ピンクのバッタと出会えたらラッキー!バッタの生態や種類、飼い方を紹介

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まとめ
  • バッタは英語で『gresshopper(グラスホッパー)』
  • バッタは、成虫になる前に蛹の時期がない不完全変態の昆虫
  • ピンクのバッタは、突然変異で色素が変化した個体
  • バッタは身近な昆虫であるため、初めての飼育体験におすすめ!

草むらからピョンと飛び出すバッタ。子供のころに捕まえて遊んだ人も多いのではないでしょうか。誰もが知っている身近な昆虫ですが、バッタについて詳しく知っている人は、意外と少ないものです。

今回は、そんなバッタの暮らしや種類、飼い方について紹介します。バッタの世界を知ることで、草むらでの出会いがより楽しみになるように、学びを深めてみましょう。

目次

バッタってどんな昆虫?

バッタは、バッタ目バッタ亜目に分類される昆虫の総称です。古くは直翅目(ちょくしもく)と呼ばれていました。漢字では『飛蝗』と書き、飛ぶ蝗(いなご)という意味を持っています。

英語では『gresshopper(グラスホッパー)』と呼ばれ、草を飛び跳ねるものという意味が込められています。

バッタの最大の特徴は、大きな後ろ脚で力強く跳ぶ能力です。後ろ脚の筋力を使って、体の10倍以上の距離を飛び越えることもあります。バッタは世界各国に広く分布しており、日本にもたくさんの種類が生息しています。

バッタは草むらや田んぼ、道端などの身近な場所で出会える昆虫です。バッタの多くは、周囲の環境に溶け込めるように、保護色の緑や茶色・灰色の体色を持ち、捕食者から身を隠して暮らしています。

バッタは不完全変態!バッタの一生は?

昆虫が脱皮をしながら体の作りを変えることを『変態』といいます。バッタは、セミやカマキリのように、成虫になる前に蛹の時期がない『不完全変態の昆虫』です。

バッタは卵から幼虫(若虫)、成虫へと育ち、幼虫のときも成虫のときも基本的な体の構造は変わりません。脱皮を繰り返しながら、徐々に大きく成長していくのです。

バッタの仲間の多くは、夏から秋にかけて活動が活発になり、私たちの目にふれやすくなります。秋が深まると、バッタは土の中へ卵を生み落とし、卵を産み終えたバッタは、その役目を終えて死んでしまいます。

その卵は土の中で冬を越し、夏を迎える準備ができた6月頃に、卵から幼虫が生まれ出てくるのです。

日本でも見られるバッタの種類を紹介

世界各国に生息するバッタですが、日本にも多種類のバッタが生息しています。ここでは、身近なところで見かけることの多い、代表的なバッタの種類を紹介します。

トノサマバッタ

バッタ科に属するトノサマバッタは、大きく長い翅を持ち、跳ぶ力が非常に強いバッタです。体長は、約3〜6cm。バッタの中でも比較的大きな種類です。

広い草原のようなところを好み、多くの仲間が周りにいる状態で育った個体を『群生相』、仲間が周りにいない状態で育った個体を『孤独相』と呼びます。

同じトノサマバッタであっても、育った環境により色や体の大きさが異なることもあり、まるで別の種類のバッタに見えることもあるほど個体差が見られます。

ショウリョウバッタ

バッタ科のショウリョウバッタは、日本で見られるバッタの中で最大サイズの種類です。メスのショウリョウバッタの体長は約10cmにもなり、幼児の手のひらからはみ出してしまうほどの大きなサイズです。

ショウリョウバッタは、特徴的な三角形の顔を持っています。

クルマバッタ

バッタ科のクルマバッタは、飛んでいるときに見える後翅(あとばね)に黒い半月状の模様があり、車輪のように見えることからクルマバッタと名付けられました。

トノサマバッタよりもやや小型で、体長は約4〜6cm。背中に丸みがあるところも特徴です。

オンブバッタ

オンブバッタ科のオンブバッタは、オスの体長が約2cmなのに対し、メスの体長は約4cm。メスのほうがはるかに大きいのです。その名の通り、メスがオスをおんぶしているように見えることから名付けられました。

