身近な爬虫類、ニホンカナヘビの特徴や生態について解説

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まとめ
  • ニホンカナヘビは公園や庭先など、身近な環境に生息している
  • 地域によっては絶滅危惧種に指定されている
  • 晴れた日に、陽辺りがよい場所を探すと見つけやすい

ニホンカナヘビは、日本全国に広く生息する爬虫類です。公園や庭先、畑などで見かけることができ、身近な存在と言えるでしょう。日光浴をしながらキョロキョロと見渡す姿はとても可愛らしいです。

そんな身近なニホンカナヘビですが、実は生態や特徴について詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。このコラムでは、「ニホンカナヘビってどんな生き物?」「ニホンカナヘビの飼育は難しい?」といった疑問を解決していきます。爬虫類や小さな生き物に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

目次

大きさや寿命は?ニホンカナヘビの基本情報

まるで恐竜を小さくしたかのような見た目のニホンカナヘビ。その名前から、「ヘビなの?トカゲなの?」と思う人も多いでしょう。まずはニホンカナヘビがどんな生き物なのかを解説します。

ニホンカナヘビはどんな生き物?大きさや寿命は?

ニホンカナヘビはカナヘビ科に分類されるトカゲの仲間です。成体の全長は最大で25cmで、全長の2/3ほどを長い尻尾が占めます。一説ではこの長い尻尾がヘビのように見えることから『カナヘビ』と名付けられたとされます。寿命は野生下で3~5年です。飼育下で適切な環境を整えれば10年以上生きる個体もいます。

生息地や生息環境はどんなところ?

ニホンカナヘビは、北海道から九州までに生息しています。平地から山地まで幅広い環境に適応し、庭・公園などでもよく見かける身近な爬虫類といえるでしょう。

日当たりが良く開けた場所で、木の根・草むらなどすぐに隠れられる場所がある環境を好みます。基本的には地表性ですが、木やなだらかな塀などを登ることも多いです。

ニホンカナヘビは適応力も高く個体数も比較的多いですが、土地開発の影響も少なからず受けています。東京都や千葉県では絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定され、保護活動もされています。

ニホンカナヘビは小さな生き物を食べる

ニホンカナヘビは基本的に肉食性で、小さな昆虫やクモなどの節足動物を好んで捕食します。ほかにもミミズ・ナメクジなどの軟体動物や、時には地面に落ちた果実などを食べることもあります。

ニホンカナヘビの天敵は、ネコ・イタチ・タヌキなどの小型哺乳類・ヘビ・鳥類です。幼体のころはカマキリなどの肉食性の昆虫に捕食されることもあります。

ニホンカナヘビの特徴や生態

ニホンカナヘビの見た目や、生態について解説していきます。よく似たニホントカゲとの違いも紹介しますので、観察する際にぜひ参考にしてください。

ニホンカナヘビの身体の特徴

ニホンカナヘビの特徴は、細長い体と長い尾です。体色は薄い茶色で、目の下から尻尾にかけて濃い茶色のラインが入ります。住んでいる環境によっては、体色や模様が薄い個体もいます。皮膚は細かい鱗に覆われており、少しザラザラとした質感です。

ニホンカナヘビの生活サイクル

ニホンカナヘビは変温動物であり、その活動は気温に大きく影響を受けます。春から秋にかけて活発に活動し、冬は冬眠するのが1年間の生活サイクルです。

春になり冬眠から目覚めて体力が回復すると、初夏までが繁殖期です。オスはメスに求愛し、受け入れられると嚙みついて交尾をします。交尾が成功するとメスは最大で8個の卵を産みます。

孵化までは約2ヶ月です。夏の間は餌も豊富で活発に動き、秋になると冬眠の準備を始めます。気温が低下すると落ち葉の下や石の隙間で冬眠します。

切れた尻尾は再生するの?

