- マイクロブタは、甘えん坊で賢い注目のペット
- 個体によっては40kgを超えて大きくなる可能性も
- 完全室内飼育が可能!お散歩は無理のない範囲で
- ペット保険に入れない・保健所への報告義務など、特有のリスクがある
人間とブタの共生の歴史は長く、文献によると奈良時代にもブタが存在していたことがわかっています。食べ物としてはもちろん、医療や肥料など幅広いシーンで人間とブタは関わりを持っています。
そして現在、新しい共生の形として注目されているのが「ペット」です。今回は、愛玩動物としてのブタである「マイクロブタ」について紹介します。犬や猫とは一味違うマイクロブタの魅力にふれてみましょう。
注目のペット!マイクロブタってどんな動物?
ここでは、マイクロブタの基本情報について紹介します。少しずつ認知度は広まりつつも、まだまだメジャーな存在とは言いにくいマイクロブタ。特徴や生態を学び、魅力的なマイクロブタを身近に感じてみましょう。
マイクロブタとは?大きさ・ミニブタとの違い
マイクロブタとは、成長したときの体重が18~40kgのブタの総称です。
ルーツである家畜のブタの体重は100~300kg程度ですが、少しずつ小型化する過程でミニブタ(40~100kg程度)が生まれ、ミニブタを掛け合わせることでマイクロブタが誕生しました。
海外ではマイクロピッグやティーカップピッグの名前で親しまれており、日本でも少しずつ認知度が広まってきました。ただし犬や猫などと同じように成長には個体差があるため、40kgを超える成体に成長する可能性もあります。
人懐っこく甘えん坊な性格がたまらない!
マイクロブタがペットとして愛されている理由の一つが、人懐っこく甘えん坊な性格です。
ブタに獰猛なイメージを持っている人もいるかもしれませんが、マイクロブタは人間の膝の上で眠るほどよく懐いてくれます。
孤独が苦手で寂しん坊な子が多いため、ペットとのスキンシップを楽しみたい人にはピッタリの動物です。
また知能も高く、トレーニング次第ではお座りのような基本的な躾をすることも可能です。
マイクロブタの価格・寿命はどれくらい?
マイクロブタの価格は、10~40万円ほどです。月齢やカラー、模様の入り方などにより価格が異なります。
一般的には、キュートなイメージが強い白色(ピンクに見える色)や、うり坊を連想させるキャラメル色・ウリ柄の人気が高いようです。
マイクロブタの寿命は10~15年ほどです。犬や猫と同様の年数生きるという認識で問題ないでしょう。
とはいえ、マイクロブタはまだ品種が確立されてから期間が経っていないため、今後変動する可能性があります。
マイクロブタの基本的な飼い方
ここでは、マイクロブタの基本的な飼い方を紹介します。
ブタの飼育というと「何か特別なものを用意する必要があるの?」と思うかもしれませんが、基本的には他の哺乳類と類似した飼育方法です。マイクロブタの飼育特有の環境や食べ物について学んでみましょう。
飼育に必要なグッズと用意する環境
マイクロブタの飼育で必ず必要になるのが、給餌器・給水器・トイレです。トイレは一般的な犬用のもので構いません。
ブタは肉球ではなくひづめを用いて歩行するため、フローリングの場合はラグや絨毯を引くことで安心感を高められます。
またブタには鼻で穴を掘る習性(ルーティング)があり、ルーティングはストレス発散としても役立ちます。クッションや専用マットを用意することで、習性を満足させ、お互いにストレスが低い環境で暮らせるでしょう。
コード類や植物は誤食の可能性があるため、届かない場所に配置・収納します。
マイクロブタの主食は豚用ペレット
マイクロブタの主食は、マイクロブタフードやミニブタペレットなどのブタ専用ペレットです。
ただし一般的なペットショップではなかなか販売されていないため、多くの場合オンラインで購入します。もしくは、マイクロブタ販売元のブリーダーから購入できることもあります。
おやつやご褒美などに、茹でたサツマイモ・キャベツ・リンゴ・バナナなどを与えても構いません。ただし肥満防止のためフルーツの糖分に注意することと、タマネギ・チョコレートなど与えてはいけない食べ物もあることを覚えておきましょう。
散歩時の注意点
本来、マイクロブタは室内のみで飼育できる生き物です。しかし散歩をすることで、肥満防止や社会性の獲得につながります。ただし、マイクロブタの散歩にはいくつかの注意点があります。
- 野生動物がいる場所に連れていかない
- イノシシが生息する山には絶対に連れていかない
- 動物の排泄物には近寄らない
- 木の実や野草の拾い食いに注意する
- 養豚場や畜舎には近づかない
- 日焼け・熱中症防止のため、日差しが強い日は避ける など
上記の点を守り、安全にマイクロブタとのお散歩を楽しみましょう。マイクロブタ自身の散歩へのモチベーションが低い場合は、無理に連れ出す必要はありません。
マイクロブタを飼育する際の注意点
ここでは、マイクロブタを飼育する際の注意点を紹介します。マイクロブタは人気が高まっているとはいえど、飼育方法が確立されているとはまだいえません。トラブル時の対処法を事前に理解した上で飼育を検討していきましょう。
家畜衛生保健所への報告義務がある
マイクロブタは、飼養衛生管理基準を守る必要がある動物です。飼育する際は、家畜衛生保健所に毎年一回飼養状況を報告する義務があります。
また豚熱ワクチンの接種が必須であり、拒否した場合は家畜伝染病予防法によって罰されてしまいます。
市街地や観光地などの指定区域で飼養する場合は、保健所の許可も必要です。
これらの条件は自治体によって異なりますが、多くの場合は法律の範疇で定義されているため、基本的に条件が大きく異なることはありません。
医療費が高額になる可能性がある
2023年現在、マイクロブタに対応しているペット保険は存在しません。今後増えることも考えられますが、サービスが確立されるまでは加入条件も厳しいものになるでしょう。
マイクロブタを飼育する際は、基本的に保険は使えないという認識になります。
そのため、病気やケガをすると高額な医療費が必要だと考えましょう。特に誤飲や誤食には気を配り、生活空間を整えることが大切です。
ポジティブな情報だけを鵜呑みにしない
昨今マイクロブタの人気が高まっていることで、悪質な業者やブリーダーが増加中です。なかには「簡単に飼えますよ」「大人になっても大きくなりませんよ」など、耳障りの良い言葉だけでセールスを行う業者もいます。
ポジティブな情報を鵜呑みにせず、自分で調べて課題を認識する姿勢が大切です。信頼できる業者やブリーダーを見分ける意識を持ち、飼育におけるリスクを正しく認識しましょう。
マイクロブタはまだデータが少ないペット。情報を見分ける力を持とう
今回は、マイクロブタの魅力や飼育方法、注意点などを紹介しました。
マイクロブタは、犬や猫が当たり前に受けられるサービスを受けられない場合があります。ペット保険やペットホテル、ペット同伴カフェなどが代表的です。
感染症の種類やリスクも犬猫とは異なるため、共生のルールはまだまだ発展途上だといえるでしょう。
飼育に特有の不安やリスクがあるマイクロブタですが、デメリットを補って余りある魅力にもあふれています。飼育を検討する際は、課題を一つひとつ認識した上で、適切な対処法をとっていきましょう。
また以下の記事では、実際にマイクロブタを飼育している人の生活をまとめています。愛らしく賢いマイクロブタの姿を、ぜひチェックしてみてください!