- ジオラマの上で猫が遊ぶ姿を眺めながら食事ができるジオラマ食堂
- 動物の保護活動にはお金がかかる
- 次の店舗に乞うご期待!
猫がジオラマの上で遊ぶ姿がSNSで話題となり、予約がいっぱいになるほど人気のジオラマ食堂。今では100匹以上の猫を保護するジオラマ食堂の行う猫の保護活動について、ジオラマ食堂の代表を務める寺岡さんに聞いてみました。
ジオラマ食堂ってどんなところ?
ジオラマの上を猫が飛び交うジオラマ食堂。ジオラマの中を自由に遊ぶ猫を眺めながら食事ができるとSNSで話題となり、今や予約を取るのもなかなか大変な盛況さです。また気に入った猫がいれば家族として迎え入れることも可能なため、新しい家族を探す人からの問合せもあとを立ちません。そんなジオラマ食堂はどんなところなんでしょうか?
保護猫とふれあえて食事もできるって本当?
ジオラマ食堂は日曜〜木曜が2部制、金曜と土曜が3部制で営業されています。ランチタイムはランチが、ティータイムはスイーツが提供されます。3部制の場合は団らんタイムで和洋中から選べる定食が提供され、どの時間帯もジオラマで遊ぶ猫とふれあいながらの食事が楽しめるのが最大の魅力です。
ジオラマと猫って共存できる?
「できません」
寺岡さんは笑いながら言い切ります。
「ジオラマで爪とぎされたり、かじられたり。ジオラマは猫の遊び場なんですよ(笑)」
もともと鉄道の写真を撮るのが趣味だったという寺岡さんは、自ら仕事として鉄道ジオラマを作成するほどの腕前の持ち主でもあります。過去には20人ほどのチームを率いて日本最大級のジオラマの作成もしたこともあるのだとか。そんな寺岡さんには猫が壊したジオラマを修理することなんて朝飯前。毎日お店の営業が終わるとその日猫が壊したジオラマを修理するそうです。
「翌日撮影の入ってるって日に、猫に大きなジオラマごっそりやられた時にはスタッフ総出で直したこともありましたけどね(笑)」
そんな話を笑ってできる寺岡さん。猫に対する愛の大きさを感じました。
いろいろなニーズに対応!ジオラマ食堂の利用システム
ジオラマ食堂の料金システムは、ランチタイム・ティータイムと、金曜日と土曜日だけ設定されている団らんタイム(ディナータイム)の日〜木曜日2部制と金・土曜日3部制と、もふもふチケット(営業時間内終日利用)に分かれて利用するシステム。食事をしながら猫と遊べるほか、気に入った猫を里親として引き取ることが可能なシステムになっています。
里親希望の人や、猫は大好きだけど今は飼えないという人が、もふもふチケットを購入して、1日ずっと猫と過ごしていくこともあるそうです。食堂と言いつつも猫目当ての人が多いのだとか。
猫の保護活動の内容を教えてください
動物の保護活動や保護猫・保護犬については、ここ数年でかなり認知されてきたように思います。しかし実際の保護活動では、一体どのようなことが行われているのでしょうか?なかなか詳しいことがわからない保護活動の内容について話してもらいました。
猫を保護するに至った経緯とは
開店当初は鉄道ファンのための、本格鉄道ジオラマと食事を楽しめるお店でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、一時は閉店の危機に見舞われたことも。そのときに出会った子猫との出会いが、現在のジオラマ食堂を形づくりました。それまで猫を飼ったこともなかったという寺岡さんが保護した子猫は今でも寺岡家の家族の一員に。そしてその兄弟たちを保護したことから始まった現在のジオラマ食堂は、本格鉄道模型の上を猫が自由に飛び回る姿を眺めながら食事ができるお店としてSNSでもバズりまくっています。
実際に猫を保護する時の様子を教えてください
猫の保護を始めた当初は、近くの飼主のいない猫を他のNPO団体と連携して捕獲することもあったそうです。現在はNPO団体や行政機関の動物愛護センターなどから連絡を受けて、他の団体が保護した猫を引き受けることがメインで、捕獲はしていないそう。引き受けた猫には寄生虫やノミとダニの検査・駆虫・白血病やエイズなどの病気の検査・避妊や去勢・予防接種などを施します。病気の検査や駆虫が終わるまでは他の猫とは一緒にしないなどの対策も取ります。保護してから里親探しまでにもやることはたくさんあるのです。
猫の保護に必要なお金について
猫の保護にはお金がかかります。虫や病気の検査やその対策・予防接種・避妊や去勢の手術費用・餌代・トイレの砂代。そんな費用をまかなうのに現在役立ってくれているのがSNSの存在。現在のフォロワーは5万人を超えたところですが、目標はフォロワー10万人。10万人を越えると、猫の保護費用がだいたいまかなえるようになる計算なんだそうです。このフォロワー数の底上げが今の課題。動画やインスタを見た人が拡散してくれるとありがたいと寺岡さんは話してくれました。
SNSを有効に活用することで、保護猫に負担をかけることなく、保護活動を維持できるようにしていくことが今の目標だそうです。
今までに印象に残っている里親さんのエピソードを聞かせてください
東京から大阪のジオラマ食堂まで、猫を見るために通って来てくれた人がいたのだそうです。ジオラマ食堂の料金は、1日いるとおとなは4,500円または6,500円になります。それでもまる2日ずっと猫を眺めるために半年通って、2匹の猫の里親になってくれたのだとか。里親さんも、本当にお気に入りの子に出会えたんですね!
