- 1984年10月25日は、日本に初めてコアラがやってきた日
- のんびり屋に見えるが、実はかなり攻撃的な一面もある
- ユーカリの木は、コアラにとって主食であり身を守る手段でもある

コアラは、愛らしい見た目と、独特な食生活が特徴の生き物です。そんなコアラに注目が集まるのが、10月25日の『コアラの日』!
今回は、コアラの日の意味やコアラの生態について紹介します。またコアラに会える動物園もピックアップしていきます。ぜひこの機会に、コアラの深い魅力にふれてみましょう。
10月25日は『コアラの日』!意味や由来は?

ここでは、10月25日の『コアラの日』の意味や由来について紹介します。
日本におけるコアラは、高い知名度とは裏腹に、詳しく学ぶ機会が少ない動物でもあります。10月25日は、日本人にとって縁遠いコアラを身近に感じられる日でもあるのです。
日本に初めてコアラがやって来た記念の日!
コアラの日は、公益社団法人『日本動物園水族館協会生物多様性委員会』により、1984年に制定されました。1984年10月25日は何の日かというと、日本に初めてコアラがやってきた日なんです!
コアラは、オーストラリアの固有種。日豪両国の親善の証としてオーストラリアから贈られたのが、日本におけるコアラの始まりです。

日本各地の動物園で、コアラの日イベントが実施
40年以上にも及ぶ日豪の『コアラ外交』が功を奏したこともあり、現在でも両国の関係性は良好なものとなっています。
コアラの日が近づくと、日本の各地の動物園でさまざまイベントが開催されます。たとえば東山動植物園では、過去に飼育員によるアニマルトークや記念品の配布も実施されました。
ぜひ最寄りの動物園を調べ、コアラの日にちなんだイベントをチェックしてみてください!
コアラはどんな動物?ギャップのある性格にびっくり!

ここでは、コアラの生態的な特徴や性格について紹介します。
大きな鼻とつぶらな瞳が印象的なコアラは、さまざまなキャラクターやデザインとしても愛されていますよね。来たるコアラの日を待ちながら、コアラについてもっと詳しくなってみましょう!
のんびり屋に見えて、縄張り意識がとっても強い!
コアラは、一見すると穏やかでのんびり屋な性格に見えますよね。大人しそうなイメージの理由は、コアラの睡眠時間にあります。
コアラはなんと1日18~20時間も眠るため『いつも眠そうな動物』という印象を持たれやすいのです。しかし実際のコアラの性格は、意外にも攻撃性が高いのだとか。
コアラは単独で生活をする生き物であり、縄張り意識がとても強い傾向にあります。自分の縄張りにほかのコアラが入ってきたら、噛みつく・引っ掻く・蹴る!という激しい攻撃をおこないます。
のんびり眠る姿と、暴力的な姿、どちらもコアラの本質です。ギャップのある性格も含めて、コアラの大きな魅力といえるでしょう。
主食は圧倒的に『ユーカリ』!コアラだけが消化できる植物
コアラの主食は『ユーカリ』の葉っぱ。ユーカリとは、フトモモ科ユーカリ属の樹木の総称を指します。ユーカリには強い毒性を持つ『青酸(!)』が含まれており、多くの動物は食べられません。
しかしコアラの体内には『青酸を分解できる微生物』が存在しているため、ユーカリを独占して食べることができるのです。コアラの長い睡眠時間は『青酸を分解するために必要な多くのエネルギーを温存するため』とも考えられています。
コアラはほかに何を食べるのかというと……実は、ユーカリ以外にはぼぼ何も食べません。そして多くの動物園において、ユーカリはオーストラリアから種を輸入して委託栽培し、確保しています。
コアラが木の上で生活する理由は?
コアラが生活する木も、主食であるユーカリの木です。ユーカリの木で生活する理由には、もちろん『いつでも食べ物にありつける』も関連しています。
しかし同時に、ユーカリの木は外敵から守ってくれる環境でもあるのです。ユーカリの葉っぱには『シネオール』という成分が含まれており、爽やかで清涼感のあるミントのような香りがします。
シネオールは人間にとっては好まれやすい香りですが、動物からは忌避されやすく、ユーカリの生えている場所からは自然と外敵が去っていきます。
コアラにとってユーカリは、食卓であり、寝床であり、防御手段でもある重要な植物なのです。
コアラの日に合わせて、コアラに会える動物園に出かけよう!

