- 犬が食べられるフルーツはたくさんある!
- 体質によっては与えると危険な食材も
- 体格や果物の特徴に応じた与え方が大切
- 危険なフルーツを食べたら、自己判断せず病院へ
人間が食べるフルーツのなかには、量に応じて犬にも与えられる食材も多く存在しています。
今回は、犬が食べてもいいフルーツや与えてはいけないフルーツを紹介します。与える際の注意点も記載していますので、犬を飼育している人はぜひ参考にしてください。
◆執筆・監修:獣医師プロフィール
犬が食べてもいいフルーツ9選!夏が旬の果物も
ここでは、犬が食べてもいいフルーツ9種類を紹介します。1年を通して定番となっているものから夏に旬を迎えるものまで、幅広いフルーツがあります。犬にとって安全なフルーツを知り、美味しい夏を楽しみましょう。
イチゴ
イチゴは、少量であれば犬に与えてもよいフルーツです。ただしイチゴジャムのような加工品は、多量の糖分が含まれているため避けましょう。
またイチゴには犬の低血糖の原因になるキシリトールが含まれているため、少量ずつ様子を見ながら与えることが大切です。
リンゴ
リンゴは、犬が食べても毒にならないフルーツの一つです。ポリフェノール・ビタミン・カリウムなど、少量であれば犬の健康をサポートしてくれる成分も含まれています。
ただしリンゴの種や芯には中毒の原因となる有害成分が含まれているため、与えてもいいのは果肉部分のみに限ります。
バナナ
バナナは、犬に与えても問題ありません。犬用のバナナチップスが販売されているのを見たことがある人も多いでしょう。豊富な食物繊維により、お通じをサポートしてくれる効果もあります。
下の記事では犬にバナナを与える際の注意点も解説していますので、今回の記事とあわせて参考にしてください。
キウイ
キウイも、基本的には犬に安心して与えてもよい食材です。グリーンキウイでもゴールデンキウイでも、問題なく与えられます。
キウイには消化を手助けする酵素であるアクチニジンが含まれているため、食事と一緒に与えることで消化吸収をサポートしてくれます。
ミカン
ミカンは、身の部分だけであれば犬にとって害がない食べ物です。完熟したものの実の部分だけを与え、皮・種・加工品などは与えるのを避けましょう。
スイカ
水分がたっぷり含まれているスイカは、夏の犬のおやつにピッタリです。カロリーが控えめなうえに豊富なビタミンやカリウムが含まれており、犬の健康をサポートしてくれます。
ただし種や皮は消化不良を起こしやすいので、種なしスイカを与えると安心です。
カキ
カキにはミネラルやビタミンなどの栄養素が多く含まれており、犬にも安心して与えられます。
ただし甘味が強く嗜好性が高いため、一度にたくさん与えると消化不良につながるリスクがあります。小さくカットした果肉を少量ずつ与えるか、すり下ろして与えるとよいでしょう。
ナシ
ナシも、犬のおやつとして安全に与えられるフルーツです。約9割が水分で構成されているため、脱水防止の食べ物として適しています。
カキと同様に嗜好性が高いため、小さくカットもしくはすり下ろすことで、より安心して与えられます。
アサイー
アサイーは、少量であれば犬に与えて構いません。食物繊維が多いフルーツであるため、お腹を壊さないように注意しながら量を調整していきましょう。
ただし有毒の可能性が考えられている成分も含まれるため、不安であれば獣医師に相談してください。
犬に絶対にあげてはいけないフルーツ・果物
ここでは、犬に絶対に与えてはいけないフルーツを紹介します。犬にとって毒性が強いフルーツを与えると、命にかかわるリスクも発生します。安全なフルーツと危険なフルーツを見極めたうえで、悲しい事故を未然に防ぎましょう。
ブドウ・レーズン
ブドウやレーズンは、犬に絶対に与えてはいけないフルーツの一つです。ブドウやブドウに関連する加工品は、急性腎不全を引き起こす可能性があります。
ブドウ中毒は数時間~24時間以内に引き起こされるリスクが高いため、食後の容態が安定している場合でもすぐに動物病院を受診してください。
ドライフルーツ
犬用として販売されている品以外のドライフルーツは、犬に与えてはいけません。通常の果物よりも多く糖分や食物繊維を摂取してしまう可能性があり、軟便や下痢の原因になります。
