- グッピーは30cmの小型水槽から飼育できる
- オスとメスがそろえば自然と繁殖する
- 温和な性格で、ほかの小型熱帯魚とも混泳できる

カラフルで優雅に泳ぐ姿が美しいグッピーは、初心者にも人気の熱帯魚です。「お店で見かけて気になっている」「どうやって飼えばいいの?」そんな疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
この記事ではグッピーの特徴から基本の飼い方、さらには繁殖の方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。少しでも興味がある人は是非読んでみてください。
グッピーとはどんな魚?特徴は?

グッピーは、その飼いやすさと美しさから古くからアクアリストに愛されている熱帯魚です。ここでは、まずグッピーの基本的な特徴について紹介します。
グッピーの大きさや寿命
グッピーはオスで約3~4cm、メスで4~6cmと比較的小型の魚です。寿命はおおよそ1年半から2年ですが、整った飼育環境であれば、より長生きすることもあります。30cm程度の小さな水槽でも飼えるため、初心者にも人気の熱帯魚です。
グッピーは卵胎生の魚
グッピーは卵を産むのではなく体内で卵を孵化させ、稚魚を直接産む『卵胎生』という繁殖スタイルを持つ魚です。環境が整っていると、気づいたら稚魚が泳いでいたということも少なくありません。繁殖を楽しみたい人にもぴったりな種類といえるでしょう。
外国産と国産の違い
グッピーには『外国産』と『国産』の2つのタイプが流通しています。外国産は比較的安価で入手しやすい反面、環境に慣れるまで病気にかかりやすい傾向があります。一方で国産は丈夫で、色彩も鮮やかな個体が多いです。
水槽にたくさん泳がせたい場合は外国産、気に入った品種をじっくりと飼育したい場合は国産がおすすめです。
グッピーの代表的な品種5選

グッピーにはさまざまな品種があります。ここでは特に人気のある代表的な品種を5つ紹介します。色やヒレの形が異なるため、見ているだけで飽きることがありません。
透き通る青い尾びれと体色が特徴│ブルーグラス
全体的に青く透き通るような体色と、扇形に広がる尾びれのグラデーションが特徴の品種です。特に尾びれには細かい網目状の模様が入り、ライトを当てるとキラキラと美しく輝きます。清涼感のある見た目で、水草や白い底砂との相性も良く、爽やかな水景を演出したい人におすすめです。
赤と白のくっきりした尾びれ模様が魅力│レッドグラス
赤と白の鮮やかなコントラストが特徴の品種で、尾びれには繊細な網目模様が見られます。ブルーグラスとヒレの形状や模様はよく似ていますが、赤系の色彩がより強調されています。色がはっきりしているため、水槽内でもよく目立ち、ひときわ目を引く存在として観賞性が高いグッピーです。
尾びれと身体のコントラストが美しい│ドイツイエロータキシード
体の後半に黒いタキシード柄が入り、尾びれは淡い黄色から白に近い色合いになる、上品な見た目のグッピーです。体の前半は白や薄い金色をしており、タキシード模様とのコントラストがよく映えます。尾びれに模様はほとんどなく、無地のすっきりとした印象が特徴です。
モザイク模様が入る人気品種│モザイクタキシード
尾びれに大小さまざまなモザイク模様が広がる品種で、赤・オレンジ・黒などの色が不規則に組み合わさっています。体は黒色を帯びており、これがタキシードと呼ばれる所以です。尾びれの模様が細かく、多彩な色彩があるため、同じ品種でも個体ごとに違った魅力が楽しめます。
網目状の模様が特徴│キングコブラ
名前の通り、キングコブラを連想させるような複雑な柄が入り、インパクトのある見た目の品種です。黒・青・黄色などの色合いで構成され、模様は個体ごとに異なります。オスの尾びれも大きく広がり、模様と相まって力強さを感じさせます。
グッピーの基本の飼い方

