- 愛犬の散歩嫌いは、不安や緊張が原因かも
- 散歩に連れ出せない状態が続くと、さまざまな健康リスクがある
- 散歩が楽しみになる工夫を取り入れて、愛犬の健康を守ろう

「愛犬が散歩嫌いで家から出たがらない……」「すぐに家に帰りたがるので、つい甘やかしてしまう……」そんな悩みを抱えている人は少なくありません。
今回は、愛犬が散歩を嫌がる理由や対処法を紹介します。愛犬のサインを見逃さずに、適切な対処法を通じて楽しい散歩の時間を過ごしましょう。
犬が散歩を嫌いになってしまう原因は?

ここでは、犬が散歩を嫌いになってしまう原因を紹介します。
原因がわからないまま無理に連れ出そうとすると、愛犬がますます散歩嫌いになってしまうだけではなく、トラウマが生まれてしまうこともあるでしょう。愛犬ごとに異なる原因を知り、適切な対処法につなげることが大切です。
暑い・寒いなどの環境的な原因
愛犬が散歩を嫌がる場合は、環境的な原因があげられます。たとえば温暖な地域をルーツに持つ小型犬のチワワは、ほかの犬種よりも寒さに弱く、冬の散歩に大きなストレスを感じる場合があります。
「暑い・寒いから外に出たくない」という想いは、人間と同様に犬も抱くものです。夏の散歩は、気温以上にアスファルトの熱さが負担になっているケースもあるでしょう。
体力の低下・ケガなど身体的な原因
体力の低下やケガなどの身体的な変化も、愛犬が散歩を嫌がる原因です。散歩は体力を使うからこそ、慢性的に疲労を感じている犬は外出を嫌がります。
体の痛みに関しても同様で「外に出るよりも家で休んでいたい」という気持ちが強い状態です。実際に、散歩を嫌がったことがきっかけで体の異変に気づくケースも少なくありません。
不安・恐怖など心理的な原因
過去に散歩で心理的なトラウマを抱いた犬も、散歩を嫌がるようになってしまいます。愛犬にとって散歩中のストレスの原因はさまざまです。
大きな音やケガなど飼主にもわかりやすい場合もあれば「草むらで突然バッタが飛び出てきてショックを受けた」のようなわかりにくい場合もあります。また人見知り・犬見知りや、もともと神経質な性格であることも、散歩を渋る理由として考えられるでしょう。
飼主との主従関係に関連する原因
愛犬と飼主との主従関係が不安定な場合も、散歩を嫌がられてしまうことがあります。主従関係が確立されていないと「今日は何となく気分が乗らない」程度の理由でもワガママな態度を取られてしまうでしょう。
犬が飼主を下に見ていると、自分のペースで生活するのが当たり前な状態に。その結果、散歩の有無やタイミングを決めることさえも犬が主導権を握ろうとしてしまいます。
運動だけじゃない!犬の散歩が必要な7つの理由

ここでは、愛犬に散歩が必要な理由を紹介します。
とくに小型犬を飼育している人は「室内だけで運動量は足りているし、無理に散歩に連れて行かなくても良いのでは?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
散歩には、運動量の確保以外にもさまざまな役割があります。散歩の必要性を知ったうえで、愛犬を家に連れ出す方法を考えてみましょう。
体力向上・肥満防止
散歩が必要である大きな理由として、体力向上や肥満防止があげられます。犬種や体格ごとに必要な運動量を確保することは、愛犬の長期的な健康維持につながります。
とはいえ健康維持の観点でいえば、小型犬・超小型犬の場合は室内で十分な運動量が確保できるケースも多いため、2日に1回程度でも問題ないといえるでしょう。
社会性の育成
社会性の育成も、散歩が必要な理由の一つです。散歩中は、家族以外の人間やほかの動物たちと出会う機会に恵まれます。また車の音や人混みなど、室外ならではの刺激にもふれられます。家とは異なる環境にふれることで、精神の安定に直結する社会性が育まれるのです。
病気やケガの早期発見
愛犬との散歩は、病気やケガなどの早期発見にもつながります。体に痛みや違和感を抱えていると、散歩へのモチベーションが下がるものです。歩き方が変だったりすぐに立ち止まったりなどにより、病院の受診のきっかけになるケースもあるでしょう。
ストレスの発散
犬にとって散歩は、ストレス発散の大きな手段です。人間もストレスが溜まると、外の空気を吸ったり散歩したりなどをしますよね。犬も同様に、新鮮な空気を浴びながら体を動かすことにより、精神的にリフレッシュできます。
災害時や避難時の予行練習
日常的な散歩は、災害時や避難時の予行練習としても役立ちます。災害が発生すると、愛犬と一緒に避難所で生活する場合もあるでしょう。家とは異なる環境で過ごすことに慣れていると、もしもの時でも愛犬のストレスが軽減されます。
飼主とのコミュニケーション
散歩は、飼主との重要なコミュニケーション手段でもあります。さまざまな環境や体験を飼主と共有することで、愛犬との絆は深まり、信頼関係が築かれていくでしょう。もちろん散歩中のおもちゃ遊びやおやつなども、コミュニケーションの形の一つです。
外的刺激による認知症の予防
散歩は質感・音・臭い・視界など、五感を刺激する要素が豊富です。日常的に外的刺激を受けることにより、認知症の予防に役立つと考えられています。とくに散歩コースを頻繁に変更する場合は、より豊かな刺激を与えられるでしょう。
今日から始める!散歩嫌いの愛犬への対処法

