか?
そのときそのときで、ワンちゃんや猫ちゃんの性格が違うため、受けられる件数が変わります。何件というのは決めていないですね。
年越しは「ペットと一緒に迎えたい」という需要もあって、12月26日から31日という期間でお願いされることも多いのだそう。もちろん年越しで預ける人も多いそうなので、年末年始のペットシッター需要は高いといえそうです。
ペットシッターとペットホテル どっちにお願いするか迷ったら
旅行中のペットのお世話を考える際、ペットシッターと並んで検討されるのがペットホテルです。ペットシッターとペットホテルのどちらを利用するか迷う人も多いでしょう。
ペットシッターとペットホテル、どちらを利用するか迷ったとき、どんな点について考えて選べばいいのでしょうか。ペットホテルとペットシッターの両方の仕事を理解している鈴木さんに、それぞれのメリットを解説してもらいました。
ペットシッターが向いている子
ペットシッターにお世話をお願いしたほうがいいのはどのようなケースなのでしょうか。
まず、猫ちゃんの場合はほぼシッターをおすすめしています。
「猫は家につく」と言われるように、環境が変わると食欲がなくなってしまう子や、排泄しなくなってしまう子が多く、体調管理の観点からも、シッターの方がストレスが少ないように思います。
犬の場合はどうでしょうか?
ワンちゃんでも人慣れしていない子は、ペットホテルは24時間慣れない環境でストレスにさらされるため、ペットシッターが1時間だけお家でお世話をする方が向いていると思います。
知らない人間がいるだけで緊張してしまう子もいるので、緊張する時間は少ない方が負担は少ないと思うので。
ペットホテルに預けるほうが向いているのはどんな場合なのでしょうか。
ワンちゃんはやはり人が好きな子が多く、お散歩が必要なので、24時間人の側にいるほうが安心する子が多いですね。
時期によって違う!ペットシッターに入る際の注意点
冬の寒さ・夏の暑さなど、日本は四季によって気温や湿度が大きく変化する気候です。だからこそ、きめ細やかな対応が必要になることも。
時期によって細かく対応を変えていくという鈴木さんに、ペットシッターとして気をつけていることについて聞きました。
低温注意!年末年始のペットは寒さに弱い
年末年始は気温が低いため、寒さ対策は必須です。そんな時期のペットシッターのお仕事について話してもらいました。
お出かけ前の状態を維持するように、いつもの状態を変えないように気をつけています。エアコンがついている場合は、温度設定はその温度で維持して、勝手には変えません。
最近は飼主さんがペットカメラをつけているところもあるので、カメラで温度計を見て「気温が下がっているから、エアコンの温度を変えて」などの指示をいただくこともあります。
ペットカメラのついているお家は多いのですか?
最近増えたという感じでしょうか。
ついているお家の場合は、ペットの様子をカメラで見てLINEで連絡をいただくこともありますね。
依頼を受けるとLINEでの連絡が可能かどうかを確認するのだそうです。LINEでの連絡が可能な飼主さんの場合は、シッターさんからの質問もLINEで連絡することも多いとか。
基本的に、お家に入るときや帰るときの作業報告などはLINEで入れるのだそうです。
ただし、緊急の場合はお電話で連絡することもあり、依頼主さんによってLINEと電話、先方のご都合に合わせて連絡方法を変えることも。
作業報告の際は、連絡はほしいという人の方が多いそうですが、依頼主さんによって「連絡をもらうと、我が子の様子が気になってしまって何も手につかなくなるので、連絡はいりません」という人もいるのだとか。その人その人によって対応は違うのだと話してくれました。
ペットカメラの選び方についての記事はこちら
意外に暑くなりやすいGWのペットのお世話
近年はGW(ゴールデンウィーク)ごろから真夏のような暑さになることも。夏休みはもちろん、長いお休みになるGWもペットシッターの需要のある時期です。
そんな暑い時期に気をつける必要があるのは、どのようなポイントなのでしょうか。
冬と逆に、カメラを見て「エアコンをつけて」という指示をいただくこともあります。
暑くなると雷が増えるので「雷で停電になりそうな場合はご連絡させていただきます」ということをお伝えすると「ペットシッターをお願いします」と依頼がいただけることも多いです。
雷による停電!それは盲点でした。
停電にも対応してもらえるというのは、ペットシッターのありがたいポイントですね!
日当たり・温度・水の交換、夏のペット事情
夏は熱中症の危険もある時期です。そんな時期だからこそのペットに対する気遣いもあるのだとか。どんな点に注意しているのでしょうか。鈴木さんに聞きました。
カーテンの開け閉めはどのようにするのか、水の交換はどうするかなどを、事前にご相談させていただきます。
「日当たりが良すぎるのでカーテンは閉めっぱなしに」というお家もありますし「朝開けて、夜閉めてください」というお家もあります。※1日2回訪問するケース
カーテンの開け閉めだけでもいろいろなパターンがあるのですね。
ペットの水やりなどはどうなのでしょうか?
