見分けられる?身近な公園でも見かけるサギの種類5選

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まとめ
  • 日本のサギは『渡り鳥』の可能性大。目の前のサギの故郷は外国かも!
  • 優雅な見た目に反して、意外にもワイルドな食生活
  • コロニーが原因で人間に被害も。共生の道には課題も残る

サギは、日本人にとって身近な野鳥の一種です。昨今では、スタジオジブリの映画作品『君たちはどう生きるか』にサギが重要キャラクターとして登場したことも、記憶に新しいのではないでしょうか。

今回は、そんな『サギ』の生態や種類について深掘りしていきます。

公園や川などで見かける機会は多いものの、なかなか深く知るきっかけのないサギ。ぜひこの機会にサギについて学び、より親しみを感じてみましょう。

目次

そもそも『サギ』ってどんな動物?

ここでは、サギの基本的な生態や特徴について紹介します。

サギはそのスラリとした風貌から、コウノトリやツルと見間違われることも。サギならではの生態を学ぶと、サギとの偶然の出会いももっと楽しくなります。

さまざまな異名を持つ、水鳥の総称

サギは、ペリカン目サギ科に属する『水鳥』の総称です。

そもそも水鳥とは、水辺に生息する鳥のこと。サギも水鳥の例に漏れず、指の間に水かきを持ち、羽毛は撥水と断熱に適した構造になっています。

サギは日本国内でも、『雪客(せっかく)』『白鳥(はくちょう)』『雪鷺(せつろ)』『糸禽(しきん)』『舂鋤(しょうじょ)』など、さまざまな名前で呼ばれます。

たとえば『雪客』はサギの白い姿を『舂鋤』はサギが首を動かす姿が鋤(すき:地面を掘り起こす農具のこと)をたとえており、見る人や地域によって呼び名が異なるユニークな鳥です。

日本のサギは『渡り鳥』と『留鳥』に分かれる

サギのユニークな点は、名前だけではありません。サギは、同じ日本のなかでも『渡り鳥』か『そうでない鳥(留鳥)』かに分かれる鳥なのです。

さらに渡り鳥に属するサギのなかでも『夏鳥』か『冬鳥』に分かれます。

  • 夏鳥:夏季に南から日本に渡り、繁殖後にまた南に渡る鳥
  • 冬鳥:冬季に北から日本に渡り、越冬後にまた北に渡る鳥

夏鳥の場合は、東南アジアや南の国から。冬鳥の場合は、ロシアやシベリアなどからやってきます。「日本で見かけるサギでも、故郷は別の国かもしれない」と思うと、世界の広さや野鳥たちの生命力を感じられますよね。

意外と肉食!カエルや小鳥も食べる鳥

サギは優雅な見た目に反して、意外にも肉食性の動物です。分布の地域によって異なりますが、魚や両生類・爬虫類を主食とします。ときには哺乳類や鳥類までも捕食することも。

魚やカエルだけに留まらず、ザリガニ・カニ・トカゲ・昆虫・小鳥なども食べてしまいます。雪にたとえられるほど上品な風貌とは裏腹に、ワイルドな食生活とのギャップも、サギの特徴であり魅力といえるでしょう。

繁殖はおもにコロニー。人間に被害を与えることも…

サギの繁殖行動は、おもにサギのコロニー内でおこなわれます。

昨今では宅地開発の関係から、コロニーに適した場所が減少傾向に。その結果、民家に近接した樹林地にコロニーが形成されるケースが増えつつあります。

コロニー周辺では多くの糞が落ちたり、こぼれた餌の腐敗により悪臭がしたりなど、トラブルの原因になることも。またサギの子育ては一斉におこなわれるため、雛の鳴き声による騒音被害が発生する場合もあります。

サギは、古くから俳句に用いられるほど日本人に馴染み深い鳥。しかし同時に現代では、人間との共生関係について課題を残している鳥でもあるのです。

身近な公園でも見かける『日本のサギ』の種類5選

サギは世界に65種・日本に19種が生息しています。ここでは日本に住むサギのなかでも、見かける頻度が高い種類の5種を紹介します。

種類によって分布や生態が異なるのも面白いポイント。サギを発見する季節にも注目しながら、種類ごとの特徴を学んでいきましょう。

アオサギ|日本を代表する国内最大のサギ

  • 分布:北海道(夏鳥)・本州(留鳥)・四国(留鳥)・九州(留鳥)・沖縄(冬鳥)
  • 生息環境:湖沼沿岸の森林・干潟・湖畔・河川敷・水田
  • 平均体長:95cm

