- 猫のカラーはバリエーション豊か!
- 同じ描種でもカラーによって印象や市場価値が異なることも
- 模様や柄による性格の傾向よりも、個体ごとの性質を重視しよう
猫は、1匹ずつ性格や見た目が違いますよね。なかでも被毛のカラーや模様は、猫の外面的な個性を判断する要素の一つです。猫の柄にはそれぞれ名称があり、特徴によってバリエーションに富んだ名前がつけられているんですよ。
今回は、猫の柄・模様の種類について紹介します!カラーによっては、特定の描種にしか存在していないものも。奥が深い猫の柄・模様の世界を知り、もっと猫の魅力にふれてください!
猫の柄・模様にはどんな種類がある?
それではさっそく、猫の柄や模様の特徴を紹介します!
猫の基本的な柄として該当するのはおもに「ソリッド」「バイカラー」「タビー」の3種類。さらに細分化される形で、非常に多くのカラーバリエーションが存在しています。
ソリッド
猫の柄におけるソリッドとは、ほかのカラーが入っていない「完全な1色のみ」を指します。
縞(しま)・斑点・グラデーションなどもなく、無地の柄であることが特徴です。柄による個体差はありませんが、血統によっては描種の特徴を足らしめる要素といえるでしょう。
ホワイト(白猫)
ソリッドのホワイトは、いわゆる「白猫」と呼ばれるカラーです。自然界でホワイトは目立つため、雪の降る寒い地域をルーツに持つ猫や、人の手によって飼育されることを前提としてブリーディングされた猫に多い傾向にあります。
ブラック(黒猫)
ソリッドのブラックは、日本では「黒猫」と呼ばれます。混じり気のない真っ黒な猫は、ミステリアスかつクールなイメージ。暗闇に紛れ込みやすいため、野生をルーツに持つ猫にも多く存在しています。国によっては、不吉な存在として避けられてしまうことも。
グレー
ソリッドのグレーは、純血統の描種ではロシアンブルー・コラット・シャルトリューなどが該当します。灰色の猫は「ブルーキャット」とも呼ばれることから、上記3種は「ブルー御三家」とも称されており、艶やかな灰色の被毛が特徴的です。
タビー
「タビー(Tabby)」とは、英語で「縦模様」という意味です。つまり「タビーと名のつく柄は、すべてシマシマ模様が入っている」という認識で構いません。タビー柄は、日本では「~トラ柄」と呼ばれる場合が多いようです。
ブラウンタビー(キジトラ)
ブラウンタビーは、ブラウンベースにブラックの縦模様が入ったカラーです。日本では「キジトラ」と呼ばれ、活発でやんちゃな印象を与えます。猫の原型になった色ともいわれており、猫全体のなかでも個体数が多いことも特徴です。
シルバータビー(サバトラ)
シルバータビーは、明るめのグレーにブラックの縞模様が入ったカラーです。魚のサバに似ていることから、日本では「サバトラ」と呼ばれます。アメリカンショートヘアの代表的なカラーでもあります。(アメリカンショートヘアに多い特徴的な柄は「クラシックタビー」と呼ばれることもあります。)
レッドタビー(茶トラ)
レッドタビーは日本で「茶トラ」と呼ばれ、薄いオレンジにレッドの縦模様が入ったカラーです。オレンジの濃さで印象が異なりやすいカラーであり、薄ければ幼く可愛らしいイメージを、濃ければ野生的で勇敢なイメージを与えます。
スポッテッドタビー(ヒョウ柄)
スポッテッドタビーは、斑点模様(ぶち柄)の入ったカラーです。いわゆる「ヒョウ柄」と呼ばれる柄であり、ベンガル・オシキャット・エジプシャンマウなどの被毛が代表的です。猫が肉食獣であることを思い出させるような、力強い印象を与えます。
バイカラー
バイカラーとは、おもにホワイト+ほかの色の2色で構成されたカラーを指します。ホワイトに組み合わさるカラー次第で、活発さや穏やかさなどさまざまな印象を与えてくれます。またカラー同士の境界線のカーブラインも、柄の個性を演出する要素です。
ブラック&ホワイト、ホワイト&ブラック(白×黒)
ブラック&ホワイトとホワイト&ブラックは、日本では「黒白」や「白黒」と呼ばれます。コントラストがハッキリしたカラーが特徴で、目の周りにブラックの被毛が映える傾向にあります。顔の周りに黒のポイントが入ると、まるでホクロのように見えて愛嬌たっぷり!
