イモリとはどんな生き物?ヤモリとの違い&寿命・値段を紹介!

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まとめ
  • イモリは両生類、ヤモリは爬虫類!2種の違いを学んでみよう 
  • イモリは、フグと同じテトロドトキシンを持つ国内唯一の両生類!
  • トカゲと似ているイモリは、実はカエルの仲間

夏になると、コンクリートの道路や壁でヤモリを目にすることがありますよね。同じく夏季では、池や田んぼの近くでヤモリによく似た生き物、イモリを多く発見できます。

今回は、ヤモリと似ているようで違うイモリの特徴や、生態を紹介します。イモリとヤモリの具体的な違いも解説していきますので、ぜひ生き物の学習に役立ててくださいね!

目次

イモリとはどんな生き物?実はカエルの仲間だった!

ここでは、イモリの生態的な特徴や魅力について紹介します。陸上のトカゲとソックリな見た目をしながらも、実は大きく異なる特徴を持つイモリ。春から晩夏にかけて活発に行動するイモリについて学び、水路や池で姿を探してみましょう。

カエルと同じ両生類の仲間!

イモリとは、有尾目イモリ科に分類される両生類の仲間です。両生類とは「幼時は水中に住む・エラで呼吸する・成長すると陸上にも住む」という特徴を持つ生き物たち。つまりイモリは、トカゲに似た見た目を持ちながらも、実際にはカエルやサンショウウオの仲間なんです。

イモリは普段は水田・池・川などの淡水に生息しており、成体になっても基本的には水中で生活しています。おもに田園地帯や森林に囲まれた水域で暮らしており、稀ながらも市街地内の水域で発見できる場合もあります。

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日本のイモリのほとんどは「アカハライモリ」

イモリは、世界中に約15種類55種が存在しているといわれています。しかし日本に生息するイモリは、ほとんどすべてが「アカハライモリ」という種類です。アカハライモリは日本の固有種で、本州・四国・九州とその周辺に分布しています。

アカハライモリは、全長約99〜113mm。オスよりもメスのほうが、やや体が大きい傾向にあります。

長らく日本に生息しているアカハライモリですが、実は2006年に準絶滅危惧種として指定されました。埼玉県をはじめとするいくつかの自治体では、条例で捕獲を規制しています。

アカハライモリは、物怖じせず温厚な性格

アカハライモリの性格は、穏やかで温厚です。基本的には争いを好みませんが、ペットとして飼育する際は餌の取り合いによって相手を噛んでしまうことも。

また個体差によって性格に幅があるため、飼育の際は販売員と相談しつつ理想的な個体を精査することが推奨されます。

物怖じせずに堂々としていることも、アカハライモリの特徴。知能も高く、飼主を覚えてくれる個体も多いとされています。ただし春になり気温が上がると繁殖期に入り、この時期だけは攻撃的な一面を覗かせる個体が増加します。

イモリの寿命・値段は?特徴を解説

本来、イモリは人工的な環境での飼育が困難な生き物です。しかし日本のアカハライモリは環境変化に強く、国内のみならず欧米での人気も高いペットです。ここでは、イモリの寿命やペットとして飼育する際の値段などを紹介します。

意外と長生き。イモリの寿命は約20年!

アカハライモリの寿命は、約20年といわれています。適切な飼育環境を与えれば、個体によっては25年生きるイモリもいるのだとか!

イモリを長生きさせるコツは、他の両生類と同じく「急激な温度変化を避けること」。また餌の与えすぎによる消化不良も短命の原因になるため、適切な飼育方法の把握が必要です。

イモリは1,000円以下で購入できるペット

日本の国内産の両生類であるアカハライモリは、流通量が多いペットの一つです。値段も比較的リーズナブルで、1匹あたり300〜1,000円程度で購入できます。

オスでもメスでも、価格に大きな違いはありません。イモリは、おもにペットショップ・両生類専門ショップ・熱帯魚ショップ・ホームセンターのペットコーナーなどで販売されています。

徹底解説!イモリとヤモリの違い7選

ここでは、イモリとヤモリの違いを7つを紹介します。家を守る「家守」と書いてヤモリ、井戸のような水場を守る「井守」と書いてイモリ、という覚え方を耳にしたことがある人も多いでしょう。

