白銀の荒野を支配する『北極の王者』ホッキョクグマに出会える動物園

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まとめ
  • 北極圏に生息し、厚い脂肪と毛皮で極寒を生き抜くホッキョクグマ。
  • ホッキョクグマは南極にはいない!?『北の王者』
  • 日本の動物園では暑さ対策を工夫しながら、その姿を見ることができる。

雪の降る季節になると、なぜか思い出す動物がいます。真っ白な毛並み、のんびりした仕草、そして氷の世界を生きる力強さ——ホッキョクグマです。

冬になると、動物園でも『いまが見頃』といえるほど生き生きとした姿を見せてくれます。寒さの中でこそ輝くこの動物は、見た目のかわいさ以上に、知れば知るほど奥深い魅力を持っています。

この記事では、そんなホッキョクグマの知られざる生態や冬ならではの過ごし方、そして日本で会える動物園を紹介します。

目次

冬の王者・ホッキョクグマとは?

白銀の世界に生きるホッキョクグマは、体長2〜3m、体重は最大600kgにもなる地上最大の肉食動物です。主な分布域は北極と、その周りの北アメリカ大陸北部やロシア北部などです。

南極にはいない?ホッキョクグマが北極だけにいる理由

意外かもしれませんが、ホッキョクグマは南極にはいないことを知っていますか?

南極にはペンギンがいますが、北極にはペンギンがいない。それと同じように、生態系の棲み分けがあるのです。

北極は陸地を中心に氷が張り、アザラシなどの哺乳類が多く生息しています。そのためホッキョクグマは、氷上でアザラシを狩るという独自のライフスタイルを築くことができました。

一方の南極は、氷の下に広がるのは海で、地上にはほとんど哺乳類がいません。陸上捕食者が進出することができず、ホッキョクグマのような大型肉食獣は誕生しなかったのかもしれません。

『冬の王者』と呼ばれる理由

ホッキョクグマは別名『冬の王者』と呼ばれることがあります。その所以は、氷上を渡り歩く優れた狩猟能力にあります。

彼らは海氷の割れ目でアザラシを待ち伏せ、長時間動かずにチャンスを狙う忍耐力を持ち合わせています。そして、忘れてはいけないのが北極の気温です。

彼らが待ち伏せしている場所は氷点下40度にもなります。そのような極寒の地でも活動できるのは、厚い脂肪層と高密度の毛皮、そして優れた体温調節能力のおかげなのです。

また、ホッキョクグマは泳ぎも得意で、1日に100km以上を泳ぎ続けることもあります。冬の海氷期には狩りに明け暮れ、夏の融氷期には陸上で休息しながら過ごすなど、季節の変化に合わせて行動を柔軟に変化させています。

北極という極限環境の中で生き抜くその姿こそ、まさに『冬の王者』と呼ぶにふさわしい存在です。

彼らの『冬の生活』を詳しく見てみよう!

北極圏という過酷な環境で、ホッキョクグマはどのように寒さをしのぎ、食料を確保しているのでしょうか。彼らの生態や冬ならではの行動を探ってみましょう。

ホッキョクグマの体は『防寒着』のかたまり!?

北極の寒さに耐えるため、ホッキョクグマの体はまるで生きたダウンジャケットのようです。皮下脂肪は10cm以上にもなり、冷たい海水の中でも体温を逃しません

毛皮は二重構造で、外側の長い毛が雪や氷をはじき、内側の短い毛が空気を閉じ込めて断熱します。

黒い皮膚は太陽光を吸収して熱をためこみ、爪は氷上でも滑らないよう湾曲になっています。また、鼻は非常に敏感で、数km先のアザラシの呼吸穴を嗅ぎ分けることができます。まさに自然が生み出した『究極の防寒仕様』なのです。

驚くほどのスイマー!ホッキョクグマの知られざる日常

ホッキョクグマはその大きな見た目に反して、驚くほどのスイマーでもあります。

海氷が張る冬、彼らは氷の割れ目を利用してアザラシを狩り、獲物を求めて広大な海を泳ぎ渡ります。忍耐強く獲物を待ち続ける姿はまさに北極のハンターです。

しかし近年は、地球温暖化により海氷が減少。そのため狩りの場が遠のき、より長距離を泳がねばならなくなっています。

それでも彼らが氷の上を歩き、親子で寄り添う姿には、自然の厳しさと温もりの両方を感じます。冬のホッキョクグマは『生きる力』そのものを映し出す存在ともいえます。

日本でホッキョクグマが見られるオススメ動物園3選

北極の氷上で暮らすホッキョクグマにとって、日本の夏はまさに試練の季節です。

近年の猛暑は特にホッキョクグマへの負担が大きく、動物園では冷房や冷水プール、ミストシャワーなどを導入して環境を調整しています。

一方、冬になると本来の姿を取り戻したかのように生き生きと動き回るので、寒い季節こそホッキョクグマ観察のベストシーズンです!

