- ペットとの夏では「エアコンはつけっぱなし」が鉄則!
- エアコン以外の暑さ対策を取り入れれば、電気代の節約が可能
- 自己判断は厳禁・ペットの熱中症のサインを学ぼう
今年も真夏日が続く季節になりました。連日のように最高気温30℃を超えるなか、気になるのはエアコンの電気代。とくにペットと暮らしている人にとって、夏は電気代に悩まされる時期でもありますよね。
今回は暑がりな長毛猫と暮らす筆者が、ペットとの夏の暮らし方における、エアコン代を節約する暑さ対策を紹介します。
夏のペットとの暮らしでは、まず優先するべきは動物たちの適温の維持。健康的に暮らせる環境を維持しつつ、できる限り電気代を下げられる工夫を取り入れていきましょう。
犬や猫、小動物、爬虫類に適した室温は?
ここでは、犬や猫、小動物、爬虫類に適した室温の目安を紹介します。
記載する内容はあくまで目安であり、動物ごと(犬種・猫種など)の特徴や年齢、飼育環境によって適切な温度は異なります。ペットの特性や状態を加味したうえで、快適に過ごせる温度をリサーチしていきましょう。
【犬・猫】夏場は24~26℃に保とう!
犬種やサイズによっても異なりますが、多くの犬にとって夏の適温は20~25℃、湿度は60%以下とされています。猫にとっての適温は25℃前後、湿度は50~60%とされており、犬とやや乖離があります。犬と猫を多頭飼育している場合は、両方の間を取って室温25℃程度、湿度60%に調整するとよいでしょう。
ただしシベリアンハスキーやサイベリアンなど、寒い地域の犬種・描種はさらに温度を下げる必要があることも。またポメラニアンやペルシャ猫などの長毛種も同様に、より涼しい環境下での飼育が望まれます。
【小動物】夏場は20~25℃がベスト
小動物の夏場の室温は、20~25℃程度がベストといわれています。ただし小動物と一言で言っても、さまざまなペットがいますよね。以下に、ペットとして代表的な小動物と適温の目安を記載します。
ウサギ |
18~24℃ |
ハムスター |
20~25℃ |
モルモット |
17~24℃ |
フェレット |
15~25℃ |
インコ |
20~28℃ |
オウム |
25~30℃ |
ただし小動物ごとの特性や原産国などにより、適した温度は変わります。不安があれば獣医師やブリーダーに相談することが大切です。
【爬虫類】夏場は25~32℃に。湿度にも注意
爬虫類の夏の適温も、種類によって異なる傾向に。一般的な適温は25~32℃といわれていますが、ここでもペットとして代表的な爬虫類と適した室温を記載します。
カメ |
24~29℃ |
ヘビ |
25~30℃ |
フトアゴヒゲトカゲ |
27~28℃ |
ヒョウモントカゲモドキ |
25~32℃ |
小動物と同様に、爬虫類でも種類ごとの環境の違いに注意しましょう。たとえば同じペットとして人気のヘビでも、コーンスネークの適温は28〜30℃、セイブシシハナヘビは25~30℃と微妙に異なります。
爬虫類の室温管理では、それぞれの生息地の自然環境を再現することが大切です。そのため「日中は高め、夜間は低め」を心がけつつ、自由に温度調整をできるようにケージ内には温度勾配をつくりましょう。
また爬虫類は、湿度が低すぎると脱皮不全のリスクが、高すぎると皮膚疾患のリスクが高まります。温度と同様に、生態に応じた湿度管理も徹底する必要があります。
夏のペットのエアコン事情
ここでは、夏のペットのエアコン事情について紹介します。人間だけの暮らしでも必須になる夏場のエアコン。モコモコの被毛に包まれたペットたちであれば、尚のこと必要です。夏のペットとの暮らしには欠かせないエアコンについて学んでみましょう。
基本は「エアコンつけっぱなし」が鉄則!