ニホンカナヘビは捕食者に襲われると、自ら尻尾を切ります。切れた尻尾はしばらくの間クネクネと動くので、それに気を取られている間に逃げきるのです。

切れた尻尾は2週間ほどで新しく生えてきます。もともとの尻尾には骨が入っていますが、再生した尻尾は骨ではなく軟骨になります。また長さも短いことが多く、完全に再生するのは難しいです。

ニホンカナヘビは長い尻尾によってバランスを保っていますが、再生した尻尾では本来のバランスを保てません。尻尾を切る行為は、まさに命がけの行動と言えるでしょう。

ニホントカゲとの見分け方は?

.ニホンカナヘビとニホントカゲは似たような環境で見かけることも多いので、混同されやすいです。

ニホンカナヘビはザラザラとした鱗を持つのに対し、ニホントカゲはツルツルして光沢のある鱗を持っています。光が当たると、ニホントカゲは光沢が目立つので分かりやすいです。

もう1つは尻尾の長さで見分けられます。ニホンカナヘビは全長の約2/3が尻尾ですが、ニホントカゲは約1/2です。ニホンカナヘビは全体的に細長く見えるのに対し、ニホントカゲはややずんぐりと見えます。ニホントカゲの幼体は鮮やかな青い尻尾を持つ点でも見分けられます。

ニホンカナヘビを野外や飼育をして観察してみよう

ニホンカナヘビをさらによく知るには実際に野外で観察したり、飼育したりするのがおすすめです。野外で探すコツや、飼育する上でのポイントを紹介します。

晴れた日に日光浴している個体を探そう

ニホンカナヘビは日光浴を好む生き物で、晴れた日に草むらや石の上で見かけることができます。特に春から夏にかけては活発に動き回るので、観察しやすい時期です。野生のニホンカナヘビは音や振動に敏感で、人が近づくと素早く動いて隠れます。

遠目から日光浴に適した陽の当たる石などを見つけ、そっと近づいていくのがポイントです。万が一逃げられてしまった場合も、しばらくすると再び日光浴に戻ってくることも多いので待ってみましょう。

ニホンカナヘビは飼育可能!適切な環境を整えよう

ニホンカナヘビの飼育は問題ありません。身近な環境に生息している生き物なので、飼育も比較的容易です。飼育をしたい場合は自分で採集するか、爬虫類ショップで購入します。

個体数が減っている東京都や千葉県ではむやみに捕まえないようにしましょう。ショップでは500~1,000円で購入できます。

ニホンカナヘビを飼育する上で大切なポイントはバスキングライトを設置し、太陽代わりのホットスポットを作ることです。もともと日光浴をするのが好きなので、局所的に高温の場所を作ってあげましょう。体温が上がらないと元気に活動できません。

餌には生きた昆虫を与えます。コオロギ・バッタ・ワラジムシなどを捕まえて与えましょう。捕まえるのが難しい場合、爬虫類ショップで購入することもできます。栄養が偏らないように、複数の餌を与えるのがポイントです。

観察時は尻尾を強く持たないようにしよう

野外での観察時や、飼育している個体を手の上で観察しても問題ありません。手の上で観察することで分かることも多いはずです。

手に乗せて観察する時は、尻尾を強く持たないように注意しましょう。尻尾を強く持つと外敵に襲われたと感じ、尻尾を切り落とす可能性があります。

尻尾を落とすのは生きるための手段とは言え、大きなストレスがかかります。余計なストレスを感じさせないためにも、優しく手のひらで包み込むようにして観察しましょう。

身近な爬虫類、ニホンカナヘビの魅力に迫ろう

ニホンカナヘビは日本全国で見られる身近な爬虫類です。小さい体ながらもまるで恐竜のようなフォルムはとてもかっこいいです。活発に活動するので、観察していても楽しいでしょう。

そんなニホンカナヘビも野外で観察したり、飼育したりすると、さらにその魅力に気が付くはずです。身近な環境にいる生き物ですので、まずは気軽に探してみてください。

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のべじ

のべじ

元水族館職員の生き物好きライター。ダイビングガイド、農家などの経験を活かし生き物、自然、家庭菜園、料理など、さまざまな分野でライティングしています。

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