- ハリネズミは実はとても臆病でデリケートな性格
- 運動が大好きなので、60cm×60cm程度を最低としたスペースが必須
- 臆病な生き物であるため、大きな音がする場所にはケージを置かないように注意
小さくキュートなハリネズミは、まるで天使のような愛らしさで私たちの心をつかみます。実際にハリネズミを見たことがある人は知っているかもしれませんが、ハリネズミのつぶらで小さな目は一度見たら忘れられませんよね!
今回は人気のエキゾチックアニマル、ハリネズミの生態や飼育方法を紹介します。固い針を持ちながらも、懐けばリラックスした姿で撫でさせてくれるハリネズミ。ぜひこの機会にハリネズミの魅力について知ってくださいね!
ハリネズミは今大注目のエキゾチックアニマル!
エキゾチックアニマルとは、犬・猫以外でペットとして飼育されている動物を指します。例えばウサギ・ハムスター・鳥などが代表的ですが、今特に大きな注目を浴びているエキゾチックアニマルがいます。
その動物とは、ハリネズミです!
ハリネズミは、ずんぐりした体に細い足、そしてあどけない表情が魅力的な動物です。硬く守られたハリの中には、他の小動物にはない愛らしさが秘められています!ポテポテとした歩き方も、どこか哀愁が漂う瞳も、すべてがキュートなエキゾチックアニマルなんです。
とっても臆病で繊細な生き物!ハリネズミの性格
トゲを持つハリネズミには勇敢さを感じるかもしれませんが、実はとても臆病でデリケートな性格をしています。小さな刺激でもすぐに緊張する、警戒心が強い生き物です。臆病だからこそ針を立てて相手を威嚇するのです。
オスとメスに性格の違いはほぼなく、基本的に人とのコミュニケーションが苦手であることも共通しています。
例外として、発情期のオスは攻撃的になり突然暴れ出すことがあります。とはいえ性格には人間と同じように個体差があるため、その子らしさを尊重することが大切です。
種類と色(カラー)が豊富なハリネズミ
実はハリネズミは、種類やカラーが豊富な生き物です。種類によって価格やサイズ感が異なり、色合いも変わります。日本で飼育・観察できるハリネズミは、以下の3種類です。
種類名 | 特徴 |
ヨツユビハリネズミ | 多くのショップで販売されている、ポピュラーな種類。別名は『ピグミーヘッジホック』。後ろ足の指が4本であることが特徴。 |
ヨーロッパハリネズミ | 動物園で飼育されているハリネズミの多くが該当する。特定外来種に指定されており、一般家庭での飼育はできない。 |
オオミミハリネズミ | 一部の動物園で飼育されている。耳が大きくハリが少し短いことが特徴。全体的に色が濃いため、特有の野性味を感じられる。 |
人気のカラーリングは、以下の3種類となっています。ぜひショップに足を運び、実際の色合いを確かめてみてくださいね。
カラー | 特徴 |
スタンダート | 『ソルト&ペッパー』とも呼ばれ、最もポピュラーとされるカラーリング。鼻先は黒ずんだ茶色で、ハリの色は濃い茶色と白。茶色部分が濃く、ほぼ黒の個体も多い。 |
シナモン | 全体的にシナモンがかっている色合い。鼻先は明るい茶色やピンクで、全体的に優しい印象のカラーリング。 |
アプリコット | シナモンよりもさらに色が薄く、ミルクティーのようなくすんだホワイトの印象。アルビノに近く、鼻先はピンクの個体が多い。 |
ハリネズミを飼いたい!用意するグッズ&飼育方法
ここでは、ハリネズミを飼育したい人向けに必要なグッズ&基本の飼育方法を紹介します。不安があればショップの店員さんやブリーダーさんに相談しながら、安心して飼育できる環境をつくっていきましょう。
以下に、ハリネズミの飼育に必要な基本グッズを紹介します。
- 飼育施設(ケージ)
- 隠れ家
- 床材
- 餌皿
- 水入れか給水ボトル(水入れだと糞で汚れるので給水ボトルが便利)
- 冷暖房グッズ
- 運動用のおもちゃ
- ケージ内の温度・湿度を測れる温湿度計
ケージの選び方|材質・広さに注目!
材質 | ガラス・アクリル製、木製、ステンレス属製 |
広さ | 最低でも60cm×60cm程度の広さを確保 |
ケージはハムスター用ケージでも、衣装ケースやガラス水槽・アクリル水槽でも飼育可能です。床面が金網になっていると手足を痛める可能性があるため避けましょう。
金属製のケージの使用もOK。ただし、亜鉛メッキ製品は亜鉛中毒を起こしてしまう可能性があります。そのため、ステンレス製を選ぶことをおすすめします。
ハリネズミは運動が大好きなので、ケージの広さも大切です。60cm×60cm程度を最低として、できる限りスペースを与えることで、ストレス解消や肥満の予防にもなります。素材や広さはもちろん、脱走しにくい環境をつくることが大切です。
床材の選び方|アレルギーの少ない素材を選ぼう
床材は、ハリネズミにとってクッション・トイレ・ベッドなどさまざまな役割を持ちます。おすすめの床材は、アレルギーの危険性がほぼないトウモロコシ穂軸100%の天然素材の敷き床です。
その他の素材を選ぶ場合は、アレルギーの可能性が少ない広葉樹の素材を選びましょう。
ハリネズミの飼育方法は?日々のお世話の内容・頻度を解説
ハリネズミのお世話において、最低限毎日やらなければいけないことは下記の6つです。
- 1日1回の食事(夜行性なので夕方以降がベスト)
- 飲み水の交換
- トイレの掃除
- ケージの掃除
- 適度な運動
- 便の状態のチェック
ハリネズミの餌は?おやつは何をあげる?