ここでは、そんな彼らに会えるおすすめの動物園を3つ紹介します。

札幌市円山動物園【北海道】

日本最大級のホッキョクグマ展示施設を誇る円山動物園

広大なプールや氷を再現した岩場があり、ホッキョクグマがのびのび動き回る姿を間近で観察できます。夏は冷却装置で水温を管理し、冬は雪の中で遊ぶ自然な姿を見られるのも魅力です。

所在地北海道札幌市中央区宮ケ丘3番地1 札幌市円山動物園
アクセス地下鉄東西線「円山公園駅」下車、徒歩約15分
料金大人:800円
高校生:400円
営業時間3月1日~10月31日 9:30~16:30
11月1日~2月末日  9:30~16:00
休園日毎月 第2・第4水曜日
※祝日の場合は翌日(8月のみ第1・第4水曜日)
時期によって休園日が異なります
駐車台数第一駐車場(西門側)612台第二駐車場(正門側)276台※普通車のみ

愛媛県立とべ動物園【愛媛県】

ホッキョクグマの『ピースちゃん』でおなじみのとべ動物園。ここは、日本で初めて人工哺育に成功したホッキョクグマとして全国的に知られています。

夏場は冷房設備や氷のプレゼントで涼しく過ごせるよう工夫されており、冬には元気いっぱいにプールで泳ぐ姿が見られます。

所在地愛媛県伊予郡砥部町上原町240
アクセス松山市駅よりバスで約40分(「松山市駅」乗車(3番のりば)→「とべ動物園前」下車)
料金大人:600円
高校生:200円
営業時間9:00~17:00(入園は16:30まで)
休園日月曜(祝日の場合は翌平日)
駐車台数1,500台

神戸市立王子動物園【兵庫県】

神戸市立王子動物園では、2024年1月、国内最高齢だったホッキョクグマの『ミユキ』(メス・33歳)が亡くなりました。そのため、現在は若い『ゆめ』ちゃんが元気に暮らしています。

水中観察ができる展示は人気で、暑い時期にはミストや冷水で体温管理を行っており、雪が舞う日には白い毛並みが一層美しく映えます

所在地兵庫県神戸市灘区王子町3-1
アクセス阪急「王子公園駅」より徒歩3分
料金大人:600円
中学生以下:無料
営業時間9:00~17:00(入園は16:30まで)
休園日水曜(祝日の場合は翌日)
駐車台数350台(有料)

この冬、ホッキョクグマに会いに行こう

ホッキョクグマは、まさに『冬が似合う動物』ですよね。

寒さをものともせず、雪の上をゆったり歩く姿はまるで冬の主役のようです。動物園では、水に飛び込む瞬間や、雪の上でゴロゴロ転がる姿など、思わず笑顔になる仕草がたくさん見られるはずです!

私たちは普段、ニュースなどで『温暖化』や『絶滅危惧』という言葉とともにホッキョクグマを見ることが多いですが、まずは『生きている彼ら』に会ってみることが大切ではないでしょうか。ガラス越しでも、体の大きさや息づかいを感じると、その存在がぐっと近くに感じられます。

この冬は、コートのポケットに手を入れて、ホッキョクグマに会いに行ってみませんか?

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miwa

miwa

生粋の猫派ライター。アメショの猫に飼われながら、他にもカメ・インコ・ウサギ・金魚と幼き頃から過ごしていました。また、水族館大好き。特にサメ類への関心が強く、実は、シロワニの生態研究者になることを夢見ていました。趣味のダイビングでは、海中での生物観察も楽しんでいます。実際のダイビング経験と水族館での観察、両方の視点から海の生き物たちの魅力を伝えていきたいです。

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