- 紫外線は、愛犬の皮膚や目にダメージを与える
- 犬用の紫外線対策グッズで、見た目も楽しくUV対策!
- 定期的な健康診断で、適切な紫外線量を把握しよう

5月ごろから強さの増す紫外線は、6月〜9月にピークを迎えます。
これからまさにピークを迎える紫外線。日焼け止め・日傘・アームカバーなど、人間は紫外線に対して多くの防御策を選択できます。しかし、犬は紫外線に無防備な状態です。紫外線による悪影響をケアするためには、飼主のサポートが必要になります。
今回は、紫外線のメリット・デメリットや、今日から始められる紫外線対策を紹介します。日常的に取り入れられる紫外線対策を学び、愛犬の健康を守りましょう。

「紫外線=危険」ではない?紫外線が与える良い影響

地球で生きている限り、私たちや愛犬と切っても切れない関係である紫外線。悪い影響だけが目立ちやすい紫外線ですが、「紫外線=100%悪いもの!」というわけではありません。
ここでは、紫外線が与えてくれる良い影響を紹介します。
ビタミンⅮの合成を促進する
紫外線は、体内のビタミンDの合成を促進するために必要です。
ビタミンDは、食べ物から摂取したカルシウムの吸収を促進してくれる効果があります。愛犬の健康的な骨の維持・育成のためには、欠かせない栄養素なのです。
殺菌作用
紫外線は、皮膚や被毛に付着した菌を殺菌してくれることでも知られています。
殺菌作用があるのは、紫外線に含まれる『UV-B』。30分程度浴びれば、十分な殺菌が期待できるといわれています。カビやダニも駆除できるため、愛犬の健康や病気予防につながります。
日向ぼっこによる心の安定や体内時計の改善
紫外線の生成源となる太陽光。温かな太陽の光を浴びていると、心の安定を促す物質『セロトニン』の分泌が促進されます。
また然るべき時間帯に太陽光を浴びることで、体内時計も整います。紫外線を含む太陽光は、愛犬の心の健康にも重要な役割を担っているのです。
健康被害も!紫外線が与える悪い影響

体や心に良い面もある紫外線ですが、やはり気になるのは健康被害です。ここでは、紫外線が犬に与える悪い影響について紹介します。
対策のためには、紫外線のメリット・デメリットをそれぞれ理解することが大切です。注意点を学んだうえで、愛犬の特徴やライフスタイルにあった対策を考えていきましょう!
参考:サーカス動物病院「犬も紫外線対策は必要?|紫外線が犬に与える影響について解説します」
日光性皮膚炎の発症リスク
紫外線は、日光性皮膚炎の発症リスクを上げるといわれています。日光性皮膚炎とは、いわゆる『日焼け』。過度な日光を浴びることによる、軽度のやけど状態です。
とくにスムースコートチワワのような被毛が少ない犬種では、発症リスクが上がります。症状が強い場合には、水ぶくれやヒリヒリとした痛みがともないます。
皮膚がんの発症リスク
紫外線による影響では、皮膚がんのリスクも無視できません。とくに日光角化症や基底細胞がんなどは、紫外線により発症リスクが上がる代表的ながんとして知られています。
犬の場合は、日光性皮膚炎から皮膚がんに進行していくケースがあり、色素の薄い犬はとくに発生率が高くなると考えられています。
参考:アニホック動物病院「犬の皮膚がんを解説!症状・原因・治療・予防を知る」
細胞が傷つけられることによる腫瘍発生のリスク
細胞が傷つけられることによる腫瘍発生のリスクも、紫外線による悪影響の一つです。
紫外線によってDNAが傷つけられた細胞は、自己修復を繰り返しながら増殖していきます。しかし過剰な紫外線量を浴び続けると修復が追いつかなくなり、腫瘍の発生につながってしまうのです。
被毛が少ない犬種へのメラニン色素の沈着リスク
被毛が少ない犬種の場合、紫外線によるメラニン色素の沈着リスクもあります。色素沈着の結果として現れるのは、いわゆる『ほくろ』や『シミ』です。
とくにお腹周りの被毛量は、長毛種であっても少ない傾向に。たとえば、日光を浴びながらお腹を出して昼寝をする習慣がある子は、お腹周りのメラニン色素が沈着するリスクが高まります。
目に関連する病気の発症リスク
犬の目は、人間の目よりも紫外線に弱いといわれています。目に紫外線が当たり続けることで、目の病気を発症するリスクがあることも覚えておきましょう。
とくに白内障は、過剰な紫外線量による発症リスクが高い疾患です。犬は日々の散歩が必要な生き物だからこそ、知らず知らずのうちに愛犬を白内障のリスクにさらしているかもしれません。
参考:動物医療センター もりやま犬と猫の病院「わんちゃんの紫外線対策」
参考:POCHI TOKYO「紫外線が犬の白内障の原因になることも!?白内障の症状&予防法について」
愛犬を紫外線から守るために、飼主ができることは?

