コウモリとはどんな動物?知られざる生態を大解説!ペットとして飼育する方法も

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まとめ
  • コウモリは臆病で大人しい性格をしており静かな場所で暮らすことを好む
  • 自分から人間に襲い掛かることはほとんどない
  • ペットとして飼育可能だが、野生のコウモリを捕獲するのはNG

かわいいけれど、ちょっと怖い?!コウモリは、人によって大きくイメージが異なる動物といえるでしょう。さまざまな創作物にも登場するコウモリは、家庭で飼育することも可能です。

今回は、コウモリの生態や飼育のポイントなどを紹介します。人間にとって身近な動物ながら、間近で見たことがある人は意外にも少ないコウモリ。知られざるコウモリの魅力にふれ、人間との関わりについても学んでいきましょう!

目次

コウモリとはどんな動物?鳥のような飛行能力を持つ哺乳類!

ここでは、コウモリの基本的な生態や特徴について紹介します。

コウモリに不気味な印象を持っている人も多いかもしれませんが、コウモリは突き詰めれば犬や猫と同じ哺乳類。ぜひこの機会に、コウモリを身近に感じてみましょう!

『滑空』ではなく『飛行』!羽ばたいて飛ぶ翼手類

コウモリは、哺乳類のなかでも『翼手(よくしゅ)目』に属する動物です。翼手目の大きな特徴としてあげられるのが、完全な『飛行』ができること!

ムササビやモモンガのような『滑空』ではなく、鳥類と同じようにはばたくことにより、飛行能力を獲得している哺乳類がコウモリなのです。

コウモリの前脚は細長く伸び、人差し指以降の指の間からは『飛膜』と呼ばれる膜ができています。飛膜に生えた毛で気流を感知し、最適なルートを判断して飛行します。

日本のコウモリはおもに6種類!

コウモリは世界中に約970種類生息しており、日本に生息するコウモリは約35種類です。多くのコウモリのなかでも、代表的なものは以下の6種類です。

種類おもな生息域
アブラコウモリ本州~九州、琉球列島など
ニホンウサギコウモリ北海道・本州(中国地方を除く)
キクガシラコウモリ北海道~九州
オヒキコウモリ北海道~九州
オガサワラオオコウモリ小笠原諸島
カグラコウモリ八重島諸島

とくに『アブラコウモリ』は生息域が広く、人の家を住処とする習性も持っているため、日本人にとって身近なコウモリといえるでしょう。

基本的には臆病で大人しい性格

コウモリは、基本的に臆病で大人しい性格をしています。自分から人に襲いかかることはほぼなく、静かな場所で暮らすことを好みます

危険に対して挑むのではなく、逃げることによって自身を守る傾向にある動物です。ペットとして飼育する際も温厚な個体が多く、飼主に歯向かうことは稀です。

超音波による『エコーロケーション』でスムーズに飛び回る!

コウモリの特徴として、エコーロケーションがあげられます。エコーロケーションとは、超音波によって周囲の状況を探知する能力です。コウモリ以外では、イルカやクジラなどもエコーロケーションを活用しています。

コウモリは口や鼻から超音波を放射し、反射によって生まれたエコーを聴くことで、空間の広さや獲物との距離感を察知します。超音波の精度は高く、わずかな水の動きを察知し、水中の魚を捉える種類がいるほどです。

暗くて安全な場所で集団生活をする生き物

コウモリは基本的に集団生活をする生き物です。数頭~数十頭の群れで生活しています。夜行性であり、暗くて安全な場所に身を寄せながら、日没後に活発に行動します。

密集状態でも、お互いに超音波を出し合って距離感を感知しているため、ぶつかることはありません。

またコウモリの脚には特別な腱が存在しており、脚と上半身を接続することで、体重を支えます。コウモリが脚で掴んだ場所も腱がしっかり固定するため、コウモリ自身は力を入れずにぶら下がりながら眠れます。

蚊やユスリカなどの虫が主食

野生のコウモリの主食は、蚊やユスリカなどの小さな虫です。

一晩で500匹ほどの害虫を捕食するため、地域によっては益獣と呼ばれることも。動物園のような管理下で生息するコウモリは、リンゴ・バナナ・オレンジなどの果実も食べています。

排泄物や羽音などの被害が。害獣として追い出しの対象にも…

害獣を食べる益獣であるコウモリですが、排泄物による衛生的な被害や騒音などの理由で、害獣として住処から追い出されてしまう場合もあります。

またコウモリに咬まれたり引っかかれたりした場合に、サルモネラ菌やヒストプラズマ症など、重大なウイルスに感染してしまうリスクも無視できません。

コウモリはペットにできる?飼い方や注意点を紹介!

