体の色を変える生き物たち18選!不思議な生態の仕組みや理由

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まとめ
  • 狩るため、狩られないため…体の色を変える理由は生き物によりさまざま
  • 体の色の変化を使って、相手をかく乱させる生き物も!
  • 色の変化を通して、生き物たちのライフスタイルを学んでみよう

『体の色が変わる生き物』と聞くと、カメレオンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。実は自然界には、カメレオン以外にも不思議な『色の魔法』を使う生き物がたくさん存在しているんです。

今回は、体の色を変える生き物たちを紹介します。体色の変化は、生き物たちの歴史や進化の賜物。生息環境にも注目しながら、彼らの神秘的な体質にふれていきましょう。

目次

季節によって体の色が変わる生き物4選

まずは、季節によって体の色が変わる生き物たちを紹介します。夏に出会った生き物も、冬に出会うと違う姿に!気温差や天候の変化を味方につけ、野生をたくましく生きる生き物たちの工夫を学んでいきましょう。

ホッキョクギツネ|季節の色彩に合わせた擬態

ホッキョクギツネは、氷点下50度の極寒の地でも生息できるキツネ。冬は雪に擬態するために白い体に、夏は岩や植物に隠れるために茶色い体に変化します。環境に合わせた被毛になることで、主食であるげっ歯類や鳥などを捕まえやすくなるのです。

ライチョウ|天敵から身を守る

ホッキョクギツネが『狩るための変色』なら、ライチョウは『狩られないための変色』。ライチョウは冬は雪の白、夏は岩場の茶色に色を変えます。これは捕食者から身を守るための保護色であり、天敵であるキツネやオコジョなどから身を守るのです。

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ユキウサギ|日照時間に合わせて徐々に変色

北海道やシベリアに生息するユキウサギは、冬は純白の体に、夏は茶色の体になります。夏毛への変化は『日照時間が11時間以上』が目安となっており、3月から5月頃にかけて徐々に生えかわります。これもライチョウと同様に、捕食者から身をまもるための工夫です。

オコジョ|『狩りやすく』と『狩られにくく』を両立

猛禽類や中型哺乳類の非捕食者であり、小型哺乳類や鳥類の捕食者でもあるオコジョ。冬は白、夏は茶色に変わるのは上記の動物と同様ですが、オコジョの被毛の変色は『自分が狩りやすく、相手に狩られにくく』を両立します。

環境によって体の色が変わる生き物3選

ここでは、環境によって体の色が変わる生き物を紹介します。体色の変化は、野生の生き物たちにとって重要な生存戦略。ミステリアスな性質を通して、彼らが生き延びるために会得した工夫を学んでみましょう。

カメレオン|皮膚で周囲の色を感じ取る

『色が変わる生き物』の代表格であるカメレオンは、目ではなく皮膚で周囲の色を感じ取ります。光や熱を浴びると皮膚細胞が反応し、周りの環境に適した擬態色に変化するのです。また感情の変化や求愛行動によっても色を変える場合があります。

ヒラメ|岩や砂の色を見事に再現

海底に生息するヒラメは、背面の模様を変えて身を隠す能力を持ちます。ヒラメの変色能力は、色素細胞の変化によるもの。砂地が反射する光の量を敏感に感じ取り、自分の皮膚に再現します。上手に隠れたヒラメは、人間の目でも発見できないほど砂地に擬態します。

タツノオトシゴ|遊泳能力の低さを擬態力でカバー

タツノオトシゴも、周囲の環境に合わせて体色を変える生き物。皮膚に埋め込まれた色素胞が縮小・拡張することで、光の強度に応じた色を再現します。遊泳能力が低いタツノオトシゴにとって、擬態能力の高さはまさに生命線なのです。

食べ物によって体の色が変わる生き物3選

ここでは、食べ物によって体の色が変わる生き物を紹介します。後天的な要素によって体色が変わるだなんて、人間にとっては想像もつかない性質ですよね。身近な生き物の不思議な体の仕組みをチェックしていきましょう!

フラミンゴ|赤い色素を持つ食べ物の影響

生まれたばかりのフラミンゴの雛は、実は白色なんです。赤色の体の秘密は、主食であるプランクトンやエビ・藻。これらには赤い色素が含まれているため、食事をするごとに体に色が反映されていきます。体が鮮やかな赤色であるほど、繁殖時にペアを見つけやすくなります。

サケ|食べた餌の種類によって身の色が変化

サケは、食べ物によって身の色が変わる魚。カニやエビなどに含まれる『アスタキサンチン』という色素を接種するほど、赤く鮮やかな身になります。そのため同じ種類のサケでも、漁獲場所や食べた餌の種類によって、身の色が異なるのです。