アオサギは、日本を代表するサギの一種。国内最大のサギであり、青みがかった灰色の羽毛が特徴です。頭部は名前を冠するように深いブルーで、翼を広げたときのコントラストが明確な種類です。

大きな風貌と鋭い嘴は『恐竜の子孫とたとえられるほどの堂々とした佇まい。全国的に水辺で1年中見られるため『サギといえばアオサギ』というイメージを持っている人も多いでしょう。

コサギ|長い脚と首を持つ白いサギ

  • 分布:北海道(まれな旅鳥)・本州(留鳥・北部で夏鳥)・四国(留鳥)・九州(留鳥)・沖縄(まれに繁殖)
  • 生息環境:水田・河川敷・沼・干潟
  • 平均体長:61cm

コサギは、長い脚と首を持つサギの一種。とはいえ飛行時は首をZ型に縮めていますので、スラリと伸びる首は陸上でのみ見ることができます。樹上に巣をつくり、水に囲まれた林を好みます。

全身の色はすべて白。おもな生息地は、ユーラシア大陸やアフリカ大陸などの熱帯地。日本では夏鳥として渡来する個体が多いですが、本州の側では日本国内で越冬する場合もあります。

ゴイサギ|カラスに似た鳴き声を持つ夜行性のサギ

  • 分布:北海道(まれに繁殖)・本州(留鳥)・四国(留鳥)・九州(留鳥)・沖縄(留鳥)
  • 生息環境:森林・水田・湿地・河川・湖沼
  • 平均体長:57.5cm

ゴイサギは、灰色の翼と緑黒色の頭を持つサギです。日本ではおもに本州以南に生息しており、樹上の巣で生活しています。夜行性であり、昼間は林の中で静かに過ごし、夕方になると餌を獲るために活発に活動します。

サギとしては小型で、ちょうどカラスと同程度のサイズ感。「クワッ」という鳴き声もカラスに似ていることから、地域によっては『夜烏(ヨガラス)』と呼ばれることもあります。

ダイサギ|白鳥のような上品な風貌のサギ

  • 分布:北海道(まれな旅鳥)・本州(留鳥・夏鳥)・四国(留鳥・夏鳥)・九州(留鳥・夏鳥)・沖縄(冬鳥)
  • 生息環境:水田・河川敷・沼・干潟
  • 平均体長:80cm~104cm(亜種ダイサギと亜種チュウダイサギ)

ダイサギは、おもに夏鳥として日本に渡来するサギです。全身は白色で、白鳥と見間違うほどの美しい風貌が特徴。大きな木のある林にコロニーを作って生活しています。

日本では、亜種である『チュウダイサギ』が夏鳥、同じく亜種である『オオダイサギ』が冬鳥として観測されています。渡り鳥ではあるものの、ほぼ1年中見かける機会がある種類です。

アマサギ|季節によって色を変えるサギ

  • 分布:北海道(まれな旅鳥)・本州(夏鳥)・四国(夏鳥)・九州(夏鳥)・沖縄(冬鳥)
  • 生息環境:水田・牧草地
  • 平均体長:50.5cm

アマサギは、時期によって体の色が大きく変わるサギです。普段はダイサギのように全身白色ですが、夏の繁殖期には頭・胸・背中が薄いオレンジ色に変化します。

この色が『亜麻(アマ)色』に似ていることから、アマサギと名づけられました。アフリカ大陸・南北アメリカ大陸・ユーラシア大陸・南極大陸(!)など、地球各地に分布する種類です。

上品な佇まいにワイルドな生態。身近なサギを観察してみよう!

今回は、サギの種類や特徴などを紹介しました。

サギのなかには、本来の故郷を離れ、異国の地である日本で長い期間を過ごす種類もいます。もし外でサギを見かけたら、羽の色や大きさから、サギの種類を特定してみましょう。

今までは『身近な日本の鳥』だと思っていたサギでも、自分が行ったことのない国を故郷に持つことがわかると、抱くイメージも変わってくるはず。サギを通して、世界の広さについて考えるのも楽しいかもしれませんね。

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あらゆるジャンルを縦横無尽に駆け巡る雑食系ライター。元ペットショップ販売員として表彰経験あり。SEOを中心に、執筆記事は2,000本以上。アニマル・メンタルヘルス・ウェルビーイングなどを中心に、毎日の充実度がちょっぴり高まる記事を発信中。

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