ここでは、愛犬を紫外線から守る方法を紹介します。
とはいえ過剰な対策は、健康な生活とは真逆になってしまいます。たとえば紫外線が危ないからといって「部屋を閉め切って散歩にも出かけない!」という対策をとってしまうのは、健全とは言い難いですよね。
何事も適度であることが大切です。愛犬にとって負担がない方法を調べ、紫外線との上手な付き合い方を考えていきましょう!
紫外線が少ない時間帯に散歩をしよう
愛犬と散歩に行く際は、紫外線が少ない時間帯を狙うことが大切です。ただし曇りの日や夕方でも、紫外線量が少ないとは限りません。
一般的に紫外線が強いとされる時間帯は10時〜14時です。この時間帯は、夏であればアスファルトも熱くなっていて、犬の肉球がヤケドをしてしまうような時間帯ですよね。
紫外線の量は、人間の肌感では感知できないものです。気象庁が発表している紫外線情報や、紫外線レベルが分かる天気アプリなどを活用しながら、安全なタイミングを調べてみましょう。
遮光カーテンや、UVカットカーテンを取り入れよう
室内での紫外線対策では、遮光カーテンやUVカットカーテンの導入をおすすめします。とくに遮光カーテンは、紫外線だけではなく熱や冷気の遮断効果も期待できるため、夏の熱中症防止や冬の寒さ対策にもなります。
遮光カーテンには『3級遮光』から『完全遮光』まで4つのレベルがあるため、住宅環境や愛犬の体質に応じて選択していきましょう。
サマーカットを控えめにしよう
夏の紫外線対策として気をつけたいのが、愛犬のサマーカットです。熱中症防止として大いに役立つサマーカットですが、被毛の量や長さが減ることで、紫外線による皮膚へのダメージはアップしてしまいます。
サマーカット後のお散歩では、冷感素材の服や通気性に優れた服などを活用しながら、暑さ・紫外線それぞれのリスクをケアしていきましょう。
紫外線対策グッズを取り入れよう
人間用ほど種類が豊富なわけではありませんが、犬用の紫外線対策グッズも一部販売されています。
犬用の場合は、服やゴーグルなど『物理的に紫外線から身を守るグッズ』が主流。愛犬に合ったサイズや、夏に適した素材の商品をチェックし、オシャレを楽しむ気持ちで紫外線対策をしていきましょう!
特にシングルコートの犬種は、服を着せることで紫外線から肌を守る効果が期待できます。
皮膚や目を守る!犬用の紫外線対策グッズ

ここでは、愛犬との生活にぜひ取り入れたい『犬用紫外線対策グッズ』を紹介します!
人間と同じように、犬の健康にも必要な紫外線対策。愛犬の性格や性質に寄り添いながら、無理のない範囲で対策を取り入れていきましょう!
紫外線カットサングラス|PETLESO
PETLESOの紫外線カットサングラスは、見た目もクールな対策アイテム。お散歩だけではなく、ドライブやアウトドア・雪山・ビーチなど、さまざまなシーンで活躍してくれます。紫外線だけではなく、風が強い場所での目の保護にもピッタリなグッズです。
ペット用帽子|Kingsie
Kingsieのペット用帽子は、耳用にかわいい穴がデザインされた日よけアイテム。カラーも10種類展開されており、愛犬のイメージに合わせて選ぶ楽しさもあります。柔らかく着け心地が良い素材で作られており、耐久性・通気性ともに優れたグッズです。
犬用タンクトップ|Kickred
Kickredの犬用タンクトップは、紫外線防止と暑さ対策を兼ね備えたハイブリッドなアイテム。軽量で通気性に優れており、伸縮性にも富んでいるため、着用時の身体への負担が少ないのがうれしいポイントです。サイズはSから2XLまで販売されており、体が大きな愛犬でも安心!
犬用日焼け止めスティック|Petkin
Petkinからは、希少な犬用日焼け止めスティックが販売されています。鼻・耳・肉球など、愛犬の繊細な皮膚を紫外線から守れる優れものです。SPF15で、日差しや地面からの照り返しから総合的に肌を保護してくれます。
紫外線対策で、犬も人も健康な体をキープ!

今回は、紫外線が愛犬にもたらす影響や、犬用の紫外線対策グッズなどを紹介しました。
目で見てわかりやすいケガや嘔吐などとは異なり、紫外線による悪影響は見た目には表れにくい傾向にあります。体内で少しずつ症状が進行した結果、飼主が気づかぬうちに重症化してしまうこともあるでしょう。
「少しでも違和感を抱いたら病院へ!」を心がけつつ、無理なくできる紫外線対策を取り入れていきましょう!