- タイニープードルは社交的で飼いやすいが、寒さや被毛のケアが必要
- 吠えやすい傾向があるため、子犬の頃からのしつけが重要
- 定期的な健康管理と適切な環境づくりが長生きのカギ

タイニープードルは、その愛らしい見た目と高い知能で多くの人に愛される犬種です。シングルコートなので抜け毛も少なく、衣類に毛がつきにくいことから、飼いやすい犬としても人気があります。
しかし「性格は?」「吠え癖がある場合はどう対処すればいいの?」など、飼い方に関して知識がある人は少ないでしょう。
そこで本記事では、タイニープードルの性格や飼い方、吠え癖がある場合の効果的な対処法などを詳しく解説します。タイニープードルをお迎えする前に不安や疑問を解消しておきたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
タイニープードルの特徴・飼い方

ここでは、タイニープードルの特徴と飼い方を具体的に解説します。
- 成犬でも2~3㎏程度の小さい犬種
- 毛色の種類が豊富
- しつけは生後2ヶ月からが最適
- タイニープードルは被毛の手入れが必須
タイニープードルを家族の一員として迎えるのなら、特徴や飼育方法を事前に確認し、幸せな犬生を送れるようしっかりサポートしましょう。
成犬でも2~3㎏程度の小さい犬種
タイニープードルは成犬でも重さが2~3kg程度、体高は25cm以下です。プードルは大きさが6種類あり、タイニープードルは小さいほうから2番目の大きさになります。まだ犬種として新しいことから、大きさが安定していない犬種です。そのため、成犬の大きさはあくまで目安程度と考えておきましょう。
たくさん食べさせると大きく育つことがありますが、太りすぎると骨に負担がかかるため、給餌の量には注意が必要です。初めてタイニープードルを飼うのなら、獣医師に診察してもらい、6ヶ月までの給餌の量を相談するとよいでしょう。
かわいいからといって、おやつをあげすぎるのも肥満の原因になります。子犬の時期から餌やおやつをたくさんあげる習慣がつくと、おやつを欲しがってよく吠える子に育つ可能性もあるため、子犬のころからの給餌のしつけが重要です。
毛色の種類が豊富
タイニープードルは毛色の種類が豊富な犬種です。人気の毛色はチョコレート・ホワイト・アプリコット・ブラックですが、シルバー・ブルー・パーティカラーなど個性的な色を持つタイニープードルもいます。
人気のホワイトは品があり、優雅な雰囲気が魅力です。アプリコットやチョコレートは活発で愛らしい印象を好む人におすすめです。ブラックは落ち着いた雰囲気があり、汚れも目立たないため人気があります。
毛色は犬の性格とは直接的な関連がないため、好みで選ぶとよいでしょう。
しつけは生後2ヶ月からが最適
タイニープードルは賢い犬種です。トレーニングの飲み込みも早いため、しつけをするのも比較的ラクな犬種といえるでしょう。しつけを始める時期は、生後2ヶ月頃からがおすすめです。生後2ヶ月頃になると新しい環境にも慣れて、ルールを学びやすくなります。
最初は自分の名前やトイレの場所など、基本的なことを繰り返し教えていきましょう。散歩デビューは、子犬期の混合ワクチン接種を3回終えてから。外を怖がる子もいるため、最初は飼主が抱っこして簡単に近所を回るくらいから始めてみましょう。
タイニープードルは被毛の手入れが必須
タイニープードルは、シングルコートという1層構造の被毛を持っています。そのため、他の犬種と比べて抜け毛が少なく、部屋の掃除がラクなのが魅力です。
しかし、このカールした柔らかな被毛は絡まりやすく、毛玉ができやすいのが難点です。被毛の美しさと健康を保つためには、最低でも週に2〜3回のブラッシングが必要です。
さらに、シングルコートの特徴から、タイニープードルは寒さにとても弱い犬種です。ふわふわした見た目からは意外かもしれませんが、冬場には温度管理が必須で、散歩時には防寒着を着せるなどの工夫をする必要があります。
とくにタイニープードルは体が小さく、血管も細いため、寒さの影響を受けやすい傾向があります。タイニープードルを迎えるのなら、寒い時期を快適に過ごせる環境づくりを心がけてあげましょう。
タイニープードルの値段・相場は?

