- 日本犬保存会が認めた和犬は6種類のみ!
- 和犬は忠誠心や警戒心が高く、番犬に向いている個体が多い
- 飼主だけに心を許してくれるのも、和犬の大きな魅力!
- 和犬ごとに性格はさまざま。6種の魅力を比べてみよう
和犬(日本犬)は、日本が誇る独自の文化の一つです。今回は、和犬の意味や定義、6種の和犬の特徴などを紹介します。凛とした姿と甘えん坊のギャップが非常に魅力的な和犬。犬種による違いを知ることで、さらに和犬が好きになりますよ!
和犬(日本犬)とは?日本固有の在来種の犬!
ここでは、和犬(日本犬)の意味や定義について紹介します。
実は和犬は、国に指定された天然記念物!文化財保護法や各地方自治体によって指定された、海外にも誇れる存在なのです。日本の文化や伝統に深く関わる和犬の魅力について学んでいきましょう。
在来種6種類だけのことを指す和犬の定義
和犬とは、日本固有の在来犬種です。1934年に日本犬保存会によって定められた、柴犬・秋田犬・甲斐犬・紀州犬・四国犬・北海道犬の6種類を指します。これらの和犬は、縄文犬と弥生犬の交配によって生まれた雑種犬たちがルーツになっていると考えられています。
同じく日本犬らしい特徴を持つ土佐犬や、名前に日本の名を持つ日本スピッツなどは、厳密には和犬に含まれません。理由は日本犬保存協会に指定されていないことだけではなく、既存の和犬や外来の犬種を交配してつくられた犬種だからです。
たとえば土佐犬は四国犬をツールに、マスティフやブルテリアなどと交配して生まれたといわれています。古くから順血統である日本発祥の犬種のみが、和犬として指定されるのです。
日本犬保存会を中心に、和犬は保存運動の対象に!
和犬は日本犬保存会を中心に、保存運動の対象になっています。保存運動の本質的な目的は、和犬の価値の維持・向上による日本文化の高まりです。
日本犬保存会は和犬に関連する事項を調査・研究しており、犬籍簿(血統証明書)の整備・保護・繁殖・体型能力の向上と改良をおこなっています。
日本人と少し似てる?!和犬の特徴を紹介
ここでは、日本が誇る和犬の特徴を紹介します。和犬の性質は、さまざまな面で日本人の特徴と似ていることも。私たちとシンパシーを感じさせる日本犬の魅力を学んでみましょう。
人見知りだが飼主には忠実
和犬は人見知りな性格をしている犬種が多く、初対面の人や慣れていない人にはシャイな一面をのぞかせます。しかし飼主には非常に忠実であり、飼主を傷つけようとする相手には毅然と立ち向かいます。また心を許した限られた相手だけに、甘えん坊な一面を見せてくれることも特徴です。
警戒心が強く番犬に向いている
和犬は警戒心が強く、番犬に向いている性格をしています。普段は大人しい性格の個体でも、不審な人物には容赦なく吠えたり、敵対心をあらわにしたり。飼主の忠実なパートナーとして、家族の安全や平和を守ってくれるのです。
日本の四季の変化に対応しやすい
和犬は長い年月を日本で暮らしてきたため、日本の四季の変化に対応しやすいことも特徴です。夏の暑さや冬の寒さに対応できる被毛や温度感覚を持ち、1年を通して一緒にお出かけが楽しめます。ただし人間と同様に、基本的な熱中症予防はもちろん大切です。
勇敢で身体能力が高い
和犬の多くはがっしりとした体格をしており、身体能力が高いことが特徴です。筋肉質でバランスのいい体つきは、数千年前からほぼ変わっていないのだとか。また勇敢さを持っており、自分より体が大きな動物にも臆さずに立ち向かいます。
日本の和犬は6種類!犬種の特徴&性格を解説
前項でもふれたように、日本犬保存会が定めた和犬は柴犬・秋田犬・甲斐犬・紀州犬・四国犬・北海道犬の6種類です。ここでは、6種類それぞれの特徴や性格を紹介します。似ているようで実は異なる和犬の特徴を知り、お気に入りの犬種を見つけてみてください!
※記載する値段の相場は、あくまで目安になります。
柴犬(しばいぬ)|縄文時代から日本人と生きる犬!