ここでは、コアラに会える日本各地の動物園を紹介します。
モグモグとユーカリを食べるコアラや、木の上でのんびりと眠っているコアラを見ていると、こちらまで幸せな気持ちになれるはず!ぜひ最寄りの動物園もチェックして、コアラのリアルな姿を見学しにいきましょう。
【東京都】多摩動物公園
多摩動物公園は、日本で初めてコアラを受け入れた動物園の一つです。
当時は各地でコアラブームが巻き起こりました。もちろん、今でもコアラは多摩動物公園の人気者!多摩動物公園は、コアラ人気の火付け役ともいえる施設なんですよ。毎日13時半頃からは、コアラの食事風景が観察できます。
| 住所 | 東京都日野市程久保7-1-1 |
| アクセス | 京王線・多摩モノレール「多摩動物公園駅」より徒歩約1分 |
| 営業時間 | 9:30~17:00 |
| 休館日 | 水曜日(水曜日が国民の祝日や振替休日、都民の日の場合は、その翌日が休園日) 12月29日~翌年1月1日 |
| 入場料金 | 大人:600円 中学生:200円 小学生以下:無料 65歳以上:300円 |
| 駐車場台数 | なし |
【神奈川県】横浜市立金沢動物園
横浜市立金沢動物園は、公式キャラクターにコアラを任命するほど、コアラとの縁が深い動物園です。
2025年からはコアラのキャラクターがデザインされた新グッズも展開中です。コアラ舎は、2025年にリニューアルされたばかり。ピカピカの住処で生き生きと暮らすコアラたちに会いに行きましょう。
| 住所 | 横浜市金沢区釜利谷東5-15-1 |
| アクセス | 京急線「金沢文庫駅」西口より、1番バス乗り場で約10分。バス停「夏山坂上駅」下車、動物園入口まで徒歩6分 |
| 営業時間 | 9:30~16:30 |
| 休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日休園) 12月29日~1月1日 5月・10月は無休臨時開園あり(要確認) |
| 入場料金 | 大学生以上:500円 中・高校生:300円 小・中学生:200円 小学生未満:無料 毎週土曜日は小・中・高校生無料(要学生証) |
| 駐車場台数 | 750台 |
【兵庫県】神戸市立王子動物園
神戸市立王子動物園は、コアラの仲良し親子を見学できる動物園です。
赤ちゃんコアラは2024年6月に生まれ、今年になってから投票によって名前が決定しました。コアラ舎の木々はやや細めで見渡しがよく、コアラが木の上でのんびりとお昼寝している姿をしっかりと確認できます。
| 住所 | 兵庫県神戸市灘区王子町3-1 |
| アクセス | 阪急「王子公園駅」より徒歩約3分 JR「灘駅」より徒歩約5分 |
| 営業時間 | 3~10月:9:00~17:00 11~2月:9:00~16:30 |
| 休館日 | 水曜日・年末年始 |
| 入場料金 | 高校生以上:600円 中学生以下:無料 |
| 駐車場台数 | 390台 |
【鹿児島県】鹿児島市平川動物公園
鹿児島市平川動物公園は、2025年6月現在、日本最多となる20頭のコアラ飼育数を誇る動物園です。
最大の特徴は、国内初の『ウォークスルー展示』!コアラが暮らすエリアを、まるでユーカリの森の中を散歩するような形式で見学できます。コアラたちに木の上から見下ろされながら歩けるという、特別な体験ができます。
| 住所 | 鹿児島県鹿児島市平川町5669-1 |
| アクセス | 「谷山IC」より車約15分 九州旅客鉄道指宿枕崎線「五位野駅」より徒歩約20分 |
| 営業時間 | 9:00~17:00 |
| 休館日 | 12月29日~1月1日 |
| 入場料金 | 高校生以上:500円 小・中学生:100円 |
| 駐車場台数 | 630台 |
実はストレスに敏感な性格。日本で『抱っこ』はできない

コアラといえば『抱っこして写真を撮影できる』というイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、コアラは実はストレスに敏感な生き物。人間との過剰なスキンシップは、コアラの心身の疲労につながります。
そのため少なくとも日本では、コアラにふれられるイベントはおこなわれていません。『コアラ=抱っこ』のイメージが根強いオーストラリアでも、昨今では厳しい規制が広まりつつあります。
コアラに触れないと思うと、少し寂しい気持ちになるかもしれません。しかし現在の規制は、動物愛護の認識が広がりつつある証拠でもあります。コアラと人間が適切な距離感を守ることでこそ、健全なかたちでの共生が実現するのです。
眠るのが大好きな人気者。コアラに会いに行こう!

今回は、10月25日に迫るコアラの日と、コアラに会える動物園を紹介しました!
40年以上も前に、遠く離れたオーストラリアからやってきたコアラは、今や動物園の人気者。ぜひコアラの日を機に、のんびり屋なコアラの姿を見学してみてください!