ぜひこの機会に、住む場所以外にも存在している両種の違いを学んでみてくださいね。

イモリは両生類、ヤモリは爬虫類

イモリとヤモリには、両生類と爬虫類という大きな違いがあります。ヤモリが属する爬虫類は、脊椎動物の一種。体も表面がウロコで覆われ、殻に包まれた卵を生む仲間です。

両生類も爬虫類も変温動物という共通点はありますが、生息域や卵の形状などに違いがあります。両生類の卵は爬虫類とは異なり、ゼリー状の膜に包まれていることが特徴です。

イモリはヌルヌル、ヤモリはカサカサ!

イモリには鱗がなく、全身が粘液によってヌルヌルしています。対して爬虫類であるヤモリには鱗があるため、カサカサと乾燥した肌質が特徴です。

この質感の違いは、それぞれの呼吸法の違いも関係しています。両生類のイモリは、皮膚呼吸(濡れた皮膚に酸素を溶かし、吸収して血流に載せる)を行うため皮膚が湿っています。肺呼吸を行うイモリは皮膚を湿らせる必要がありません。

イモリは水が大好き、ヤモリは水が苦手

カエルやウーパールーパーなどと同じく両生類の仲間であるイモリは、ほとんどの時間を水の中で過ごします。皮膚が乾きすぎると死んでしまうため、イモリにとって水場の環境は生命線です。

対するヤモリは、水に弱い生き物です。水中を泳ぐ程度の耐性はありますが、水濡れにより体温が奪われると体が弱ってしまいます。変温動物であるヤモリは、体温が低下すると体のさまざまな機能が低下してしまうのです。

イモリは有毒生物、ヤモリは毒がない

可愛らしい見た目でついさわってしまいたくなるイモリですが、実はイモリは有毒生物です。赤いお腹の部分に、フグと同じ「テトロドトキシン」という猛毒を所持しています。

テトロドトキシンを所持している両生類は、日本ではイモリだけなんです。対してヤモリには毒がなく、安全にさわれます。

窓や壁に張り付いているのはヤモリ!

温かい季節になると、窓や壁に張り付いているヤモリを見かけますよね。壁面に張り付いている生き物は、得てしてイモリではなくヤモリです。

ヤモリには足の先に、イモリにはない趾下薄板(しかはくばん)という器官を持っています。

趾下薄板にはとても細かい毛が生えており、さらに毛の先には小さな突起が付いています。この突起では分子同士が引き合う力が発生するため、垂直な面にも貼り付けるようになるのです。

イモリとヤモリは、主食も異なる

見た目が似ているイモリとヤモリですが、生態が違えば主食も異なります。イモリの主食は、ミミズ・昆虫・オタマジャクシなどの小動物です。また水中の底生動物も好んで食します。

ヤモリの主食も昆虫を食べることは共通していますが、クモ・ワラジムシ・シロアリなどの害虫を好んで食べる点で違いがあります。人間にとって邪魔な虫を食べてくれることも、「家守」と呼ばれる所以といえるでしょう。

イモリとヤモリには、再生能力にも違いがある!

「トカゲの尻尾切り」という言葉もあるように、ヤモリは危険を感じると自らの尻尾を切って逃げます。しかしこの尻尾は完全に再生されるわけではなく、長さや色が異なる尻尾が生えてきます。

イモリもヤモリと同様に尻尾を切りますが、ヤモリとは異なり「ほぼ完全に元の状態」にまで戻ることが特徴です。イモリの再生能力は非常に高く、なんと目のレンズや心臓なども再生できるといわれています。

イモリは身近な場所に生息中!川や田んぼを覗いてみよう

今回は、イモリの生態の特徴や、ヤモリとの違いを紹介しました。

ヤモリは街中や住宅街でも見かける機会が多いですが、イモリは自然が多い場所に行かないとなかなか目にする機会がありません。川・水田・池など、緑が多い水場に足を運んだ際は、ぜひ自然のなかに住むイモリたちを探してみてください!

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