ニシキゴイ|餌の成分によって発色が変わる

ニシキゴイも食べる餌により色が変わります。見た目の美しさが重視されやすいニシキゴイは、餌の成分調整により鮮やかに発色させる『色揚げ』のプロセスが大切。バランスよく栄養を摂らせることで、全体的に美しい発色が維持されます。

成長段階によって体の色が変わる生き物5選

ここでは、成長段階によって体の色が変わる生き物を紹介します。体色の変化は立派な大人になった証。子ども時代の面影がなくなるのは少し寂しいですが、生き物たちの生命の神秘からは強いパワーを感じられます。

ニワトリ|親の餌により雛の色が変化

子どもと大人で大きく姿が変わる生き物といえば、ヒヨコとニワトリ。ヒヨコの羽毛には、黄色い色素である『カロテノイド』が含まれています。大人になるにつれて、羽は環境に応じた色に変化します。雛の色は親鳥の餌にも影響を受けるため、カロテノイドを多く含む餌を食べた親鳥から生まれた雛は、黄色が濃くなるのです。

カクレクマノミ|遺伝子や性転換によって彩度が変化

カクレクマノミは、ストレスや日焼けによって体色が変化します。また遺伝的に黒くなりやすい個体も多く、成長に応じて彩度が変化しやすいのが特徴です。また繁殖時にオスがメスに性転換する魚でもあり、性別が変化した後は全体的に色が濃くなる傾向にあります。

オスのライオン|強いオスほどたてがみが濃い

オスのライオン特有の鬣(たてがみ)も、成長段階によって色が変化します。鬣の色は、プライド(ライオンの群れ)内での地位や強さによって変色。自身の強さを認識するごとに『テストステロン』というホルモンが分泌され、毛色も黒く濃くなるのです。鬣の色が濃いライオンほど強い個体として認識され、メスをさらに引きつけます。

カエル|生息地に合わせて身を隠せる色に変わる

オタマジャクシとカエルは、姿だけではなく色にも大きな変化がありますよね。オタマジャクシが黒い理由は、夜になると保護色になるからです。大人になり陸にも上がるようになると、周囲の環境に応じた体色に変わります。そのため『黒いままのほうが生き残りやすい環境』のカエルは、大人になっても黒いままです。

キンギョ|遺伝の影響が強い『人為的な変化』

金魚は、もともとフナの突然変異。観賞用の魚として人為的に交配されたフナが金魚です。より美しい色を目指して交配されるなかで、成長段階とともに変色するのは自然なこと金魚の色や模様は遺伝の影響が強く、発色具合や模様の出方には個体差があります。飼育環境によっては、ヒレの広がり具合などにも違いが現れます。

一瞬で体の色が変わる生き物3選

自然のなかには、まるで魔法のように一瞬で体色を変える生き物もたくさん!ここでは、短時間で体の色が変わる生き物を紹介します。瞬きをする暇もなく姿を変える生き物には、未知と不思議が満ち溢れています。

タコ|筋肉の収縮で体の色が変化

タコは、多くの色素顆粒が詰まった色素胞を持つ生き物。色素胞は小さな筋繊維に包まれており、筋繊維の伸び縮みによって複雑な色を再現します。この擬態能力は、捕食者を威嚇したり、獲物に気づかれずに近づいたりするために活用されます。

イカ|海中の天敵から身を守る

イカもタコと同様に、色素胞を含む筋肉によって体色を変える生き物です。色素胞が広がると彩度が増し、縮むと白っぽい見た目になります。岩場では斑点模様に、砂地では淡い色にと、器用に色を変化させながら天敵から身を守ります。

カトルフィッシュ|色のかく乱によって催眠術をかける

多くのイカは『ツツイカ類』ですが、カトルフィッシュは『コウイカ類』のイカ。『クロマトフォア』『イリドフォア』『ルコフォア』という赤・黄・褐色の色素を持ち、白から黒まであらゆる体色を作り出します。

驚くべきことに、カルトフィッシュは体の色のかく乱』によってカニを捕食することが分かっています。カニの目は動いている物体に敏感に反応するのですが、カルトフィッシュの激しい色の変化を見ることで、一種の催眠状態に陥ってしまうのです。

まるで魔法!体の色を変える生き物たちの神秘

今回は、体の色を変える生き物たちを紹介しました。

狩るため・狩られないため・求愛のため・強さの誇示のため。色の変化ひとつにも、生き物たちによる独自のライフスタイルが垣間見えます。

現存する生き物たちにはそれぞれの進化の歴史があり、その体質には生存のための工夫が秘められています。ぜひこの機会に、生き物たちの底知れぬ神秘にふれてみましょう!

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あらゆるジャンルを縦横無尽に駆け巡る雑食系ライター。元ペットショップ販売員として表彰経験あり。SEOを中心に、執筆記事は2,000本以上。アニマル・メンタルヘルス・ウェルビーイングなどを中心に、毎日の充実度がちょっぴり高まる記事を発信中。

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