ショウリョウバッタに似ていますが、オンブバッタのほうが全体的に体格が良いため、よく見ると見分けることができます。

ピンクのバッタ(珍しい個体)

ピンク色のバッタを見つけたら、それはラッキーな出来事です。SNSでも話題になったピンクのバッタは、特定の種類ではありません。突然変異で色素が変化した個体なのです。

なぜ色素がピンク色に変化するのかは、科学的に解明されていません。脱皮をすると、ピンク色から別の色に変わってしまうこともあるため、より特別な出会いになりそうです。

バッタを飼ってみよう!

バッタは身近な昆虫であるため、初めての飼育体験にもおすすめです。基本的な飼育方法を学び、バッタに快適な環境をつくって観察してみましょう。

バッタの飼育に必要なもの

バッタを飼育するためには、まずはバッタの優れた跳躍力でも脱走できない飼育ケースが必要です。まずは、ふた付きの虫かご・餌・餌になる植物を挿しておく瓶・霧吹きなどを用意しましょう。

バッタが産卵するところまで観察したい場合は、土の用意も必要です。バッタにとって快適な環境を作り、バッタの生態をゆっくり観察してみましょう。

バッタの好む食べ物はイネ科の植物?

バッタの食性は、種類によって異なります。イネ科の植物を好むバッタと、好まないバッタに分かれているのです。

トノサマバッタ・ショウリョウバッタ・クルマバッタなどは、イネ科の植物を好みます。イネ科の中でも、エノコログサ・オヒシバ・ススキ・ササといった植物です。

一方、オンブバッタ・フキバッタなどは、イネ科の植物よりも、シュンギク・ヨモギ・オオバコなどの植物を好みます。捕まえたバッタの好みの餌がわからない場合は、バッタを捕まえた場所の周囲にある植物を与えてみましょう。

日光浴とフン掃除に気をつけよう

バッタの健康を維持するために、毎日数時間は風通しの良いところでバッタに日光浴をさせてあげることが大切です。

ただし、飼育ケースの中の温度が上がり過ぎてしまうため、直射日光に当たりすぎるのは避けましょう。飼育ケースの中が乾燥している場合は、霧吹きで水分不足を補います。

さらに気をつけたいのは、フンの掃除です。フンだらけになった飼育ケースは、カビが生える原因となり、やがてバッタの病気につながることもあります。そのため、こまめにフンそうじをすることが、バッタを長く健康に飼育するための秘訣なのです。

バッタが大量発生すると人にとっては脅威になることも

バッタは通常、個々に生活していますが、特定の条件がそろうと大量発生することがあります。特に有名なのは、トノサマバッタやサバクトビバッタです。

これらのバッタが大量に発生すると、群れをつくって農作物を食い荒らしてしまいます。農家にとっては大変な脅威となり、厄介者になることもある昆虫です。人間にとってバッタは身近な存在でありながら、時として自然の脅威ともいえる存在なのです。

自然にふれながら種類豊富なバッタを観察してみよう

バッタは身近にいる昆虫であるため、子どもの初めての飼育体験にもおすすめです。草むらを歩きながらバッタを探す経験は、自然の中で昆虫がどのように暮らしているのかを学ぶ絶好の機会となります。

バッタの種類を覚え、その特徴を観察し、さらに飼育することでバッタとの関係性がより深まっていくでしょう。いつの日かどこかの草むらで、ピンクのバッタとの特別な出会いがあるかもしれませんよ。

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うき

うき

水族館と動物園大好きライター。幼少期は犬・ニワトリ・牛と、自然豊かなところでのびのびと暮らしていました。
動物たちともっと心を通わせたい。動物の不思議な生態や学びが深まるコラムをお届けします。

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