キャリコ(ミケ・三毛猫)
キャリコはバイカラーのなかでも特殊な柄で、ホワイト・ブラック・ブラウンの3色が混ざったカラーです。日本では「三毛猫」と呼ばれ、短毛・長毛ともに多くの描種で見られるカラーの一つです。短毛か長毛かで印象が異なりやすいカラーでもあります。
トーティシェル(サビ)
トーティシェルは、ブラックとレッドで構成されたモザイク模様のカラーです。まるで金属が錆びたような色であることから、日本では「サビ」と呼ばれます。野性味があふれるワイルドな印象を与えるカラーです。
ブラウンタビー&ホワイト(サバ白)
ブラウンタビー&ホワイトは、グレーにブラックの縦模様が入ったカラーです。日本では「サバ白」と呼ばれ、タビーの入り方次第ではクッキリとした2色に見えることも。足先やお腹周りがホワイトであることが特徴です。
レッドタビー&ホワイト(茶白)
レッドタビー&ホワイトは、オレンジ色に赤褐色の縦模様が入った茶トラに、ホワイトが入ったカラーです。ブラウンタビー&ホワイトと同様に、足先にもホワイトが入っています。尻尾の部分だけ縞が入っていたり、おでこに直線が入っていたりなど、個体ごとの個性も楽しめます。
特徴的な柄や模様
上記にあげたカラー以外にも、猫たちはそれぞれ特徴的な柄や模様を持っています。個性あふれる柄や模様は、まさに生まれ持ったギフト。成長とともに目立っていく柄もあるため、子猫と成猫とで見た目の違いを比べるのも楽しいですよ。
ソックス
ソックスは、名前の通り「靴下を履いているような柄」を指します。ソックスのカラーはおもにホワイトで、ボディカラーとのコントラストが魅力的です。国によっては、靴下を履いた猫が幸運の象徴として扱われる場合もあります。
ハチワレ
ハチワレは厳密にはバイカラーの一種で、おでこの部分で毛色が2色に分かれている柄を指します。まるで数字の「八」のような形をしていることから、ハチワレと呼ばれるようになりました。
ポインテッド
ポインテッドは、体の末端のみにカラーがついている柄です。顔・尻尾・手足・耳などが該当し、おもにホワイトベースの体に濃い色のポインテッドが入ります。
とくにシャム猫(サイアミーズ)は「クリーム色のボディに顔・足先・尻尾に濃いポイントカラー」と、独自のポインテッドを特徴とする猫です。
ホワイトスポット(ブチ)
ホワイトスポットは、ブラック&ホワイト、ホワイト&ブラックと同様に、白黒の2色で構成されたカラーです。手先や足先などに、スポットのようにランダムなブラックカラーが入っています。
オスの三毛猫は超希少!その理由は?
日本でも馴染み深い三毛猫ですが、実は三毛猫にはほとんどメスしか存在していません。その理由は、三毛猫の条件である「ブラック・ホワイト・ブラウン」を実現するための遺伝子にあります。
三毛猫カラーになるためには、メスの染色体である「〷」が必要です。そのため、もしオスの三毛猫が生まれた場合は、染色体異常ということになります。
オスの三毛猫は数万匹に1匹程度しか生まれないため、幸運の象徴として扱われるケースもあるほどです。
猫は模様や色によって性格が変わるって本当?
猫は「模様や色によって性格が違う」といわれることがあります。しかしこれらの説はあくまで傾向であり、論文や研究によって証明されたものではありません。
また被毛のカラーに限らず、住んでいる環境が変われば性格が変わることもあります。さらに去勢や避妊手術によって、性格が別人のようになるケースも珍しくありません。
大切なのは色で性格を決めつけることではなく、個体ごとの個性と向き合うことです。希望する性格傾向の猫がいる場合は、ブリーダーや店員さんと相談しながら決めていきましょう。
猫の柄や色は、年齢とともに変わっていくことも
猫の飼育で注意したいポイントとして、柄や色は年齢とともに変化していくことがあげられます。
ライターが飼育している猫も、子猫の頃は全身ブラックでした。しかし成長につれて尻尾や襟巻き部分がグレーになり、足の裏にだけ茶色い被毛が生えています。
また人間と同じように、猫も加齢とともに白い毛が増えていくこともあるでしょう。「子猫時代のカラーのまま成長するとは限らない」と認識することで、カラーの移り変わりも楽しめます。
猫のカラーバリエーションは、まさに無限大!
今回は、猫のカラーバリエーションについて紹介しました。
猫の被毛に、完全に同じ色や模様はありません。世界でたった一つの被毛は、神様が一匹ずつに与えてくれた素敵な個性なのです。
ぜひこの機会に、愛猫の被毛をあらためて観察してみましょう!被毛は日々少しずつ変わりゆくからこそ、今ならではの美しさを再発見できるでしょう。
以下の記事では人気の長毛種の猫を紹介しています!ぜひチェックしてみてください!
[blogcard url=”https://tier-family.co.jp/column/mame-294″]