地面の下には何がいる?モグラだけじゃない!土の中に住む生き物たち

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まとめ
  • 地中に潜む生き物たちにとって、穴掘りは効率的な生存戦略!
  • モグラ以外にも、土の中で暮らす哺乳類は多い
  • 穴を通して、生き物たちの知恵や工夫を感じ取ってみよう

今回は、地面の下で暮らしている生き物たちを紹介します。人間の目が届かない、深くて暗い地面の中。そこではさまざまな生き物たちが知恵と工夫を凝らし、独自の生態系を築いてるのです。

目次

【哺乳類】地面の下で暮らしている生き物

まずは、地面の下で暮らしている哺乳類たちを紹介します!動物園でよく見かけるような動物たちも、野生では地面の下で暮らしていることも少なくありません。代表的な生き物から意外な生き物まで、幅広くピックアップしていきます。

モグラ|地上の弱者から地中の強者に!

地面の下で生活する動物といえば、まず思い浮かぶのがモグラ!実はモグラの先祖は、地上で暮らしていたといわれています。餌の取り合いが激しくなった結果、戦闘能力が高くないモグラは少しずつ地下に追いやられてしまったのです。

最初は『逃げ』の地中生活。しかし今では、地下の動物を代表するほどの捕食者になりました。モグラは地中のミミズや幼虫などを主食とし、キツネのような天敵からも身を隠しています。臭いとヒゲの感覚で獲物を探しており、目は明るさを感じる程度の機能のみが残っています。

アナウサギ|巣穴の仲間とのコミュニケーションもバッチリ

ウサギのなかでも『アナウサギ』は、名前の通り地面に掘った穴の中で生活している種類です。巣穴は非常に複雑な作りをしており、危険を感じたときには即座に逃げ込み天敵から身を守ります。

またアナウサギは集団生活をする生き物地上で危険を感じたときは、地面を叩いて音を出し、地下の仲間たちに知らせるのです。出産時も穴を掘り、トンネルのような巣の中に草や自分の毛を敷き、床材替わりにする習性を持ちます。

ミーアキャット|皮膚の健康も守る大事な巣穴

ミーアキャットは、アフリカ南部やアンゴラなど、石や岩の多い荒地や砂漠に生息しています。もともと隠れ場所となる障害物が少ない地域であるため、地面の巣穴は天敵から身を守る&体を休めるための生命線ともいえるでしょう。

土堀りはミーアキャットにとって日常的な行動。体に付着した土は、皮膚や毛並みの健康を守るためにも役立ちます。狩りは地上でおこない、捕獲した餌を巣の中の仲間に分け与えることも。巣穴ではペアもしくは家族が複数集まり、共同で生活しています。

プレーリードッグ|広大な地下帝国で集団生活をおくる

プレーリードッグは、地下に広い巣穴をほって集団で生活しています。巣穴は多くの通路や部屋で入り組んでおり、子ども部屋や寝室・トイレの場所などもあらかじめ決められているんです。

今までに見つかったプレーリードッグの巣穴のなかでも、最大規模のものは6万5,000㎢にも及ぶのだとか。その大きさは、東京ドームにして約139万個分!もはや広すぎてピンと来ないレベルですよね。その広大な巣穴には、約4億匹ものプレーリードッグが生息していたとのことです。

ハタネズミ|農業の天敵?!日本固有種のネズミ

ハタネズミとは、日本の固有種である『ハタネズミ類』の総称。本州や九州など幅広く生息しており、河川敷や田畑などに網目状の巣穴を掘って生活しています。農作業をしていると、地中からモゴモゴと掘り返されて出てくることもあるネズミです。

ハタネズミの主食はイネ科やキク科の植物なのですが、人間と生息圏が被ることから、野菜や果樹に大きな被害を及ぼすことも。過去には、大量の針葉樹の根を地中から食べて枯らし、山崩れ寸前の事態を引き起こしてしまったケースもあります。

イタチ|庭にも出没!対策が必要な穴掘り名人

イタチも穴掘りの専門家。天敵から身を隠したり、外部の危険から身を守ったりするために、直径3~5cm程度の小さな穴を掘ります。巣穴は繁殖や子育てにも使われ、主食である昆虫を狩るためにも役立ちます。

イタチは『一面に多くの穴を掘る』という習性を持っているため、庭に侵入されると地面をボコボコにされてしまうことも珍しくありません。畑の作物を荒らすケースがあることからも、人間との共生における課題が多い動物といえるでしょう。