- 値段の相場:21~24万円
- 体重:8〜10kg
柴犬は代表的な和犬であり、日本のみならず世界中で愛されています。縄文時代から日本人と共生してきたと考えられており、勇敢で警戒心が高く忍耐強い性格をしています。自立心が強く、過剰なスキンシップは好みません。
頑固な一面も見られますが忠誠心は強く、飼主だけに甘えてくれる姿には心をつかまれます。和犬のなかでは最も小柄な犬種ですが、筋肉質な体型から運動量は多く、1日2回、30分程度の散歩が必要です。
以下の記事では可愛すぎる柴犬のライフスタイルを紹介しています!
秋田犬(あきたいぬ)|和犬唯一の大型犬!
- 値段の相場:16~35万円
- 体重:27〜59kg
秋田犬は和犬唯一の大型犬で、メスは27~50kg、オスは39~59kgほどの体重になります。たくましく太い首や幅の広い腰が特徴的で、飼育の際は1日1~2時間程度の散歩が必要です。しかし秋田犬の特徴は、大きな体だけではありません。
秋田犬は和犬屈指の我慢強さを持っており、信頼関係を築くことで生涯にわたって忠実なパートナーになってくれます。その忠実さは「忠犬ハチ公」のモデルにもなるほどです。飼主には大らかで温和に接してくれるのも秋田犬の魅力といえるでしょう。
甲斐犬(かいけん)|現役でも働く狩猟犬!
- 値段の相場:20~23万円
- 体重:16〜18kg
甲斐犬は、山岳地帯で猟犬として使役されていたルーツを持つ和犬です。現在においても、和犬のなかでとくに野性味を残した姿が印象的です。運動能力は抜群で、岩場や急な崖などでもスイスイと駆け巡ります。
武士のように硬派な雰囲気の通り、忠実さはピカイチ。飼主には従順に尽くす反面、飼主以外の人物や他の犬に対しては素っ気ない態度をとることがあります。飼育の際は必要以上に攻撃性を高めないよう、社会性を養いつつ適切な信頼関係の構築が求められます。
紀州犬(きしゅういぬ)|穏やかで温厚な性格!
- 値段の相場:15~25万円
- 体重:20〜30kg
紀州犬は、和犬らしい忠実さと運動能力の高さを持つ和犬です。他の和犬と比べると穏やかで温厚な性格をしており、知的好奇心も旺盛です。ただし和犬らしい警戒心の強さは持っているため、知らない人に対しては攻撃的になる場合があります。
賢さや洞察力にも優れており、不審者には勇敢さを発揮します。また狩猟犬として活躍してきた歴史も長いことからスタミナに優れており、1日2回、1時間程度の散歩が必要です。和犬と一緒にアウトドアやスポーツを楽しみたい人にはピッタリな犬種といえるでしょう。
四国犬(しこくいぬ)|番犬として輝く性格!
- 値段の相場:17~24万円
- 体重:16〜28kg
四国犬は、精悍さを感じさせる知的な顔つきが印象的な和犬です。人間とパートナーを組み山中で狩りをしてきた歴史を持ち、飼主の顔色や心理を伺う洞察力に優れています。
四国犬は、闘犬として有名な土佐犬のルーツになるほど闘争心に優れた犬種です。しかしたった1人の主人には、深い忠誠を捧げます。運動能力・知性・闘争心ともに高いため、子犬時代からのしつけがとくに重要な犬種です。
北海道犬(ほっかいどういぬ)|勇敢で強くたくましい!
- 値段の相場:20~30万円
- 体重: 20kg前後
北海道犬は、極寒に耐え得る豊かな被毛と、無邪気な表情が特徴の和犬です。顔つきからは愛らしさを感じさせますが、性格は勇敢で忠実であり、豊富な筋肉量で運動能力も抜群。それでいて家族には愛情深く、多面的な魅力を秘めた犬種といえます。
北海道犬は他の犬種と比べ、嗅覚や聴力がとくに優れているといわれています。周囲の状況を敏感に読み取る力を持っており、勇敢さも相まって番犬としても優秀です。
可愛いだけじゃない!忠誠心も高いのが和犬の魅力
今回は、和犬の意味や定義、6種類の和犬の魅力などを紹介しました。
和犬は、洋犬にはない独特な精悍さ、知的さ、穏やかさを持っています。誰にでもニコニコと愛想が良い個体は少ないですが、その代わりに飼主に忠実で、知性と勇敢さをもって家族を守ってくれます。
普段の姿が飄飄としているからこそ、家族に見せるギャップのある姿がさらに愛おしく感じられるのです。ぜひこの機会に、和犬の底知れぬ魅力にふれてください!