秋にかかりやすい犬の病気は?早期発見や症状の特徴&対策を紹介

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まとめ
  • 季節の変わり目は、人も犬も感染症に要注意
  • 運動不足や食欲不振など、夏バテの影響で患いやすくなる病気も多い
  • 違和感を抱いたら、動物病院での早期診断が大切

今年も暑い夏が過ぎ、ようやく涼しい季節がやってきました。秋は過ごしやすい時期ではありますが、愛犬にとって病気や疾患に気をつけたいタイミングでもあります。

今回は、秋にかかりやすい犬の病気を紹介します。秋だからこそ注意したいポイントを学び、愛犬の長期的な健康をサポートしていきましょう。

目次

夏の散歩減少の影響は?運動不足でかかりやすい病気

日差しの厳しい夏は、愛犬の運動量も減少傾向に。ここでは、夏の運動不足に起因する病気を紹介します。秋も大雨や台風によって、運動不足になりやすいシーズンですよね。日々の運動の大切さを学びつつ、愛犬の体をケアしていきましょう。

肥満に関する疾患

運動不足による肥満は、さまざまな病気の原因に。とくに糖尿病・肝臓病・心臓病などは、肥満によってリスクが上がる重篤な疾患としてあげられます。また脂肪により肺が圧迫されやすくなり、呼吸が苦しくなるリスクもあります。

体重が増えると体を動かすのが億劫になり、さらに体重が増えやすくなるという悪循環に。運動量は減ったのに与えるフードはそのまま」というケースは要注意。食事管理も取り入れながら、適切な体重をキープしましょう。

ストレスに関する疾患

運動不足の日々が続くと、愛犬のリフレッシュの機会が失われ、ストレスが溜まってしまいます。ストレスが溜まると周囲に攻撃的になったり、無駄吠えや粗相のような問題行動が増えたりなどの問題が生じます。

また皮膚炎・常同行動(意味のない同じ動作を繰り返すこと)・肥満症なども、ストレスが原因で生じる病気です。暑さが原因で散歩の運動量を確保しにくい時期は、室内のボール遊びを増やしたり、室内ドッグランを活用したりなどの方法で対策しましょう。

散歩不足の影響は関節にも!犬の骨関節系の病気

夏の散歩不足は、愛犬の骨や関節の衰えにもつながります。運動量が不足した結果、骨関節疾患(骨や関節に起こる疾患の総称)を患ってしまうリスクもあるものです。ここでは、運動量の低下により発症リスクが上がる『骨関節系の病気』を紹介します。

運動不足や体重増加でリスクが上がる【関節炎】

関節炎は、細菌感染や、なんらかの原因による関節の軟骨の変性などによって関節に炎症が生じる状態です。原因としては運動不足のほか、先天的な要因も関連しています。また過剰な運動や肥満・加齢・外傷によっても発症リスクが上がります。

症状が進行すると痛みによって歩行が困難になり、さらなる運動不足やストレスの原因に。

小型犬よりも大型犬のほうが体重による関節負担が大きく、発症しやすい傾向にあります。予防としては適度な運動はもちろん、フローリングにマットを敷いて滑りにくくするのもおすすめです。

体重が増えたり筋肉が落ちたりすると危険度UP!【膝蓋骨脱臼】

膝蓋骨脱臼(パテラ)も、骨関節系の疾患の一つ。膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置から外れてしまう状態を指します。症状としては痛みによる歩行困難や、さらなる関節の損傷などがあげられます。

とくにチワワ・トイプードル・ポメラニアン・ヨークシャーテリアなどに見られやすい疾患です。先天的な異常によって発症するケースも多く、健康的な体重管理や運動量の確保が効果的な予防法になります。

秋はマダニが活発に!マダニで感染する病気

1年間のなかでも秋はとくにマダニが活発になる季節です。ここでは、マダニを媒介して感染する病気について紹介します。散歩時はもちろん、洗濯物を取り込んだり、外出先から帰宅したりする際も要注意。害虫によるリスクを学び、対策につなげていきましょう。

愛犬がだるそうにしていたら気をつけたい【犬バベシア症】

マダニに関連する疾患として、犬バベシア症があげられます。赤血球が破壊される病気で、感染すると発熱・貧血・黄疸・疲労感などの症状が現れます。ただし無症状の場合も多く、発見が遅れるケースも珍しくありません。

原因はマダニによって媒介される『バベシア』という赤血球に寄生する寄生虫。日本では、特に西日本と沖縄での発生が中心です。身体検査や血液検査などによってバべシアの赤血球への寄生が確認できるため、予防のためには定期的な健康診断が求められます。