人も猫も、出会いは縁。そんな縁をつなぐジオラマ食堂は、今後も里親も周囲の人も、みんなが安心してジオラマ食堂を利用してもらえる環境を整えるべく、スタッフみんなが日々努力してます。
ジオラマ食堂のこれから
現在は大阪の他に伊勢にもう1店舗の2店舗を展開しているジオラマ食堂ですが、今後はどのような活動を予定しているのでしょうか?ジオラマ食堂の今後について、寺岡さんに聞いてみました。
寺岡さんの考える理想の今後とは
現在大阪と伊勢に店舗を構えるジオラマ食堂ですが、今後店舗を増やす計画はないのでしょうか?
「いつかは東京ですかね。でもまだその前にもどこかあると思います」
そう話す寺岡さん。そのためにはいくつかの目標があるのだとか。SNSのフォロワー10万人を集めて足元を固めたり、現在は100匹以上いる猫の里親をコンスタントに探せるようにしていきたいと語ってくれました。ほかにも、猫と一緒に動物セラピーなどができるようにならないかなどなど、寺岡さんの頭の中には猫と一緒に造る今後の構想がいっぱいです。
理想のために今やりたいこと・して欲しいこと
そんな未来のジオラマ食堂と猫たちのために、何かお手伝いできることがないか聞いてみると…。
「SNSをいろいろな人に拡散していただきたいです」
今はとにかくそれがありがたいと話してくれました。保護猫の存在をより多くの人に知って欲しい。家族を迎える方法の1つとして保護猫を迎えるという選択ができることを知って欲しい。それがSNSのフォロワー数の増加につながれば、それだけでもジオラマ食堂の活動がしやすくなっていくのだそうです。動物の保護には興味があるけれど、何をしたらいいのかわからない…。そんな人も、これならすぐできるお手伝いなのではないでしょうか?
伊勢次の店舗はどこに!?3号店をお楽しみに!
子猫との出会いから、ジオラマ食堂のコンセプトを変え、話題が話題を呼んで瞬く間に人気のお店となったジオラマ食堂。そこには猫と真摯に向き合い、猫と人をつなぐために日々奔走するスタッフの姿がありました。簡単ではない猫とジオラマと食堂の共存。それを乗り越えていく寺岡さんをはじめとするジオラマ食堂のスタッフのみなさん。きっと近い将来、また新しい場所で、ジオラマの中で遊ぶ猫たちと食事のできる場所が増えるに違いありません。
◆今回インタビューに答えてくれたのは
東京でのアパレルの仕事を経て、趣味の鉄道撮影を活かしたジオラマ製作の仕事などを行い、日本国内でも有数の規模のジオラマを手がけるまでに。そこからジオラマを展示したカフェの経営を始め、現在に至る。
ジオラマ食堂official【公式】 Twitter
ジオラマ食堂 〜ジオラマと猫〜 youtube
所在地:大阪府大阪市天王寺区寺田町2-5-16-102
定休日:水曜日
ランチタイム(12時〜14時):おとな2,500円・こども2,000円
日替わり定食・ワンドリンク
ティータイム(15時〜17時):おとな2,300円・こども2,000円
日替わりスイーツ・ワンドリンク
団らんタイム(18時〜20時):おとな2,500円・こども2,000円 ※金曜と土曜のみ
和・洋・中から選べる定食・ワンドリンク
もふもふチケット月・火・木・日(12時〜17時):おとな4,500円・こども3,500円
14時〜15時はふれあい広場で休憩・ランチとスイーツ・それぞれワンドリンク
もふもふチケット金・土(12時〜20時):おとな6,500円・こども5,500円
14時〜15時・17時〜18時はふれあい広場で休憩
ランチとスイーツと定食・それぞれワンドリンク
※こどもは小学生以下・3歳以下無料
ジオラマ食堂 伊勢にゃんこキングダム
所在地:三重県伊勢市二見町三津1201−1
定休日:水曜日