- 初めてペットシッターにお願いする前には入念に打合せを
- ワクチンや予防接種の証書は必須
- お世話をお願いするのは健康状態の良いときに

GWや夏休みなど、長期で旅行を計画するこの季節は、ペットを飼っている人たちがペットの預け先に頭を悩ませる時期でもあります。
そんな時、安心してペットのお世話をお願いする先の選択肢に、ペットシッターがあります。今回はペットシッターにペットを預ける際に、どんなことに注意をすればいいのか、どんなことに気をつけるべきなのかを、実際にペットシッターとして活動されている鈴木さんに聞きました。
◆取材・監修:保護猫カフェPURR(パー)
取材先・監修

オーナー 鈴木真澄(すずきますみ)さん
1980年生まれ。千葉県木更津市出身。愛犬ちば動物学園(現愛犬動物フラワー学園)を卒業後、君津市の市川動物病院に勤務。出産を機に退職し、3人の子育てをしながらシングルマザーに。
接客の経験を経て、2022年8月に保護猫カフェPURRを開業。
ペットシッターにペットを預けるには?手順・料金・内容を解説

基本的にPURRさんにペットシッターをお願いできるのは犬と猫です。
ペットシッターにペットを預ける場合、どのような手順が必要で、どこまでをお願いすることができるのでしょうか。また実際に預ける際に必要になる料金などについて、解説してもらいました。
ペットシッターに愛犬・愛猫を預ける手順
旅行に行く場合、ペットの性格によってペットホテルに預けるよりも、自宅で留守番する方が落ち着く子もいるのだと鈴木さんは話します。
ペットをペットシッターにお願いする場合に、どのような手順が必要になるのでしょうか?

ご依頼をいただいた場合には、必ず最初のシッターに入る前にお打合せをお願いしています。
ご相談だけでしたらカフェでもできるのですが、シッターのご依頼がお決まりの場合には必ずお伺いさせていただいてお話させていただいております。



打合せはどのくらいの時間が必要でしょうか?



ご依頼の内容にもよりますが、1時間程度のお時間をいただくことが多いです。
お預かりする愛犬・愛猫の性格やクセ、ご飯の種類やあげ方など、細かい点を確認させていただきます。
ご質問をいただくこともありますし、不安に思われることなどもお話しいただき、ご納得いただいてからシッターに入らせていただくようにしています。
時間をかけて打合せをすることで気がかりなことを相談し、家の中のことややってほしいことを決め、実際のシッター業務に入るのだそうです。
不安なことは相談してみると、経験に基づいた意外な解決法を教えてもらえるかもしれません。
ペットシッターにお願いできること


シッターをお願いする際に、お願いできること・できないことについて聞きました。



その子によって性格も違うので、できることも変わってきます。その中で爪切りや肛門絞りなどは、させてくれる子の場合は対応させていただきます。
ただ、どうしても姿を見せてくれない子や、触らせてくれない子などの場合は無理強いすることはいたしません。
投薬については、シッターにおうかがいする前に飼主さまに済ませていただいております。
首に塗布するような薬でも、家族以外に体を触られることを嫌がる子は多いそうです。ましてや口を開けて薬を飲ませるというような対応は家族でも難しいケースもあります。
ペットシッターに愛犬・愛猫のお世話をお願いする際には、その子が健康であることが基本になります。体調の悪い愛犬・愛猫を留守宅に置いておくのは、家族としても心配になってしまいますよね。
これ以外に実際にお願いしたい内容がある場合には、愛犬・愛猫の性格も考慮して、打合せの際にしっかり確認しておきましょう。
ペットシッターの基本料金に含まれるもの
ペットシッターの基本料金は愛犬・愛猫の体重で決まります。その料金で何をしてもらえるのでしょうか。
また、対応可能な頭数に制限などはあるのかなど、詳細を話してもらいました。



