ゾウの足の裏は『第二の耳』だった!? 音もなく巨体が歩ける秘密とは

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まとめ
  • ゾウの足の裏は、衝撃吸収パッド・防音材・『第二の耳』として多機能な構造を持つ
  • つま先立ちで歩き、泳ぎや6tの巨体の支えるなど、水陸両用の進化を遂げている
  • 足裏は子育てや仲間との合図にも使われ、静けさと振動感知は外敵から身を守る役割も

アフリカやアジアの草原を歩くゾウ。その巨体からは想像できないほど、彼らの歩みは静かで優雅なイメージがあると思います。

しかし体重6t以上にもなるゾウが、なぜあんなにも静かに歩けるのでしょうか?
その秘密は、ゾウの『足の裏の構造』にあります。実は、ゾウの足の裏には人間のスニーカーのような『衝撃吸収パッド』が存在し、地面からの振動を感じ取りつつ、音を消す働きをしているのです。

本記事では、意外に知らないゾウの足の裏の仕組みや歩き方、群れでの移動方法までまるっと解説します。

目次

ゾウの足の裏の驚きの構造とは?

ゾウの体重は大きい個体だと6tにも達します。

その重さを細い足で支えるのは不可能に思えますが、足の裏全体に重さを分散させる構造によって、芝生や土の上でも沈み込まずに安定して立つことができます。

さらに、彼らが草原や森を歩くとき、驚くほど足音がしません。その秘密も、実は足の裏の特殊な構造に隠されているんです!

スニーカーのような『衝撃吸収パッド』

ゾウの足の裏は、実は肉球のような柔らかい脂肪組織が層になっており、人間でいうスニーカーのクッションに似た仕組みを持っています。

足の裏にある、柔らかいクッションで体重の衝撃を効率よく分散させるのです。これにより、アスファルトの上を歩く人間が「ドスン」と音を立てるのとは対照的に、ゾウは6tの体を静かに運べます。

まるで高性能スニーカーを履いているかのように、足裏のパッドが衝撃を吸収し、快適に歩行できるのです!

足音がしないのはなぜ?音を吸収する秘密

巨体でありながら、ゾウが足音を立てずに歩けるのは、この脂肪パッドが『防音材』の役割も果たしているからです。

地面に接する面積が広いため、重さを一点に集中させず、ふんわりと体を支えることができます。そのため乾いた草原でも、湿ったジャングルでも、実はゾウの足音はほとんど聞こえないと言われています。

体の大きなゾウが静かに移動する能力は、仲間とのコミュニケーションだけではなく、外敵から身を守るうえでも大きな武器となっています。

足の裏は『第二の耳』!?地面の振動をキャッチするセンサー機能

さらに驚くべきは、ゾウの足の裏がただのクッションではなく『第二の耳』のような役割を果たしていることです。

足裏には振動を感知する特殊な受容器が存在し、遠くの仲間が地面を踏み鳴らす低周波の音や、危険を知らせる振動をキャッチできると言われています。

ゾウは大きな耳が特徴ですが、実は耳で音を聞くだけでなく、足の裏で地面を『聴いて』いるのです!これは、広大なサバンナで群れを維持するための重要なコミュニケーション手段であり、ゾウが『静けさの巨人』と呼ばれるゆえんとも言われています。

まだまだ私たちの目に見えていない、知らないことがたくさんありますね!

ゾウの歩き方と足の役割

ゾウの足の裏は、ただ支えるだけでなく歩き方そのものを特徴づけています。その歩行スタイルは私たちの想像以上にユニークなことを知っていますか?

4本足で『つま先立ち』している!?

実はゾウは、常につま先立ちの状態で歩いています。かかとは厚い脂肪パッドに隠れ、地面に直接触れていません。

そのため、足の骨格は弓のようにしなり、着地のたびに衝撃をやわらげることができます。

人間がつま先立ちを長時間すると足が痛くなりますが、ゾウの場合は逆にその構造が安定性と静音性を生み出しているのです。

実は泳ぎも得意?水陸両用の構造

ゾウの足の裏は、陸上だけでなく水中でも活躍します。

大きな足の裏は水かきを持たないものの、パドルのように水を押し出す役割を果たし、ゾウは驚くほどスムーズに泳ぐことができます。

実際、野生のゾウは川を渡ったり、長距離を泳いで島へ移動することもあります。水陸両用の足裏構造は、進化のなかで生き延びるために培われた大きな特徴といえるでしょう。

足の裏に見るゾウの進化と生態

ゾウの足の裏は、ただの器官ではなく、彼らの進化の過程や生き方をあらわしているといっても過言ではありません。

出産・子育て時にも活躍する足の裏

母ゾウは子どもを守る際、足の裏を使って器用に地面を踏みならし、危険を知らせたり、群れに合図を送ったりします。

子ゾウもまた、母親の足音や振動を感じ取りながら安心して行動します。足の裏は単なる移動手段を超え、家族をつなぐコミュニケーションの媒体なのです。

『静けさ』は敵から身を守る知恵?

