大型連休が近づいてきて、おでかけの計画を立てているのではないでしょうか?
4月23日は「国際マヌルネコの日」に制定されています。ふわふわで、ネコ科のなかでも最も古い動物といわれているマヌルネコ。
今回は、国際マヌルネコの日についての解説やマヌルネコの生態、実物がみられる施設を紹介します。
4月23日は国際マヌルネコの日!
国際マヌルネコの日は、イギリスのマヌルネコ保護団体「Pallas’s cat International Conservation Alliance (通称PICA)」が制定しました。
マヌルネコの情報を世界に発信し、世界的な保護活動の強化へつなげることが目的です。世界では、41 種のネコ科動物のうち 34 種が「小型ネコ科動物」と考えられており、その多くは絶滅の危機に瀕している現状があります。
マヌルネコもそのなかに含まれており、現在絶滅の危機にさらされてます。マヌルネコに対する理解や保護活動が不足しているため、世界中の人たちに広く知ってもらうきっかけづくりとして、この記念日が制定されました。
マヌルネコのふしぎな生態
マヌルネコはもふもふとした可愛らしい姿をしていますが、ネコ科最古の動物といわれています。
マヌルという名前の由来は、モンゴル語で「小さいヤマネコ」という意味だそうです。また「パラスキャット」とも呼ばれ、マヌルネコを最初に発見したドイツの植物学者ペーター・ジーモン・パラスに由来します。
そんなマヌルネコのふしぎな生態を詳しくみていきましょう。
ネコ科のなかで最も古い動物
マヌルネコは約600万年前から存在し、ほとんど姿が変わらないといわれています。そのため、ネコ科のなかでも最も古い動物としても知られています。
イエネコの祖先であるリビアヤマネコは約13万年前から存在しており、さらに枝分かれしてイエネコが誕生しました。イエネコと比較すると、マヌルネコは約600年前から姿を変えていないので、いかに古くから存在しているかがわかりますね。
もふもふしているのはなぜ?
マヌルネコの最大の特徴は、全身が長い毛でおおわれたもふもふした姿です。
夏は暑く、冬は寒さに厳しい地域に生息するマヌルネコ。シベリア南部からアジア中央部にかけて、樹木のない岩場や草原・半砂漠など寒冷で乾燥した地域に生息しています。
この特徴的なもふもふした長い毛のおかげで、雪や凍った地面の上にはいつくばったときにも体を冷やさないといいます。冬はマイナス30℃にもなるような凍える寒さから身を守るため、全身の毛が長く密集して、もふもふとしているのです。
ネコなのに走るのが苦手
マヌルネコはネコ科の動物ですが、走ることが苦手です。主にウサギやネズミなどを捕まえて食べます。
狩りをするときは「少し動いては止まる」の繰り返しで、獲物との距離を少しずつ詰めていくスタイル。カクカクとした独特の動きで狩りをします。獲物との距離を詰めてから狙いを定め、一気に飛びかかって捕まえます。そのため走る必要がありません。
天敵から身を守る場合も、地面にはいつくばって静止します。地面や岩に擬態してやり過ごすのです。
マヌルネコのいる動物園5選
こちらでは、マヌルネコが飼育されている施設を5つピックアップ。それぞれの施設の特徴を紹介します。
ふわふわで可愛らしいだけじゃない、野生に近いワイルドな姿もみられるかもしれませんよ。
那須どうぶつ王国【栃木】
3匹のマヌルネコが交代で展示されています。「マヌル・アマルハン」は、岩場が生息地であるマヌルネコ本来の動きがみられるようなつくりが特徴です。マヌルネコが、のびのびと暮らす姿が楽しめます。
那須どうぶつ王国の公式YouTubeチャンネルでは「マヌルネコのうた」が公開されています。マヌルネコの特徴が曲に乗せて紹介されていて印象に残る動画です。動画をみてから施設を訪れると、より身近に感じられるかもしれません。
住所 | 栃木県那須郡那須町大島1042-1 |
アクセス | 東北新幹線「那須塩原駅」「新白河駅」
JR在来線「新白河駅」「黒磯駅」 ※駅からはタクシー、もしくはレンタカーを利用 ※那須塩原駅からはシャトルバスあり |
営業時間 | 10:00~16:30 |
休園日 | 水曜日 |
入場料金 | 【通常営業】
大人(中学生以上):2,600円 こども(3歳~小学生):1,200円 3歳未満:無料 【冬季期間】 大人(中学生以上):1,600円 こども(3歳~小学生):900円 3歳未満:無料 |
駐車場台数 | あり |
埼玉県こども動物自然公園【埼玉】