自動で水が循環する水入れの場合は、水の循環はしているか・コンセントが抜けていないかなどの動作確認のご要望をいただきます。自動でない場合は、水入れを洗って新しい水を入れるご依頼ですね。
器の洗い方や拭き方も、お家によって違うので事前におうかがいしておきます。器を洗う時に洗剤を使っていいのか、スポンジはどれを使えばいいのか。器は拭くのか自然乾燥かなど、確認事項はいろいろです。
やっていてうれしかった!良かったと思うときは?
ペットシッターとしてお仕事をしていて、いろいろな出来事があるそうです。その中でも印象に残っている出来事についてお話を聞きました。
なかなか姿を見せてくれない子が出てきてくれた!
ペットシッターとしてやりがいを感じるのは、なんといっても人慣れしていない子が「少し自分に慣れてくれたかな?」と思えたときなのだそうです。どんなときにそれを感じるのでしょうか。
とくに猫ちゃんのケースが多いのですが、お家に行っても姿を見せてくれないことが多いんです。
そんな子が、何回かお家に行くうちに姿を見せてくれたり、寄ってきてくれたりすると、本当にうれしいですね。
姿を見せてくれたことをLINEで飼主さんにご報告させていただいたら「奇跡です!」という返信をいただいたこともあります。
自分からは動物には寄っていかないようにして、動物が寄ってきてくれるまでひたすら待つのだとか。
そんなときにひょっこりと寄ってきてくれるのは、ペットシッター冥利に尽きるのだと鈴木さんは話してくれました。
雷はペットの敵!?停電チェックは欠かさない!
いつも動物目線でいるという鈴木さんならではの日課があるのだそうです。ペットシッターとして、いつも動物最優先でいるからこその日課とはどのようなものなのでしょうか?
夏はとくに雷が多いので、雷レーダーはいつも気にしていますね。担当しているエリアで停電が起きていないかをチェックして、停電になっていそうな場合は必ずご連絡させていただきます。ご連絡して、必要な場合は電源確認にうかがいます。
夏の停電は命取りですから。
それは後から別料金ということでしょうか?
いえ、これは私のほうから「行きます」と連絡させていただいているので、料金はいただきません。飼主さんからご連絡をいただいた場合は料金が発生しますが、私の一存で行く場合は料金は発生いたしません。
万が一にも停電で何かあったらと思うと、私が落ち着かないので。
!!
料金なしで停電対策してもらえるんですか!?
動物愛にあふれた鈴木さんだからこその神対応ですね!
実際に雷レーダーを見て、飼主さんに連絡すると、ペットカメラで様子を確認してくれる飼主さんもいるのだそうで、そのときの連絡した状況によって行く・行かないの判断をするのだそうです。
シッターだからこそ!?最高で13匹の猫のお世話も!
ペットシッターは1時間からの対応だそうですが、その1時間でできることはすべてしておきたいという鈴木さん。ペットシッターだからこその経験もあるのだそうです。
今までで一番お世話する頭数が多かった依頼は、13匹の猫ちゃんのお世話でした。
ペットホテルでは1匹あたりで料金が発生しますが、ペットシッターは1時間あたりの料金なので、担当は何匹でも一緒なんです。
それぞれ個性の違う猫ちゃんのお世話もうれしいですよ。
じゅ…13匹ですか!?
1時間でお世話は終わるのでしょうか?
はい。なんとか1時間で終わりました。
時間が余るということはありませんでしたけど。
すごい…さすが動物対応のエキスパートですね!
1時間で13匹の対応をしてもらえるなら、ホテルよりもペットシッターという需要があるのも納得です。
すべては動物が快適かどうか。動物目線のペットシッター
ペットホテルにペットシッター、保護猫カフェも運営するPURRさんならではの、驚くようなお話をたくさん聞かせていただきました。
年末年始をはじめとする長期休暇だけではなく、お得意様がたくさんいるというのも頷ける動物愛のうかがえるエピソードの数々。
「すべては『動物が快適に過ごせるかどうか』を基準に考えています」と笑顔で話す鈴木さんだからこその愛のあふれる対応に驚くばかりでした。
近くにこんなペットシッターさんがいたら、ぜひお願いしたいと思う人が続出しそうですね。
以下の記事ではPURRのオーナー鈴木さんに保護猫カフェのリアルを語ってもらいました。
◆施設情報
【ペットシッター】
料金:(1時間)
猫・小型犬(10kg未満)3,500円・延長30分 1,200円
中型犬(25kg未満)4,000円・延長30分 1,400円
大型犬(40kg未満)4,500円・延長30分 1,700円
超大型犬(40kg以上)5,500円・延長30分 2,200円
【ペットホテル】
料金(1泊):
猫・小型犬(10kg未満)3,500円
中型犬(25kg未満)4,500円
大型犬(40kg未満)5,500円
超大型犬(40kg以上)6,500円