グッピーの飼育は難しくありませんが、健康に育てるためにいくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、飼育に必要な器具や水温、餌の与え方など、基本的な飼育方法を紹介します。
飼育に必要なもの
グッピーの飼育では、大掛かりな設備はいりませんが、基本的な設備が欠かせません。ここでは、まずはそろえておきたい飼育用品について解説します。
最初は30cm水槽でもOK│水槽
グッピーは小型魚なので、30cmクラスの水槽から飼育を始められます。より大きな60cm水槽の方が水質は安定しやすく飼育しやすいです。ゆくゆく繁殖を楽しみたい場合も、大きな水槽の方が余裕があるのでおすすめです。
適水温を保つ必須アイテム│ヒーター
グッピーは熱帯魚のため、冬場でも水温を保つためにヒーターは必須です。サーモスタットに接続し、25℃前後に設定できるタイプを選びましょう。急激な温度変化は体調を崩す原因になるため、水温管理はとても重要です。
水をきれいに保つ│フィルター
水質を保つためのフィルターも必須です。小型の水槽であれば、外掛け式やスポンジフィルターがおすすめです。60cm以上の水槽では上部式が使いやすいでしょう。
スポンジフィルターは稚魚を吸い込みにくいため、繁殖を狙う人にも適しています。そのほかのフィルターでも、吸い込み口にスポンジをセットすると同様の効果が得られます。
バクテリアの定着に役立つ│底砂
底砂を敷くことで、見栄えが良くなるだけでなく、バクテリアの住処となり水質安定に役立ちます。pHに影響が少ない、大磯砂や田砂がおすすめです。2~3cmの厚さに敷いてください。。
美しさを引き立てる演出に│照明
照明は観賞性を高めるだけでなく、水草育成にも必要です。照明の光に当たると、グッピーの体色がより華やかに見えます。タイマーを使用すると、毎日決まった時間に点灯・消灯できて管理が楽になります。
美しい水景に仕上げる│水草・レイアウト素材
水草や流木、石などを入れて自然なレイアウトで飼育するのがおすすめです。水草は稚魚の隠れ家になりますし、水質を維持するのにも役立ちます。グッピーが好む中性付近のpHでも育てやすいバリスネリア・マツモ・アナカリスなどが育てやすいでしょう。
水温は25℃前後に調整しよう
グッピーにとって快適な水温は24~26℃です。特に冬場はヒーターで加温し、夏場はエアコンなどで温度上昇を防ぐなど、年間を通して水温を安定させる工夫が必要です。水温の乱高下は病気の原因となるので注意しましょう。
グッピーの餌の与え方
グッピーの餌は、人工飼料を1日1~2回、2~3分で食べ切れる量を与えましょう。与えすぎは水を汚す原因になります。たまに冷凍赤虫や冷凍ブラインシュリンプなどの嗜好性の高い餌を与えることで、健康維持や発色向上につながります。
毎週水換えをして水質を維持しよう
水質の悪化は病気や体調不良の原因になります。週に1回、全体の1/3~1/4程度の水換えを行いましょう。フィルターの清掃も月に1回程度行うことで、ろ過能力を保つことができます。
ほかの魚と混泳できる?
グッピーは温和な性格なので、他の小型の魚と混泳可能です。ただし、ヒラヒラしたヒレをかじる癖のある魚とは混泳しないようにしましょう。ネオンテトラ・コリドラス・オトシンクルスなどは相性がよくおすすめです。
グッピーの繁殖を楽しもう

グッピーは繁殖力が非常に強く、条件がそろえば自然と繁殖が始まります。ここでは、繁殖を楽しむための基本を紹介します。
オスとメスの見分け方
オスは体が小さく、ヒレが大きくてカラフルです。一方メスは体が大きめで、ヒレは短く色も地味で、腹部にある黒い斑点が特徴です。相性の問題もあるので、繁殖を楽しむ場合オスより多めにメスを購入すると、ペアができやすいでしょう。
グッピーの繁殖方法
グッピーはオスとメスを一緒に飼育していれば自然と始まることが多いです。オスがメスを誘い、交尾が成功すればお腹に卵を抱えます。その後3~4週間で稚魚を出産します。
稚魚は親魚に食べられてしまうことがあるため、産卵箱や隔離ケースを使用するのが効果的です。使用しない場合、水草を植えて、稚魚の隠れ家を確保します。稚魚は生まれてすぐに泳ぎ出すため、稚魚用フードを細かく与え、水換えの際は十分注意して吸い出しましょう。
繁殖させすぎに注意しよう
グッピーは環境がよいと、放っておいてもどんどん増えていきます。数が増えすぎると水槽が過密になり、水質悪化やストレスの原因になります。定期的に個体数をチェックし、水槽を増やす・知人に譲る・ショップに引き取ってもらうなどして適正な数を保ちましょう。
繁殖をさせない場合、オスだけで飼育するなどの対策が必要です。いずれにしても、計画的に飼育することが大切です。
グッピーを飼育して、さらに魅力に迫ろう

グッピーは初心者でも手軽に飼育を始められ、美しい見た目と繁殖の楽しさが両立した魅力的な熱帯魚です。水質と水温をしっかり管理すれば、それほど難しくなく元気に育てることができます。品種ごとの違いを観察することで、日々の飼育がさらに楽しくなるでしょう。
お気に入りの品種を見つけて、自分だけのグッピー水槽を作ってみてはいかがでしょうか?きっと暮らしに彩りと癒しをもたらしてくれることでしょう。