ここでは、コウモリをペットとして飼育する際のポイントや注意点などを紹介します。

温厚な性格につぶらな瞳を持つコウモリには、愛好家も少なくありません。しかし多くのコウモリは輸入が禁止されているため、希少性の高さがハードルになるようです。

野生のコウモリは捕獲NG!

コウモリは、鳥獣保護管理法に指定されている生き物です。駆除はもちろん、捕獲することもできません。

そのため野生のコウモリをペットにするのはNGです。またコウモリ自体が輸入禁止であるため、飼育できるのはごく限られた生体のみになります。

ペットになるのはおもに『フルーツコウモリ』

日本の家庭で飼育できるコウモリは、おもに『フルーツコウモリ』です。

フルーツコウモリはオオコウモリの一種で、名前の通りフルーツを主食とします。体調は平均80~90cmで、性格は温厚。愛情を持って接することで、人間にも懐いてくれるのが魅力です。

フルーツコウモリの寿命は約15~20年

野生のフルーツコウモリの寿命は約10年ですが、適切な環境下で飼育することで約15~20年も生きてくれることがわかっています。

最長では、30年以上も生きた個体もいるのだとか。お迎えの際は、終生飼育ができる環境の整備が求められます。

価格の相場は5~10万!希少性が高いペット

フルーツコウモリの価格の相場は、5~10万円です。

輸入が禁止されているフルーツコウモリは、国内で繁殖した個体しか販売できないため、希少性が高くなっています。流通量が少ないことから、小動物としては高めの販売価格といえるでしょう。

コウモリの飼育で必要なもの

以下に、フルーツコウモリの飼育で必要なグッズを紹介します。

  • ケージ……大型鳥類用を推奨
  • ヒーター……爬虫類向けのサーモスタットを推奨
  • 給水器……小動物用のウォーターボトルを推奨
  • 餌用の皿……鳥類向けの餌入れを推奨

フルーツコウモリは、ほかのエキゾチックアニマルと比べて飼育事例が少ない生き物です。販売者に相談しながら、個体の性質に合ったグッズを導入していきましょう。

コウモリを飼育するためのポイント

本来フルーツコウモリは、熱帯地域に生息しているコウモリです。室温は25~30℃程度に保ち、必要に応じてヒーターや照明器具を取り付けましょう。

主食として与える果物も、バナナやマンゴーのような温暖な土地で育つ種類を中心にします。とはいえ果物だけでは栄養が偏ってしまうため、鳥用のバランスフードも併用することが推奨されています(個体ごとに好みが異なる場合もあるため、食生活の詳細は販売者に相談すると安心です)。

運動量が多い生き物であるため、ケージは大きめの物を用意して空間を広く取りましょう。可能であれば、1日数回ケージから出し、部屋のなかを自由に飛び回らせてあげてください。

排泄の回数が多いため、頻繁な掃除は必須です。ペット用シートや新聞紙をケージの底に敷くことで、清潔な環境を維持しやすくなります。

益獣であり害獣。2つの側面を持つコウモリをもっと知ってみよう

今回は、コウモリの生態的な特徴や、ペットとして飼育する際のポイントなどを紹介しました。

コウモリは、害虫を食べてくれる益獣としての側面と、衛生面や騒音における害獣としての側面を持つ生き物です。しかし『益獣』『害獣』と判断しているのは、人間側の勝手な都合。コウモリは、自身の生態や本能に応じ、ありのままに生活をしているだけです。

大切なのは、コウモリの習性を理解したうえで共存できる環境を考えること。コウモリは、自分から人間に襲い掛かることはほとんどありません。

コウモリを通して、人間と野生動物とのつながりを考えながら、より良い共生関係を築いていきましょう。

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あらゆるジャンルを縦横無尽に駆け巡る雑食系ライター。元ペットショップ販売員として表彰経験あり。SEOを中心に、執筆記事は2,000本以上。アニマル・メンタルヘルス・ウェルビーイングなどを中心に、毎日の充実度がちょっぴり高まる記事を発信中。

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