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ニシキヘビの飼い方!飼育のポイントや注意点を解説

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まとめ
  • ニシキヘビの飼育では、種類に合わせた環境を用意することが大切
  • 餌は個体に合わせて冷凍マウスや冷凍ラットを与える
  • 絶対に脱走させないように管理することが重要
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「ニシキヘビと聞くとちょっと怖い」そんなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?一口にニシキヘビと言っても大きさや性格はさまざまです。最近では美しい模様に改良された種類も多く、実はペットとして人気もあります。正しく飼育すれば初心者でも飼いやすい種類もあり、ペットとして魅力的な生き物です。

この記事では、ニシキヘビの基本情報から、飼育に必要な環境・種類ごとの特徴・注意点までをわかりやすく解説します。これから飼育を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

目次

大きさや生息地などニシキヘビの基本情報

Normally green tree pythons are coiled up neatly draped over a branch, and not doing very much at all. I like this photo because for once this specimen was awake and alert. I also like the single drop of water on the snake’s body (bottom right) which I only noticed later. Photo taken at Koala Gardens in Kuranda, Queensland, Australia.

ニシキヘビの大きさや生息地など、基本情報を紹介します。飼育を始める前に、まずはどんな生き物なのかを理解することが大切です。

ニシキヘビはどんなヘビ?大きさや寿命は?

ニシキヘビは東南アジアやオーストラリアなどの熱帯~亜熱帯地域に生息しているヘビです。種類によって大きさは異なりますが、小型種で1m、大型種では7mを超える個体もいます。

寿命は15~20年と比較的長寿で、飼育環境が整っていれば20年以上生きることもあります。長く付き合えるペットなので、しっかりとした知識と準備が必要です。

ニシキヘビは肉食性

ニシキヘビは完全な肉食性で、野生では鳥類や哺乳類などの小動物を捕食します。飼育下では、冷凍マウスやラットなどを与えるのが一般的です。獲物を丸呑みする習性があるため、餌のサイズは個体の太さに合わせて選ぶことがポイントです。

ニシキヘビに毒はある?

『ヘビ=毒』と思われがちですが、ニシキヘビに毒はありません。毒牙は持っておらず、獲物に巻きついて締め殺した上で捕食します。人間に対してもそれほど攻撃的ではなく、温和な性格の種類が多いため、正しく扱えばペットとして安心して飼育することができます。

おすすめのニシキヘビ!種類ごとの値段も紹介

brown and black snake on persons hand

ペットとしておすすめのニシキヘビを紹介します。小型~中型のヘビはスペースもそれほど必要なく、飼育しやすいでしょう。大きく育つアミメニシキヘビ・ビルマニシキヘビは特定動物に指定されているので、個人での飼育には許可が必要です。

人気ナンバー1!ボールパイソン

最もポピュラーなニシキヘビの一種が『ボールパイソン』です。名前の通り、警戒すると体をボールのように丸める可愛らしい行動が特徴。

体長は最大でも2mとコンパクトで、おとなしい性格から初心者にもおすすめです。色や模様のバリエーション(モルフ)が豊富で、コレクション性も高いです。

  • 値段:1万円〜20万円以上(モルフにより差がある)
  • 飼育難易度:低~中
  • 飼育環境:温度は約28~32℃、湿度は50~60%を保つ

樹上性のグリーンパイソン

green snake on brown tree branch

鮮やかな緑色の体色が美しい『グリーンパイソン』は、熱帯雨林の樹上で生活する種類です。枝に巻き付いて静かに過ごす姿は、まさに自然の芸術です。温度や湿度の管理がやや難しいですが、美しい見た目で人気があります。

  • 値段:3万円〜10万円前後
  • 飼育難易度:中〜高
  • 飼育環境:高温多湿(28〜32℃、湿度70%以上)、止まり木必須

美しい模様のカーペットパイソン

カーペットのような複雑で美しい模様が魅力の『カーペットパイソン』。種類によって体長は1.5〜2.5mとやや大型になりますが、人に慣れやすくハンドリングも可能な個体が多いです。ニシキヘビのなかでは比較的細身で、ほかの種類とは一味違った印象があります。

  • 値段:3万円〜10万円前後
  • 飼育難易度:中
  • 飼育環境:温度は28℃前後、やや乾燥気味に管理

迫力のあるブラッドパイソン

体長は1.2〜1.8mとそこまで大きくありませんが、体幅が太く重量感たっぷりの『ブラッドパイソン』。やや攻撃的な性格ですが、それも魅力の1つです。その反面神経質な面もあり、飼育には注意が必要ですが、存在感を重視する人にはおすすめです。

  • 値段:5万円〜10万円前後
  • 飼育難易度:中~高
  • 飼育環境:高湿度(60~70%)、温度は28~30℃前後を維持

ニシキヘビの飼い方・育て方

A ball python in a terrarium

具体的にニシキヘビの飼い方を解説します。ニシキヘビは比較的丈夫な生き物ですが、間違った飼育方法では健康を損ないかねません。しっかりとポイントを押さえておきましょう。

ニシキヘビの飼育に必要なものは?