ハリネズミは昆虫や無脊椎動物などを狩って主食とする動物です。
飼育下では、ハリネズミの食べ物は総合栄養食のハリネズミ用ペレットが基本ですが、おやつとして適量の果物・野菜・ミルワーム・ささみ・ゆで卵・チーズなどを与えても構いません。特に生きたミルワームはハリネズミが大変喜ぶおやつです。
ただし果物や野菜は中毒を起こす種類もあるため、事前にリサーチしておきましょう。果物や野菜は下痢の原因になることもあります。ハリネズミは食虫動物だということを忘れずに、果物などはほんの少量にとどめるのが良いでしょう。
ダニに注意!ハリネズミがかかりやすい病気
ハリネズミはダニに寄生されやすい生き物であるため、常にケージが清潔な状態になるよう管理します。
ペットショップなどからお迎えしてきたハリネズミはかなりの確率でダニに寄生されています。少し落ち着いたら動物病院で検査を受け、ダニ駆除剤を投与してもらうことをおすすめします。
またストレスや消化不良や細菌感染の影響を受けると、便が緑色になることも。日々の体調管理と環境管理を心がけましょう。
適度な運動をさせてあげよう!
野生のハリネズミは、餌を求めて一晩で数km~数十kmも移動することがあるのだとか。その豊富な運動量に応えるためには、十分に体を動かせる飼育環境が求められます。
運動量はハムスターと同様に回し車やトンネルなどを設置するか、安全な部屋の中に解放して散歩させてあげることをおすすめします。
その際は電気コードによる事故や誤飲・誤食などに注意し、目を離さないようにしてあげてくださいね。
ハリネズミの飼育で注意したい4つのポイント
注意点1.最適な温度・湿度を保つ
ハリネズミの飼育で注意したい点として、適温と適度な湿度の維持が挙げられます。ハリネズミにとっての理想的なケージ内の温度は24~29℃で、適温より著しく低下すると丸まって動かない状態に陥ってしまいます。
日本でペットとして流通しているハリネズミの多くはと冬眠しない生き物であるため、温度変化は大きなストレスの原因になるでしょう。
高湿度の環境では体調を崩す可能性もあるため、湿度は40%以下を保つ必要があります。部屋の温度・湿度が必ずしもケージ内の温度・湿度と同じとは限りません。必ずケージ内の温度・湿度を確認するようにしましょう。
注意点2.大きな音がする場所は避けよう
またハリネズミは臆病な生き物であるため、大きな音がする場所にはケージを置かないように注意してください。
生活音や気配が多い場所や窓際よりも、静かな部屋の壁沿いに置くほうが適しています。
注意点3.多頭飼育はNG
単独生活を好む生き物であるため、同一ケージ内での多頭飼育には向きません。
性格には個体差がありますが、基本的には一匹のハリネズミに愛情を注いであげることをおすすめします。
注意点4.他の動物と一緒の環境での飼育は注意
他のペットと一緒にハリネズミを飼育する際は、脱走の危険性にさらに気を配り、事故を防止する工夫を取り入れましょう。
特に猫を飼育している人は、猫がケージに前脚を入れてしまう危険性もあります。空間を分けるだけではなく、ガラス・衣装ケースタイプを選ぶとよいでしょう。
もっと知りたい!ハリネズミの豆知識
ハリネズミは古くから地球に生息していましたが、愛玩動物として注目され始めてからはまだ日が浅い動物です。ここでは、そんなハリネズミの特徴歴史や性格について紹介します。
実は食用だった?!ハリネズミの歴史は?
日本ではペットとして親しまれているハリネズミですが、人間との共存の発祥とされる古代エジプトでは食用として飼育されていました。またユーラシアやアフリカでは、民間療法としてハリネズミの血液が用いられたり、呪術の材料とされたりした資料が残されています。
日本では有史以後に分布した形跡はありませんが、神奈川県小田原市や静岡県伊東市などに定着していることが確認されています。これは、元々ペットとして飼育されていた個体が何らかの原因で野生化し、繁殖を繰り返した結果だといえるでしょう。
ハリネズミは何を食べるの?どんな動物の生態は?
ハリネズミは食虫目ハリネズミ科に属しており、基本的には虫を食べて生活する夜行性の動物です。野生下では昆虫や無脊椎動物(ミミズ・ナメクジ・カタツムリなど)をはじめとする生き物を狩って食べています。
餌となる小さな生き物を探して歩き回る習性を持つため、細く小さな手足を持ちながらも非常に行動範囲が広いことが特徴です。
ハリネズミのキュートな魅力にメロメロ!
今回はハリネズミの特徴や生態、基本の飼育方法などを紹介しました。
SNSの投稿では、飼主によくなついた個体が目立ちます。しかしハリネズミ自体は警戒心が強い生き物で、心を開いてもらうためには時間がかかります。
もちろん個体差はありますが、なついてもらうためには適度な距離感と時間が必要です。ハリネズミが生活しやすい環境を保持しつつ、じっくりとスキンシップを取りながら焦らずに距離感を縮めていきましょう。
以下の記事では、ハリネズミの可愛すぎる画像もまとめています。
ぜひチェックしてみてください!