ただし状況によっては顕微鏡で検知できない場合もあるため、複数回の検査をすると安心です。

熱や食欲が落ちたら要チェック【ライム病】

ライム病は、マダニによって感染する人獣共通感染症です。『ボレリア属』の細菌が原因となり、発熱・神経症状・食欲不振などの症状が現れます。また関節が腫れたり、肢を引きずったりなどの仕草も特徴です。

人間も発症する病気ではあるものの、犬から人へ直接感染することはありません。ライム病の潜伏期間には差があり、数週間~数ヶ月後に現れるケースが多い傾向にあります。血液検査やPCR検査などで診断できるため、違和感を抱いたら早めの診察が望まれます。

乾燥しやすい季節…犬の皮膚関連の病気

秋は湿度が下がり、乾燥しやすい季節でもあります。空気が乾燥すると皮膚のバリア機能が弱まるのは、犬も人間と同様です。ここでは、乾燥する秋に患いやすい皮膚関連の病気を紹介します。ブラッシングやスキンシップなどを通して、防止と早期発見に努めましょう。

地肌がベタついたりフケが増える【マラセチア性皮膚炎】

空気が乾燥すると、皮膚の水分が空気中に奪われやすくなります。乾燥した皮膚を体が補おうとした結果、皮膚表面から皮脂を分泌。この皮脂を餌にする『マラセチア』という酵母が、過剰に増殖することにより発症するのがマラセチア性皮膚炎です。

症状としては、肌のべたつき・フケ・赤みなどが代表的。慢性化すると、皮膚の硬化や色素沈着などに発展します。適切なスキンケア・ブラッシング・栄養バランスの整った食事などで予防が可能です。

かゆがる仕草に気づいたら要注意【アトピー性皮膚炎】

アトピー性皮膚炎は、慢性的な痒みをともなう皮膚疾患です。空気の乾燥による皮膚バリアの低下・遺伝的要因・アレルゲンなどによって発症します。とくに柴犬・シーズー・フレンチブルドッグなどは、アトピー性皮膚炎の発症リスクが高いといわれています。

症状が出る場所は、耳・顔・足先・お腹などが代表的です。適切な保湿や定期的なシャンプーなどで、皮膚の清潔と保湿を守ることが予防につながります。また衛生管理は、症状の悪化を防ぐためにも重要です。

空気が乾燥すると増える【咳・くしゃみ】

空気が乾燥すると、空気中に埃やハウスダスト、ウイルスが舞いやすくなります。また乾燥した状態が続くと、犬も人間と同様に呼吸器粘膜の免疫機能が低下しやすい傾向に。

その結果、咳やくしゃみなどの症状が出る感染症にかかりやすくなります。対策としては、湿度管理や健康的な生活習慣の徹底などがあげられます。

夏バテが続く時期。体力低下でかかりやすい病気

夏バテによって、根本的なスタミナが低下してしまった子も多いのではないでしょうか。ここでは、体力低下によってかかりやすい病気を紹介します。とくに運動量が減った子や、食欲が低下気味の子は要チェックです。

犬の夏風邪【ケンネルコフ症候群】

夏バテによって体力が低下すると、ケンネルコフ症候群の発症リスクが上がります。ケンネルコフ症候群は『犬の夏風邪』と呼ばれ、発熱・くしゃみ・乾いた咳・食欲減退などの症状が現れます。

とくに子犬や老犬など、免疫が低い犬の発症リスクが高い病気です。快方のためには早期治療が重要であるため、咳やくしゃみなどの症状が出たらなるべく早く診察を受けましょう。感染を防ぐために、遊ばせる場所は衛生面の行き届いた環境であることも大切です。

命に関わることも!【ジステンパーウイルス感染症】

ジステンパーウイルス感染症は、発熱・咳・結膜炎・下痢・嘔吐などが見られる感染症です。重症化すると神経症状をきたし、命を落としてしまうケースも少なくありません。感染の原因は、ウイルスに感染した動物の分泌物や飛沫によるものです。

ジステンパーウイルス感染症は、混合ワクチンで防げる病気です。6種・7種・8種・10種とすべての混合ワクチンで、ジステンパーも対象となっています。免疫力の低い犬が感染しやすいため、夏バテ気味な愛犬もとくに注意しましょう。

季節の変わり目は、犬も人間も健康管理が大切

今回は、犬が秋に患いやすい病気を紹介しました。秋は、熱中症のリスクは減るものの、乾燥やマダニなど特有のリスクは増加する季節です。愛犬の小さなサインも見逃さないように、日々のスキンシップを大切にしてください。

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あらゆるジャンルを縦横無尽に駆け巡る雑食系ライター。元ペットショップ販売員として表彰経験あり。SEOを中心に、執筆記事は2,000本以上。アニマル・メンタルヘルス・ウェルビーイングなどを中心に、毎日の充実度がちょっぴり高まる記事を発信中。

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