とくにミックスタイプのドライフルーツは、ブドウをはじめとする危険なフルーツも含まれているリスクがあるため避けましょう。
柑橘類の皮
柑橘類の皮は消化不全を起こすリスクがあるため、取り除いてから与えましょう。薄皮や白いスジなども同様です。また食物繊維の摂取量が過多になり、下痢の原因になります。手間はかかりますが、必ず果肉部分だけを取り分けることが大切です。
生のプルーン
未熟なプルーンやプルーンの種の中には、有毒成分であるアミグダリンが含まれています。実は熟すにしたがって含有量は減少しますが、種には含有量が多いです。
アミグダリンは呼吸困難やショック症状などの重篤な症状の原因になります。少量を口にしただけでも、すぐに動物病院を受診してください。
イチジク
イチジクも、犬に与えてはいけないフルーツの一つです。イチジクにはフィシンという酵素が含まれており、犬が食べると口の中に炎症を起こしてしまいます。
痛みや違和感だけではなく、嘔吐やよだれの原因に。種が多く腸閉塞や消化不良のリスクもあるため、犬に食べさせてはいけません。
犬にフルーツ・果物を与える際の注意点
ここでは、犬にフルーツを与える際の注意点を紹介します。犬にとって無毒なフルーツでも、与え方や量によっては体調不良の原因になってしまいます。美味しく楽しいおやつタイムを満喫するためにも、犬によって適した与え方を把握しましょう。
体格と相談しつつ、10g程度から始める
フルーツは、種類によって栄養素や水分量が異なります。種類によっては、少量でもカロリーや糖分過多となり肥満の原因になってしまいます。犬の体格や体重と相談しつつ、最初は10g程度から始めてから量を増やしていきましょう。
量の調整は、嘔吐や下痢を未然に防ぐことにもつながります。
アレルギーに注意!初めて食べさせるときは少量から
人間と同様に、犬もフルーツでアレルギーを発症する可能性があります。初めて与える場合はごく少量を用意し、体調に変化がないかどうかを確認してください。
フルーツに関するアレルギーでは、フルーツにふれた口周囲の赤み・腫れやかゆみ・皮膚のかゆみや発疹、また下痢や嘔吐などの消化器の症状が代表的です。
皮・種・ヘタは必ず取り除く
どのようなフルーツでも、犬に与える際は皮・種・ヘタを必ず取り除いてください。有毒成分が含まれているリスクはもちろん、汚れや細菌、農薬などが付着している可能性があります。
凍らせたフルーツはサイズに注意
通常時に犬に与えてもいいフルーツであれば、凍らせた状態でも問題ありません。バナナのポリフェノールは、冷凍することで量が増えるともいわれており、冷凍することでメリットも期待できます。
ただし凍らせたフルーツは、通常時よりも腸閉塞や消化不良のリスクが上がります。体格に合わせて「丸飲みしても問題ないサイズ」まで小さくカットしましょう。また与えすぎは下痢や体調不良の原因になるため、様子を見ながら適量を与えてください。
サイズに問題がなければ、暑い時期は体を内側から冷やせるため、熱中症対策にも良いでしょう。
持病や疾患を持つ犬は要注意
持病や疾患を持っている犬は、食べてもいいフルーツを事前に獣医師に確認しましょう。たとえばバナナやメロンのようなカリウムが多い果物は、疾患によっては高カリウム血症のような症状を引き起こしてしまうリスクがあります。
獣医師に相談すれば、問題なく与えられる量もわかり安心です。
犬が食べてもいいフルーツ・果物を見極めよう!
今回は、犬が食べてもいいフルーツや危険なフルーツ、与える際の注意点などを紹介しました。
犬が食べてもいい食材がわかると、犬用の手作りごはんの幅も広がります。体格や体質によって適した量は異なるので、不安であれば必ず獣医師に相談したうえで与えましょう。
おやつ・水分補給・気分転換など、フルーツが役立つ場面は多々あります。犬はなんでも丸のみしてしまう動物だということを念頭におき、安全を確保したうえで、愛犬と楽しみながらフルーツを堪能していきましょう。
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