ニシキヘビの飼育は、それほど大掛かりなものは必要ありません。種類ごとに好む環境が違うので、適した飼育環境を用意することが大切です。どんなものが必要なのか見ていきましょう。

鍵がかけられたり、しっかり閉められるものを【ケージ】

ケージには鍵がかけられる爬虫類用ケージが適しています。大きさは、とぐろを巻いた時の3倍の底面積を最低限用意しましょう。脱走を防ぐため、必ず鍵やカチッと止められるものを使用してください。

替えやすいものを選びたい【床材】

メンテナンス性を考慮するのであれば、新聞紙・ペットシーツがおすすめです。糞をしてもすぐに取り換えられるので清潔に保てます。鑑賞性を高めたい場合や、湿度を維持したい場合はヤシガラ土、水苔がおすすめです。水分を含ませることで、高湿度に保ちやすいです。

全身が入るものが望ましい【水入れ】

常に新鮮な水を与えられるよう、陶器など倒れにくいものを用意しましょう。脱皮前には水に浸かりっぱなしの個体もいるので、全身が入る大きさのものがベストです。中の水が汚れたら小まめに取り換えてください。

ヘビのサイズに合わせて用意【シェルター・止まり木』

地上性の種類には、シェルターはストレス軽減に不可欠です。市販の爬虫類用シェルターが手軽で便利です。大型個体でサイズが合うものがない場合、出入り口を作った箱状のものを逆さに置くとよいでしょう。

樹上性の種類の場合、止まり木を用意します。流木や木材、突っ張り棒などをケージの左右に渡しましょう。可能であれば、違う高さで2本設置することで、ヘビ自身に好みの環境を選んでもらえます。

ケージ内の温度勾配が大切【ヒーター】

秋~春にはパネルヒーターや保温球を使って保温します。保温する際は、ケージの全体を保温するのではなく、片側だけにヒーターを設置し、ケージ内で温度勾配を作りましょう。温度勾配を作ることで、ヘビが好む温度を選んでもらえます。

ニシキヘビの餌は何をあげればいい?

主に冷凍マウスや冷凍ラットを解凍して与えます。大きさはその個体の胴回りと同じか、少し大きめのサイズを選びましょう。給餌の頻度は、成長期なら週1回、成体になれば10日に1回程度が目安です。

日々のお世話は何をする?

ニシキヘビは、飼育の手間が少ない生き物ですが、以下のような日常管理は欠かせません。

  • 水の交換(2~3日に1回)
  • フンの掃除(見つけ次第)
  • ケージ内の温度・湿度チェック(毎日)

定期的に体調チェックや体重測定を行うと、異変にも早く気づけます。健康を維持するために、小まめに観察することが大切です。

ニシキヘビ飼育の注意点とポイント

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ニシキヘビの飼育の際の注意点やポイントを紹介します。ニシキヘビの飼育はそれほど難しくありませんが、思わぬトラブルを防ぐためにも以下の点には注意しましょう。

脱皮不全は命に関わる一大事

ニシキヘビの飼育でよくあるトラブルが脱皮不全です。脱皮が上手にできないと、残った古い皮によって皮膚炎が起きたり、壊死したりすることがあります。脱皮の1~2週間前になると、皮膚が黒ずみ、目が白く濁ります。脱皮の兆候が見られたら、いつも以上に湿度管理に気を遣いましょう。

湿度維持には、こまめに霧吹きで湿度をあげるのが効果的です。普段は全身が入る水入れを設置していない場合は、脱皮前だけでも大きめの水入れを設置しましょう。もしも脱皮が上手にできなかった場合は温浴をして、ふやけた皮を人為的に取り除いてあげてください。

脱走に注意しよう

ニシキヘビは力が強く、わずかな隙間からでも脱走することがあります。フタのロックや通気口の網の隙間など、ケージの構造はしっかりと確認し、隙間をなくしましょう。

一度脱走すると見つけるのが難しいです。家の中にとどまっていればともかく、屋外に逃げ出すと近隣とのトラブルにもなりかねません。

個体によってはハンドリングも可能

おとなしい種類は、飼主に慣れてくればハンドリングも楽しめます。とはいえ、ストレスを与えすぎないよう短時間にとどめましょう。ハンドリングの際は両手を使って、ヘビが安定しやすいように面で支えてあげるのがポイントです。嫌がる個体もいるので、様子をうかがいながらハンドリングしましょう。

ニシキヘビの飼育の際は適切な環境を整えてあげよう

ニシキヘビは見た目のインパクトとは裏腹に、ペットとして魅力的な生き物です。種類によっては初心者でも飼いやすく、手間もそれほどかからず飼育できます。

飼育する際は、適切な温・湿度管理や脱走対策など、基本的な飼育環境を整えることが非常に重要です。長寿の生き物ですので、しっかりと責任を持って飼いましょう。

まずはお店やブリーダーから情報を集め、自分に合った種類を見つけてください。ニシキヘビとの生活は、きっと新しい発見と癒やしに満ちたものになるはずです。

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のべじ

のべじ

元水族館職員の生き物好きライター。ダイビングガイド、農家などの経験を活かし生き物・自然・家庭菜園・料理など、さまざまな分野でライティングしています。

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