料金は1時間のものになりますので、その時間内であればできることをさせていただきます。
餌やり・水やり・お散歩・ブラシなどが多いですが、時間が余ったら遊んであげるなどのご依頼をいただくこともあります。
時間内であれば頭数に制限はございません。
鈴木さんが今までにお世話をしたケースでは、13匹の猫ちゃんを担当したことがあるのだそう。犬の場合はお散歩があるので、多頭飼育の場合はどうなのでしょうか?犬のお散歩について聞きました。



お散歩については、そのケースごとや、ワンちゃんの性格などによって変わります。
多頭でのお散歩が難しい場合は、時間や散歩の仕方をご相談させていただく事がございます。
やはりワンちゃんの性格や、いつもの生活などによって違いが出てくるということですね。
追加料金が必要なもの
ペットシッターをお願いするとき、追加で料金がかかるのはどのような場合なのか聞きました。



カフェから11キロ以上離れている場合は追加料金が発生します。
ケースによっては1日に複数回おうかがいすることもありますので、その場合には回数分の追加料金をご請求させていただきます。
1日に複数回のお世話とは、例えば愛犬の朝晩の2回散歩をお願いするようなケースが該当します。
最初の打合せの際に、散歩の時間やシッターの作業内容などを決めておくのだそうです。
ペットシッターにペットを預ける場合に必要なもの・こと


ペットシッターをお願いするに当たって、必要なもの・ことがあるのだそう。飼主が用意しておくべきもの・ことについて、解説してもらいました。
ワクチンや予防接種の証明書
ペットシッターを依頼する際の前提条件となるのが、人にもほかの動物にも、感染するような病気を持っていないこと。ペットホテルに預ける場合も同様ですので、覚えておく必要があるでしょう。



ワンちゃんの場合は必須で『狂犬病の予防接種』を済ませた鑑札をお願いしております。ワンちゃん・猫ちゃん共通でお願いしておりますのは『動物病院さん処方のノミダニ駆虫薬』です。
こちらはネットなどで購入された駆虫薬ではなく、動物病院さん処方のものでお願いしております。



混合ワクチンは受けていなくても大丈夫なのでしょうか?



シッターの場合は大丈夫です。
ペットホテルの場合、ワンちゃんは『狂犬病予防接種』『ノミダニ駆虫薬』を。猫ちゃんの場合は『白血病陰性証明書』『エイズ陰性証明書』『動物病院さん処方のノミダニ駆虫薬』を。共通で『混合ワクチン』をお願いしております。
猫ちゃんはエイズと白血病が陽性の場合、ホテルはご利用いただけません。
鈴木さんのカフェには猫ちゃんもたくさんいますし、ペットホテルでは多くのワンちゃん・猫ちゃんをお預かりしているため、必要性はよくわかります。
エサや水の場所をわかりやすく
家の中のものの置き場を明確にしておくことも、お世話をしてもらう際にはとても重要になります。限られた時間の中で、愛犬・愛猫のお世話をしてもらうわけですから、時間は無駄にはできません。



最初のお打合せの際に、必要なものの置き場は確認しておくので、あまり問題になることはありません。
ただ、何回かご依頼をいただいているうちに場所が変わっていることは稀にあります。
そういう場合にはお電話などで確認させていただくようにしております。
打合せの後にエサの場所などを移動した場合は、忘れずに連絡をするようにしましょう。
こんな時どうする?留守番中に困ったときの対処法


愛犬・愛猫に自宅でのお留守番をさせる場合に「こんな時って対応お願いできるのかな?」と思うこともあるでしょう。
ここでは実際に鈴木さんがお願いされたことのあるケースについて話してもらいました。
ペットカメラにペットが触ってカメラの方向がズレてしまった
近年設置する家が増えているペットカメラ。24時間いつでも愛犬・愛猫の姿を確認できるものや、ご飯の時間にタイマーをセットして、食べている姿を確認できるものなどバリエーションも増えています。
そんなペットカメラを設置しているからこそ、お願いされる依頼もあるのだそうで…。



シッターに入っているご家庭で、猫ちゃんに多いのですが
「高いところに飛び乗ったときに、はずみでカメラの向きが変わってしまって壁しか見えなくなってしまったので、シッターに入ったときにカメラの向きを直してほしい」
というご依頼をときどきいただきます。



それは対応していただけるのでしょうか?



