モグラはペットにできる?不思議な生態と実際に会える動物園を紹介

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まとめ
  • モグラは地中に適応した体を持ち、独自の生態がある
  • 視力は弱いが、嗅覚や触覚が発達している
  • 害獣と見なされるが、土壌の健康にも貢献する

地中を自由に掘り進み、ほとんど姿を見せないモグラ。

「暗闇の中でどうやって生きているの?」「本当に目は見えない?」私たちが知らないモグラの秘密と、その賢い生き方に迫ります。

なかなかお目にかかれないレアな動物・モグラに出会える動物園も紹介するのでぜひチェックしてください!

目次

モグラの巣はトンネル?なぜ地中で暮らすのか

地中に暮らすモグラは、私たちの目にふれる機会が少ないため、その生態については意外と知られていません。

ずっと地中にいるイメージがあるモグラですが、実は種類によって地表で活動するものも。そんなモグラの不思議な生態や、最新の研究で発見された新種についても紹介します。

モグラってどんな生き物?

モグラは哺乳類モグラ科に属し、主に地中で生活する生き物です。世界にはさまざまな種類のモグラが存在し、日本にもアズマモグラやコウベモグラなどが生息しています。

地中生活に特化した体が特徴で、土を掘るのに適した強力な前足を持ち、短く丈夫な爪で素早くトンネルを掘ることが可能です。また、全身を覆う柔らかい毛は、前後どちらの方向にも動きやすい構造になっています。

2023年には、京都大学とベトナムの研究チームが、ベトナムで新種のモグラの仲間『ファンシーパンミミヒミズ』を発見。この発見により、さらなる新種や未知の種が見つかる可能性が高まり、注目されています。

地表で活動するモグラもいる?

モグラの多くは地中で生活していますが、実は地表で活動する種類も存在します。その代表がヒミズと呼ばれるモグラ科の動物です。モグラによく似た外見をしていて、日本固有種で本州や四国、九州に生息しています。

主に森林や湿地の地表や落ち葉の下で活動。地中にトンネルを掘ることもありますが、完全な地中生活ではなく、地表を移動しながらエサを探すのが特徴です。

モグラの驚くべき身体能力

モグラは地中で生活することで、天敵から身を守っています。天敵は、タカ・フクロウ・イタチなどです。また、エサを安定して確保するために複雑なトンネルを掘り、巣を作ります。ミミズや昆虫などのエサを貯蔵するための部屋や出産するための部屋もあります。

モグラが暮らす地中には光が届かないため、触覚・嗅覚・聴覚の機能が優れているのも特徴です。モグラの鼻には『アイマー器官』というものがあり、細かい振動や周囲の変化を敏感に察知します。

一部のモグラは泳ぐことを可能とし、湿地や水辺などさまざまな環境に適応しています。これらの優れた身体能力が、過酷な地中生活を支えているのです。

モグラは凶暴?縄張り意識が強く攻撃的なモグラ

モグラは単独行動を好み、縄張り争いでは激しく戦います。そんな攻撃的な一面を持つ一方で、子育てに励む子煩悩な姿も。知られざるモグラの生態を深掘りします。

攻撃的な一面も!ほかのモグラとの関係

モグラは縄張り意識が非常に強いため、基本的に単独で生活しています。同じトンネル内でほかのモグラと遭遇すると、激しい争いに発展することが多く、どちらかが逃げるか、死ぬまでケンカすることもあるといわれるほど。

しかし、繁殖期だけは例外。普段は攻撃的なモグラですが、繁殖期には子育てのため特別な行動をとります。オスはメスを探して行動範囲を広げるのです。繁殖後、メスは巣穴で子育てを行い、子どもが独り立ちするまで大切に育てます。

モグラは何を食べるの?

モグラは雑食性で、主にミミズや昆虫の幼虫を食べます。地中を掘り進みながら獲物を探し、嗅覚や触覚を頼りに素早く捕獲します。

モグラは常にエサを探して動き続けているため、エネルギーの消費量が高く、頻繁に食事を取らないと生きていけませんミミズの頭部をかみ砕いて動けなくし、エサとしてトンネル内に貯蔵することもあります。

モグラに関するよくある誤解

モグラに対して「目が見えない」「地中でしか暮らせない」などのイメージを持つ人も多いかもしれません。なかなか私たちの前に姿を現さないモグラについて、広く知られていないことがたくさんあります。

神秘のベールに包まれているモグラの実態に迫ってみましょう。

モグラは目が見えないって本当?