タイニープードルの値段相場は、一般的に20万円~40万円前後です。被毛のカラーや血統・販売元によっても価格が変動します。特に人気の高いカラーや、優良なブリーダーが手がけた子犬の場合、さらに高額になることもあるでしょう。
また、タイニープードルを迎える際には、サイズについても注意が必要です。タイニープードルは小型犬として人気ですが、成長して予想よりも大きくなるケースがあります。たとえば、小型犬だと思って購入したのに、中型犬ほどの大きさになったという話もあります。
そのため、購入前にブリーダーに両親の大きさを確認し、大きさの目安をつけておくことも大切です。さらに「小さいから買ったのに大きくなった!」という理由で飼育放棄につながらないよう、多少の変化をおおらかに受け止める心構えも必要です。
犬は家族の一員として長い時間を共にする存在ですので、その点を踏まえて慎重に考えるようにしましょう。
タイニープードルはどんな性格?よく吠えるか?

ここではタイニープードルの性格やよく吠える犬種かを詳しく解説しています。
- 明るく社交的
- 甘えん坊
- 知性が高い
- 比較的よく吠える犬種
性格は個性もあるため、犬により異なる部分もありますが、一般的なタイニープードルの特徴を知ることで一緒に暮らした際のイメージをしやすくなります。タイニープードルを飼うことを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
人懐っこくて明るく社交的
タイニープードルは、初めて会う人や犬に対しても明るく社交的です。飼主だけでなく、見知らぬ人や他の動物に対しても愛想がよく、社交性の高さは他の犬種の中でも特に際立っています。
そのため家庭内だけでなく、ドッグカフェ・公園・イベントなどの外出先でも、人懐っこさを発揮して周囲を和ませてくれるでしょう。
ただし、明るく社交的な一方で、時には興奮しすぎてしまうこともあるため、適度な休息を取りながら交流を楽しめる環境を整えてあげることが大切です。
長いお留守番は苦手な甘えん坊
タイニープードルは、小さな体と同様に精神的にも幼さがあるため、かなり甘えん坊です。もともと小型犬は精神的な成長が遅いと言われていますが、なかでもタイニープードルは飼主との密接な絆を求める傾向が強くあります。
そのため、常にそばにいたがるため、外出時間が長い人には向かない可能性があります。また、過剰な依存は飼主だけでなく、犬にも負担が大きいため、一緒にいながらも適度な距離感を保つことも大切です。
コミュニケーション能力や知性が高い
タイニープードルはもともと猟犬として活躍していたプードルの小型版なので、知性は非常に高いです。コミュニケーション能力も優れており、飼主の指示や教えたことを短時間で覚えることができます。
そのため、しつけやトレーニングがしやすく、初心者の飼主にも適した犬種と言えます。ただし、知能が高いため、退屈を感じやすいので、適度な刺激や遊んであげる時間を設けることも大切です。
警戒心が強いため比較的よく吠える犬種
タイニープードルは明るく社交的な一方で、敏感で警戒心が強いため、比較的よく吠える犬種です。知らない人や動物が近づくと、恐怖心や警戒心から過剰に吠えることがあります。
ただし、これは適切なトレーニングや対処をすることで改善することが可能です。明るく社交的な面と臆病な性格のバランスを理解し、吠え癖が常態化しないように飼主がきちんと対応するようにしましょう。
タイニープードルの寿命はどのくらい?