真夏のペットとの暮らしでは、エアコンは『つけっぱなし』が鉄則です。猛暑日において、暑さ対策をしない室内の温度は30℃以上になります。ペットに限らず、健康な人間でさえも熱中症を引き起こすリスクが高い温度です。
実際に「夏にエアコンをつけ忘れて外出し、ペットが亡くなってしまった」という悲しい事故も発生しています。エアコンを使わない暑さ対策はペットの命に直結するため、あくまで「エアコンは大前提で、他の対策を並行しておこなう」を心がけましょう。
夏のエアコンの電気代は、狭い部屋でも1時間約16円
以下に、夏のエアコンの電気代の目安(1時間あたり)を紹介します。
部屋の広さ |
電気代の目安(1時間あたり) |
6〜9畳 |
15.5円 |
7〜10畳 |
17.8円 |
8〜12畳 |
19.9円 |
10〜15畳 |
32.9円 |
11〜17畳 |
34.2円 |
15〜23畳 |
58.6円 |
高いと思われる冷房の電気代ですが、環境省によると、夏の冷房の設定温度を1℃変えると、10〜13%の消費電力の削減につながるそうです。ペットの最適な温度を維持しつつ、人間もペットも快適にできる工夫をしてくことが大切です。
参考:環境省「みんなで節電アクション! | 家庭でできる節電アクション | 3.エアコンで節電!」
製品によっては、ペットに適した温度設定にする「ペットモード」が搭載された商品も。部屋の広さや製品の特徴と照らし合わせながら、工夫を取り入れて節約していきましょう。
夏の電気代を減らそう!エアコン代を節約するペットの暑さ対策
ここでは、エアコン代を節約できる暑さ対策を紹介します。
エアコンと合わせて活用することで、今よりも電気代を下げられることもあります。ライフスタイルや住宅環境に合わせ、適した暑さ対策を導入してみてくださいね。
扇風機やサーキュレーターで空気を循環
ペットの暑さ対策では、扇風機やサーキュレーターによる空気の循環が用いられます。冷たい空気は下に溜まる性質を持っているため、下の空気を上に循環させることで部屋全体の温度を下げられます。
またペットが嫌がらなければ、扇風機をつけながら体に霧吹きで水をかけると、気化熱によって体を冷やせることも覚えておきましょう。
冷却アイテムでひんやりとリラックス
ペットの暑さ対策で欠かせないのが、ジェルタイプやプレートタイプの冷却アイテム。ペットの体格に合わせたアイテムを用意すれば、自分から乗って涼んでくれます。
ただし冷却アイテムの置き場所には要注意!日光が当たりやすい場所に置くと、熱中症を誘発してしまうことも。日陰でリラックスできる場所に設置してあげましょう。
凍らせたペットボトルは水分補給にも役立つ
ペットの暑さ対策では、凍らせたペットボトルも役立ちます。設置した周りの空気を冷やしてくれるだけではなく、結露によって生じた水分によって水分補給も可能です。
とくに猫は、水分補給を複数の場所でおこなう習性があります。メインで水を設置している場所とは別に凍らせたペットボトルを置いておくと、コンスタントな水分補給に役立つでしょう。(※冷凍室から出したばかりのペットボトルはペットの舌に張り付きやすいため、1度水につけてから設置しましょう。)
遮光カーテンや断熱材で室温を下げる
夏の室温を下げるためには、遮光カーテンや断熱材の導入も推奨されます。とくにリビングのような日光が入りやすい場所では、日中に遮光カーテンを閉めるだけで電気代が節約できるでしょう。
断熱材は、壁や窓に貼るだけで効果を発揮する商品も多数展開されています。壁紙シートタイプの断熱材は簡単に設置可能です。
ペットには無理をさせないで。熱中症のサイン3選
ここでは、ペットの熱中症のサインを3つ紹介します。人間と同様に、ペットの熱中症は早めの対策が肝心です。症状が軽そうだからといって自己判断せず、少しでも違和感を感じたら応急処置や動物病院の受診を心がけましょう。
元気がなく、ぐったりしている
ペットが熱中症を患うと、元気がなくぐったりとした姿が目立ちます。いつまでも横になったまま起き上がらなかったり、水を飲む元気がなくなったりすることも。
普段は元気な子が食欲を失ったり、ボーッと宙を見つめていたりする時間が増えたら要注意です。
ハアハアと口を開けて呼吸する
ハアハアと口を開けて呼吸し始めたら、熱中症が進行しているサインです。とくに健康時に口呼吸の習慣がない猫の場合は、重篤な症状を患っている危険があります。
また舌や口の中を見たときに、普段よりも赤い色をしている場合も熱中症の疑いがあります。
嘔吐・下痢
嘔吐や下痢などの症状が現れたら、熱中症の症状が深刻化しているサインです。排泄によって体内の水分が失われた結果、さらに症状が重篤になっていきます。
また筋肉の痙攣や震えなども、一刻を争うサイン。1分でも早く動物病院を受診するべきと状態といえるでしょう。
ペットの暑さ対策を工夫して、電気代を節約!
今回は、エアコン以外にも導入できる夏の暑さ対策を紹介しました。
ペットの生活環境を調整できる人は、飼主しかいません。言い方を変えれば、飼主が適切な室温・湿度に調整してさえいれば、ペットの熱中症のリスクは極限まで下げられます。
今日からでもできる熱中症対策を取り入れ、電気代も節約しつつ、ペットの健康を賢く守りましょう。
以下の記事では、犬・猫それぞれの熱中症のサインや予防方法を記載しています。今回の記事とあわせて、ぜひ参考にしてください。