【鳥類】地面の下で暮らしている生き物

ここでは、地面の下で暮らしている鳥類を紹介します。鳥といえば空の覇者!というイメージがありますが、実は一部の鳥類は崖や河川敷に穴を掘る習性があるんです。空と陸の両方で器用に生き抜く鳥たちを見ていきましょう。

カワセミ|水・陸・空の環境を使いこなす『青い宝石』

美しいブルーの体で、鳥類界の宝石とも例えられるカワセミ。小魚を主食としており、水辺周辺を生息地としています。しかし棲み処は木の上ではなく、土崖の柔らかい部分に掘られた横穴です。

穴はパートナーと協力して掘ることもあり、片方を見張り役としながら交代制で進めていきます。壁穴は奥行き1m程度で、雨が入らないように垂直であることが特徴。狩りの水・生活の陸・移動の空と、まさに環境を最大限に有効活用している鳥といえるでしょう。

ツバメ|大切な卵を温めるための巣作り

ツバメの巣といえば、木の上や軒下というイメージが強いかもしれません。しかしツバメのなかには、川岸や海岸に近い急斜面や、採土跡などに穴を掘って巣を作るケースもあります。

群れをなして集団で巣を作ることもあり、コロニーが作られている場合は、壁一面に大量の小さな穴が空いていることも!2週間以上かけて作られることもある巣穴の奥には、枯れ草や羽毛を利用した産座(卵を温めるための場所)があります。

【爬虫類・両生類】地面の下で暮らしている生き物

ここでは、地面の下で暮らしている爬虫類や両生類を紹介します。哺乳類と比べて呼吸機能や体温調整機能なども異なり、人間とはより遠い存在に思える爬虫類たち。穴を掘る理由や生態について学び、生態への理解を深めていきましょう。

カメ|冬眠・産卵・体温調整とハイブリッドに役立つ穴

多くのカメの種類のなかでも、リクガメの一部は巣穴を掘る習性を持ちます。たとえば野生のギリシャリクガメは、暑さから身を守るために浅い穴を掘り身を休めます。冬眠や産卵のシーンでは、より深い穴を掘る習性もあります。

変温動物であるカメは、体温を自分で調整できません。そのため適切な体温を守るためには、穴によるシェルターが必要になるのです。また穴は鳥類や哺乳類などの天敵から身を隠すための隠れ家としても役立ちます。

カエル|水に潜るように、土にも潜る習性を持つ

カエルが掘る穴は、モグラのような複雑なトンネル状ではありません。小さなくぼみや柔らかい土の部分を選び、後ろ足を使って地中に潜るように作られます潜る理由は外敵から隠れたり、乾燥や寒さから身を守ったりするためです。

またアマガエルやヒキガエルは、冬眠のために地中にもぐることも。日照りが厳しい環境では、体温や水分量を維持するために穴を掘り、地面の下に潜伏する場合もあります。

ヘビ|湿った下水道は最適な生息環境にもなる

地面の下のなかでも『マンホールの下』にも目を向けてみましょう。下水道には、ネズミやカエルなどの小さい生き物が住んでいます。そして小動物を捕食する代表的な野生動物といえば、ヘビも外せません。

たとえばアオダイショウは、地中から下水道まで幅広い範囲で活動しています。下水道には餌を探すためだけではなく、隠れる場所を求めて移動することも。生息に適した湿度が哺乳類よりも高いヘビにとって、狭く湿った下水道の環境は天国のような場所なのです。

陸や空に住む動物も、地中の安全性を有効活用している!

今回は、土の中に住む生き物たちを紹介しました。

生き物たちが地中に潜る理由の多くは、外敵や温度から身を守るため。出産や子育てにおける安全性を維持するためにも、安全な穴が活用されます。

つまり生き物たちにとって、穴掘りはまさに生存戦略道端で不思議な穴を見つけたら、その中に潜む生き物たちの知恵や工夫を感じ取ってみてください。

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あらゆるジャンルを縦横無尽に駆け巡る雑食系ライター。元ペットショップ販売員として表彰経験あり。SEOを中心に、執筆記事は2,000本以上。アニマル・メンタルヘルス・ウェルビーイングなどを中心に、毎日の充実度がちょっぴり高まる記事を発信中。

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