タイニープードルの平均寿命は12~15歳と、小型犬としては平均的な長さです。健康管理や適切な食事、適度な運動を心がけることで、さらに長生きする可能性もあります。
また、定期的な健康診断を受けることで病気を早期発見することも大切です。小型犬は体が小さい分、特定の病気にかかりやすいため、日頃から体調の変化には注意をしましょう。一緒に過ごす時間を大切にしながら、飼主が犬の健康的な生活をサポートすることが重要です。
タイニープードルを飼育する場合に注意したい病気や怪我は?

ここでは、タイニープードルがかかりやすい病気や怪我をまとめました。
- ホルモンの異常が原因で発症するクッシング症候群
- 小型犬がなりやすい低血糖症
- 免疫系の誤作動による免疫介在性疾患
- タイニープードルに多い膝蓋骨脱臼(パテラ)
- 細い骨が原因で起こりやすい骨折
異常を感じた時に慌てなくてもよいように、かかりやすい病気や怪我は事前に確認しておきましょう。
ホルモンの異常が原因で発症する【クッシング症候群】
クッシング症候群は、副腎から分泌される副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで発症します。多飲多尿や食欲増進・腹部の膨れ・呼吸が荒くなる・脱毛や薄毛・湿疹・ふらつきなど、さまざまな症状が現れます。
初期段階では以下のような症状がみられます。
- 水をたくさん飲む
- トイレの回数が増える
- 食欲が急に増す など
普段と違う行動が見られたら、早めに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
痙攣を起こすこともある【低血糖症】
低血糖症は、小型犬であるタイニープードルが特になりやすい病気です。血液中の糖分濃度が異常に低くなることで、体内や脳へのエネルギー供給が不足し、ぐったりとしたり痙攣を引き起こす症状が見られます。
初期症状としては以下のような症状があげられます。
- 元気がなくなる
- ぼんやりした様子を見せる
- ふらつく など
こうした兆候が見られた際は、ブドウ糖を摂取させつつ、すぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
早急に診断と治療が必要【免疫介在性疾患】
免疫介在性疾患は、免疫系が正常な細胞を敵と誤認し、攻撃してしまうことで起こる病気です。一般的な例として、免疫介在性溶血性貧血や免疫介在性血小板減少症があります。
初期段階では以下のような症状がみられます。
- 歯茎や皮膚が青白くなる
- 息切れ
- 元気がなくなる など
免疫介在性疾患は進行が早いケースもあるため、早急に動物病院での診断と治療が必要です。
小型犬に多い【膝蓋骨脱臼(パテラ)】
膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨が正常な位置からずれる病気で、タイニープードルを含む小型犬に多く見られます。
初期症状としては以下のような症状があげられます。
- 足を浮かせるような歩き方をする
- 急に遊びを止めて座り込む
- 痛がるように鳴く など
これらの兆候が見られた際は、膝蓋骨脱臼の可能性があるため、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
細い骨を持つためリスクが高い【骨折】
タイニープードルは非常に細い骨を持つため、ちょっとした衝撃で骨折するリスクが高い犬種です。
初期段階では以下のような症状がみられます。
- 足を引きずる
- さわられるのを嫌がる
- 動きたがらない など
これらの症状がある場合、無理に動かさず、すぐに動物病院で適切な処置を受けましょう。高所からの飛び降りや滑りやすい床を防ぐ環境作りが重要な予防策となります。
タイニープードルと楽しく暮らすために特徴や飼い方を把握しよう!

タイニープードルは、愛らしい見た目と賢さで多くの人に愛されている犬種です。明るく社交的で、飼主だけでなく他の人や犬とも積極的に接することができる性格が特徴です。
ただし、シングルコートなので寒さに非常に弱く、防寒対策は必須になります。また、カールした柔らかな被毛は絡まりやすく、定期的なブラッシングや手入れが必要です。
タイニープードルと楽しく過ごすためには、特徴や必要なケアをしっかりと理解してから迎え入れることが大切です。性格や健康面での配慮を欠かさず、愛情をもって接すれば、素晴らしいパートナーとして過ごすことができるでしょう。