はい。LINEやお電話でご依頼いただくので、どの向きにすればいいかをうかがって、対応させていただいております。
シッター中にカメラの向きや位置が変わっていることに気づく場合もあります。そういうときにはこちらからご連絡して直すこともあります。
ペットカメラでいつでも愛犬・愛猫の姿を確認できるというのは、たしかに安心できますね。
臨機応変な対応をお願いできるのはありがたいです。
急に気温が上がって部屋の温度が心配に


夏は特に気温の変化の大きい時期です。昨日までは涼しかったのに、急に真夏日になってしまった!なんてことも珍しくありません。
秋などは急に冷え込みが厳しくなった、というケースも。
そんな時にエアコンを入れてほしいというオーダーもあるのだそうです。



基本的に温度設定はしておいていただきます。運転のスイッチを入れることはさせていただきますが、温度の設定はこちらでは触らないようにしております。
日々の生活の中で使われている温度に、体が慣れていると思いますので。
時期によって温度設定はあらかじめしておくことが大切なようです。エアコンのリモコンの位置も、知っておいてもらうのを忘れずに。
シッターをお願いする際には覚えておきましょう。
自宅周辺に雷が落ちた!もしかしたら停電かも!?
夏になると増える雷。近年では冬でも発生することが珍しくなくなりました。旅行中に自宅近くに雷注意報が出ていると、自宅が落雷で停電したら!?なんて考えてしまうこともありますよね。
特に猛暑になることの多い夏は、停電でエアコンが止まってしまうと、ペットの命に関わる可能性もあります。
そんなときに心強い味方になってくれるのがペットシッター。鈴木さんの神対応についてお話を聞きました。



雷レーダーは毎日チェックしています。特に依頼をいただいているお宅の周辺の様子は気にしていますね。
周辺に雷が落ちた場合はLINEやお電話で確認させていただいています。
連絡が取れない場合は、念のために様子を見にうかがうこともあります。
万が一エアコンが止まってしまうと、特に夏場は命に関わるので。
連絡すると、ペットカメラのついているお家の場合は、カメラで様子を確認してくれることもあるのだとか。
愛犬・愛猫の命に関わることだからこそ、常に意識をしてくれるペットシッターの存在は心強いですね。
愛犬・愛猫の目線に合わせた丁寧なお世話が魅力


いろいろなワンちゃん・猫ちゃんのお世話をするのが楽しいと話す鈴木さん。一度もシッターのお仕事が大変だと思ったことはないのだそう。
「その子たちに会えると思うと、それが楽しいです。いつか私のことも好きになってくれたらいいなと思ってお世話しています」
そう話す鈴木さんは、いつも動物たちの目線に合わせたお世話をしてくれます。
特に猫ちゃんの場合は、ペットホテルよりも自宅でのお留守番がおすすめだそう。次にペットにお留守番をさせる際には、ぜひペットシッターという選択肢も検討してみてください。
施設情報


保護猫カフェPURR(パー)
ペットシッターのほか、ペットホテルや保護猫カフェも運営するPURR。現在は対応動物は犬と猫に限定しているが、オーナーは動物病院の勤務歴が10年以上と、動物の体調管理に関しては広く高い経験値を持つ。「とにかく動物に不快な思いはさせたくない」という信念に基づいた対応には定評があり、リピーターも多い。動物好きが高じて保護猫カフェも併設し、行き場のない猫たちの里親探しのためにも活動している。
【ペットシッター】
料金:(1時間)
猫・小型犬(10kg未満)3,500円・延長30分 1,200円
中型犬(25kg未満)4,000円・延長30分 1,400円
大型犬(40kg未満)4,500円・延長30分 1,700円
超大型犬(40kg以上)5,500円・延長30分 2,200円
【ペットホテル】
所在地:
料金(1泊):
猫・小型犬(10kg未満)3,500円
中型犬(25kg未満)4,500円
大型犬(40kg未満)5,500円超大型犬(40kg以上)6,500円