外敵の多いサバンナで、巨体を持つゾウが生き延びてきた理由の一つが『静けさ』です。

足音を消して移動することは、ライオンや人間などの天敵に気づかれにくくする効果があります。さらに足裏で振動を感知することで、敵の接近をいち早く察知できる。まさに、足の裏はゾウの『進化の知恵』そのものなのです。

ゾウに会いに行ける全国の動物園

実際にゾウの足の裏を観察できる場所は限られますが、日本国内でも身近にその魅力を感じられる動物園があります。

恩賜上野動物園【東京都】

日本で最も歴史ある動物園のひとつ。都会の真ん中でアジアゾウに会える貴重なスポットです。ゾウ舎では大きな足を間近に観察できるので、静かに歩く姿にも注目してみてください。

所在地東京都台東区上野公園9-83
アクセスJR上野駅「公園口」より徒歩5分
料金個人 一般600円~
※団体料金、年間パスポートなどは公式サイトを確認してください
営業時間9:30~17:00
休園日月曜日(月曜日が国民の祝日や振替休日、都民の日の場合はその翌日が休園日)年末年始(12月29日~翌年1月1日)
駐車場台数【東園・正門まで】JR上野駅公園口(改札口)隣のタイムズ(無人)【西園・弁天門まで】京成上野駅駐車場(弁天門まで徒歩1分)

東山動植物園【愛知県】

国内でも最大級のゾウ舎を誇り、広い運動場でのびのび暮らすアジアゾウを観察できます。歩くたびに地面がわずかに震える感覚を体で感じられるかも!?

所在地愛知県名古屋市千種区東山元町3-70
アクセス名古屋駅から地下鉄東山線で「東山公園」駅より徒歩約3分
料金大人(高校生以上):500円
中学生以下:無料
営業時間9:00~16:50(最終入園16:30)
休園日毎週月曜日(祝日または振替休日の場合は直後の平日)
12月29日~1月1日
駐車台数普通車1,600台(東山動植物園駐車場)

福岡市動物園【福岡県】

2024年にリニューアルされたゾウ舎は、来園者がゾウを間近で見やすい構造になっています。ゾウが水浴びする様子や、静かに歩く姿を観察でき、足裏の秘密を実感できるはずです。

所在地福岡市中央区南公園1-1
アクセス福岡市営地下鉄七隈線「薬院大通(動植物園口)」駅より徒歩約15分
料金大人: 600円
高校生:300円
営業時間9:00~17:00(最終入園16:30)
休園日月曜日(祝日の時は翌日)、年末年始(12月29日~1月1日)※3月の最終月曜日は開園
駐車場台数約449台

ゾウの足の裏の不思議を知ることで、ゾウの見え方が変わる!

ゾウの足の裏は、スニーカーのように衝撃を吸収し、音を消し、地面の振動を感じ取り、重い体を支えています。さらに、仲間との静かな移動や、子どもを守るための『優しさ』までも備えた、まさに進化の結晶です。

そんな『すごい足』を持つゾウたちは、今も私たちの身近な動物園で暮らしています。

もし動物園でゾウに会う機会があれば、ぜひその大きな足元に注目してみてください。ゆっくりと、でも力強く歩くその一歩には、子ゾウが母親のあとを一生懸命に追いかける姿、耳をぱたぱたさせながら静かに歩く群れ、いろいろなゾウの生活が垣間見えます。

そんなゾウに会いに、次の週末は動物園へ足を運んでみませんか?

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miwa

miwa

生粋の猫派ライター。アメショの猫に飼われながら、他にもカメ・インコ・ウサギ・金魚と幼き頃から過ごしていました。また、水族館大好き。特にサメ類への関心が強く、実は、シロワニの生態研究者になることを夢見ていました。趣味のダイビングでは、海中での生物観察も楽しんでいます。実際のダイビング経験と水族館での観察、両方の視点から海の生き物たちの魅力を伝えていきたいです。

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