ここでは、散歩嫌いの愛犬への対処法を紹介します。
散歩は、愛犬の心身の健康を守る重要な習慣です。とはいえ無理に散歩に連れて行くと、愛犬のストレスになるばかりか、飼主との信頼関係に亀裂が生じてしまうことも。愛犬にとってのメリットを考えながら、無理のない方法で外に連れ出しましょう。
リードやハーネスを見直す
散歩嫌いの愛犬への対処法として、リードやハーネスを見直すことがあげられます。とくに何年も同じ商品を使っている場合、愛犬の体格が変化してつけ心地の悪さを感じていることも。劣化による違和感も加味したうえで新調を検討しましょう。
抱っこやカートを活用する
散歩に不安や恐怖を感じている愛犬には、抱っこやカートの活用をおすすめします。「自分は守られている」と安心感を得られれば、散歩への抵抗も緩和されていきます。愛犬にとって安心・安全な環境をつくることから始めてみましょう。
騒音が少ない時間帯に行く
愛犬の性格によっては、散歩中の騒音が大きなストレスになっている可能性もあります。早朝や退勤ラッシュ後など、比較的静かな時間帯を狙って散歩に行ってみましょう。車や自転車が通りにくいルートを選ぶことも大切です。
普段とルートを変えてみる
愛犬が散歩を嫌う理由としては、退屈やマンネリ化も考えられます。愛犬の知的好奇心を刺激するために、普段とルートを変えることもおすすめします。とくに落ち葉や土など、歩く際の質感に変化があると良い刺激になるでしょう。
体調不良やケガの可能性をケアする
愛犬が散歩を嫌がる際は無理に連れ出さず、体調不良やケガの可能性をケアすることが大切です。骨や関節、内蔵など、外からは見えない場所に痛みを感じている可能性があります。不安なときは自己判断せず、動物病院で診察を受けたうえで相談しましょう。
ほかの犬が通らない場所に行く
愛犬の性格によっては、いわゆる『犬見知り』をしていることも。ほかの犬に会いたくないことが理由で散歩を嫌がっている場合があります。近隣の犬の散歩ルートになっている場所を避けることで、安心感を確保できるでしょう。
散歩中の楽しみを用意する
犬が散歩を嫌がるときは、散歩中の楽しみを用意することをおすすめします。たとえば「横断歩道で待つときにおやつをあげる」「公園に着いたらお気に入りのおもちゃで遊ぶ」などがあげられます。ご褒美を活用して散歩へのモチベーションを高めていきましょう。
主従関係をあらためてしつける
犬は、自分が認めたリーダーに付き添うことに安心や喜びを抱きます。主従関係を見直すことで、散歩に行こうとする飼主に犬が素直に従ってくれる可能性が上がるでしょう。しつけ方に不安を感じている人は、ドッグトレーナーに依頼するのも一つの手段です。
散歩嫌いの愛犬には、無理せずマイペースに慣れてもらおう

今回は、愛犬が散歩を嫌がる理由や対処法を紹介しました。
犬との健全な生活のためには、日常的な散歩が必須です。犬種や性格、健康状態・心理状態などを加味しつつ、愛犬に寄り添った方法で楽しく散歩に連れ出しましょう。