マヌルネコが展示されている「マヌルロック」は、イランから中国西部の寒冷で乾いた岩場をイメージして作られているそうです。岩にのぼる姿や岩の隙間でくつろぐ様子がみられます。
埼玉県こども動物自然公園には3匹のマヌルネコがいます。マヌルネコの平均寿命が10歳くらいのところ、国内最高齢のマヌルネコ「タビー」は現在15歳(高齢のため非公開)です。
売り上げが動物たちのエサ代になるガチャガチャには「国際マヌルネコの日」に向けて、マヌルネコの缶バッチも登場しているそうです。
住所 | 埼玉県東松山市岩殿554 |
アクセス | 電車:東武東上線高坂駅より徒歩30分
バス:「こども動物自然公園」停留所下車すぐ |
営業時間 | 2月1日~11月14日 9:30~17:00
11月15日〜1月31日 9:30〜16:30 |
休園日 | 月曜日 |
入場料金 | 大人(高校生以上):700円
小人(小・中学生):200円 |
駐車場台数 | 正面駐車場 600台
東第1~3駐車場 120台 |
上野動物園【東京】
上野動物園のマヌルネコは、非公開の個体も含めると5匹ほど飼育されており、三つ子の兄妹がいるそうです。西園の屋内型の展示施設「小獣館」でみることが可能です。
「小獣館」は各フロアで明るさに違いがあり、1階と地下1階の2つのフロアで展示されています。屋内施設のため天候にも左右されにくく、雨の日でも安心してマヌルネコの観察ができます。
住所 | 東京都台東区上野公園9-83 |
アクセス | JR「上野駅」公園口より徒歩約5分 |
営業時間 | 9:30~17:00 |
休園日 | 月曜日・年末年始 |
入場料金 | ・大人:600円
・中学生:200円 ・小学生以下:無料 ・65歳以上:300円 |
駐車場台数 | なし |
東山動植物園【愛知】
東山動植物園は、3匹のマヌルネコが飼育されています。なかでも、「ミーニャ」は2023年12月に上野動物園からやって来て、2024年1月に公開されたばかりのマヌルネコだそうです。
オスの「エル」とメスの「ミーニャ」は、繁殖を目指して2024年1月から同居しています。東山動植物園の公式YouTubeチャンネルでは、2匹の同居の様子が動画で公開されています。近いうちにマヌルネコの赤ちゃんが誕生するかもしれませんね。
住所 | 愛知県名古屋市千種区東山元町3-70 |
アクセス | 地下鉄東山線「東山公園」駅下車 3番出口より徒歩3分
地下鉄東山線「星ヶ丘」駅下車 6番出口より徒歩7分 |
営業時間 | 9:00~16:50 |
休園日 | 月曜日・年末年始 |
入場料金 | ・大人(高校生以上):500円
・名古屋市在住の65歳以上:100円 ※中学生以下の入園料は無料 ※名古屋市在住の65歳以上の方は、住所、年齢および本人であることが確認できる写真付きのものが必要 |
駐車場台数 | 1,600台 |
神戸どうぶつ王国【兵庫】
神戸どうぶつ王国のマヌルネコは、園内の「アジアの森」というスペースにいます。マヌルネコが生息する岩場の砂漠をイメージした環境です。広い砂場や透明なトンネルなど、マヌルネコたちのさまざまな姿を見るための工夫もあります。
メスの「アズ」とオスの「ナル」がペアリング中で、一緒に過ごしています。アズとナル、仲良しカップルの姿をみて癒されましょう。
住所 | 兵庫県神戸市中央区港島南町 7-1-9 |
アクセス | 電車:ポートライナー「計算科学センター駅(神戸どうぶつ王国・「富岳」前)」下車
バス:神姫バス「神戸どうぶつ王国前」停留所下車(土日祝のみ運行) |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
休園日 | 第2〜5木曜日 |
入場料金 | ・大人:2,200円
・小学生:1,200円 ・幼児(4・5歳):500円 ・満65歳以上:1,600円 |
駐車場台数 | 普通車 850 台 ( 臨時駐車場を含む ) |
マヌルネコについて理解を深めてみよう
今回は、国際マヌルネコの日について紹介しました。
マヌルネコの調査は近年増加していますが、生態や行動、一部の地域では正確な生息地について、まだわかっていない情報もあります。そんな、まだまだ謎の多いマヌルネコについて広く知ってもらうために、保護団体が絶滅を防ぐ活動をしています。
4月23日の国際マヌルネコの日をきっかけに、過酷な環境下で生き抜くマヌルネコについて理解しましょう。記念日に合わせて、イベントが行われる施設もあるので事前に情報をチェックしてみてください。