「モグラは目が見えない」とよく言われますが、完全に見えないわけではありません。地中で過ごすことが多いため目が退化しており、視力は弱いものの、光を感じ取ることは可能です。地表に出たときに昼夜の違いを認識したり、光の方向を察知したりできます。

モグラは地中でしか生きられない?

モグラは基本的に地中で生活しますが、地上に出てくることもあります。繁殖期の移動や、新たな縄張りを探す際に地表を歩くことがあり、若い個体が独り立ちするときにも見られます。

地上にも出てくるものの、天敵に狙われやすいため、長時間はいられないのです。

モグラって冬眠するの?

モグラは冬眠することなく、一年中活動し続けます。寒い季節でも地中にはミミズや昆虫がいるので、食料を確保できるからです。冬になると地表が凍るため、より深い場所にトンネルを掘り、寒さをしのぎながらエサを探して暮らしています

モグラはペットにできるの?

日本では、鳥獣保護管理法によって、モグラを許可なく捕獲・飼育・殺傷することが禁止されています。とくに天然記念物に指定されている種類もおり、違反すると罰則を受ける可能性も。そのため、モグラをペットとして飼うことは法律的にも難しいのが現状です。

またモグラは地中生活に特化した生き物であるため、一般的なペットのように飼うことは困難だといえます。地中にトンネルを掘り続ける習性がありますが、一般家庭でその環境を再現するのは難しく、狭いケージではすぐにストレスを感じてしまうでしょう。

モグラは、数時間ごとにエサを食べないと生きていけません。飼育下でモグラに適切な食事を供給し続けることは非常に難しいといえます。どうしてもモグラを観察したい場合は、モグラを展示する動物園に見に行くか、映像や資料で楽しむのがよいでしょう。

モグラに会える動物園

前述したとおりモグラは飼育が難しいため、展示している動物園が国内にはひとつしかありません。めったに出会うことのできないレアな動物であるモグラ。ぜひ機会があれば見に行ってみてくださいね。

多摩動物公園【東京都】

多摩動物公園内にある『モグラのいえ』では、コウベモグラに出会えます。また、非公開の施設でアズマモグラを飼育。2023年には、世界初となるアズマモグラの繁殖にも成功しています。

所在地東京都日野市程久保7-1-1
アクセス・京王線・多摩モノレール「多摩動物公園駅」より徒歩約1分・中央自動車道「国立府中IC」より約20分
料金・高校生以上:600円・中学生:200円(※小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料)・65歳以上:300円
営業時間9:30~17:00(入園は16:00まで)
休園日水曜日、年末年始(12月29日~翌年1月1日)
駐車台数園の駐車場なし。近隣に複数の民営有料駐車場あり。

モグラは害獣?それとも益獣?被害と適切な対策

モグラは庭や畑に穴を掘り、トンネルが地盤を崩す原因となることがあります。また、作物の根を持ち上げて枯らしてしまうため、農作物の被害も少なくありません。そのため害獣と見なされることが多い動物です。

しかし、一方でモグラは害虫を食べるため、土壌の健康を保つ益獣としての側面も持ちます。むやみに駆除するのではなく、環境に配慮した対策が重要です。忌避(きひ)剤や超音波装置を使って追い払う方法や、モグラの通り道にトラップを仕掛ける対策が効果的です。

地面を固める、防根シートを敷くなどの物理的な対策も有効だといえます。モグラの習性を理解し、被害を最小限に抑えながら共存する方法を考えましょう。

身近に潜むモグラ!不思議な生態を理解して適切に対処しよう

モグラは主に地中で生活する不思議な生き物ですが、日本では鳥獣保護法により捕獲や飼育が禁止されています。そのため、庭や畑で見かけてもペットにはできません。

モグラは驚異的な掘削力を持ち、1日に数十メートルものトンネルを掘ります。また、昆虫やミミズを主食とし、土壌の健康に貢献する側面もあります。

特殊な能力を知ることで、ただ害獣と見なすのではなく、適切に対処することが重要です。身近な自然との共存を考えながら、モグラにも環境にも優しい対策を実践しましょう。

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ゆかりーぬ

ゆかりーぬ

レオパとニシアフを飼っている爬虫類好きライター。実家ではチワワ2匹と生活していた。
動物や神社仏閣などニッチなジャンルの記事執筆から、インタビューや飲食店取材も行う。好奇心くすぐる記事をお届けします。

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